『斬(ざん)』

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匿名ダイアリーにおける同一人物特定の不確かさについて

2007年03月04日 | ブログの話
顕名・実名の人の言及に対して匿名の人が「失礼」というのは成立するのか? : ARTIFACT ―人工事実―

 を読んで、思ったこと。
 『Life is beautiful: その「頭がいい人は成功して当然」という発想が甘すぎる』(以下:件の記事と略す)のコメント欄に「元記事の作者」さんが、現れたのですが、このコメンテーターが本当に元記事の作者かどうかというのが、とても気になりました。件の記事のはてなブックマークでも
はてなブックマーク - おちゃめクールの周回遅れはてブ / 2007年02月26日
本物だとして、
 と、そのことに触れているのは、知る限り一件だけです。なんだか、多くの方は素直に受け入れているようで、それがちょっと恐く感じました。

 たぶん、件の記事のコメント欄へ書き込んだ「元記事の作者」さんが『頭のいい人が成功できるかどうかの境目』を書いた作者と別人とはオレにも思えないのですが、残念ながら確証というか、担保するものが見当たりません。

 もちろん、コメント欄に書き込むこと自体、そこに書かれているハンドルネームが、実名や顕名でネット上に居場所を持っている同一の本人かどうかというのは、URL やメールアドレスを入れたところで疑わしいのですが。
参照:ekken♂ : そもそも他人のブログのコメント欄では誰もが「匿名」かもしれない(検索元:ekken♂ 「コメント」ブログ内)

 しかし、実名や顕名でネット上に居場所を持っているのならば、最悪の場合、問い合わせることで、ある程度確認を取ることは出来ます(もちろん、嘘を付かれてしまう場合もあるので確実とは言えませんが)。しかし、匿名ダイアリーで書いた場合は、その特定がさらに困難となります。実際、件の記事のコメント欄に複数の「元記事の作者」さんが出現した場合、どうなるでしょうか?

 もちろんブログ主が、個々のコメントの IP アドレスを調べて、同一人物かどうかをある程度特定することは出来る(IP も一度回線を切って、また入りなおせば変わってしまうので、これも確証は出来ないでしょう。)かもしれませんが、第三者には、ブログ主が開示しない限り分りません。やはり、個人として向き合うのなら、コメント欄でやりとりするのではなく、自分の居場所を作って、トラックバックなどで行い、そのやりとりを当事者間で認識できる状況を作るほうが、双方及び閲覧者にとって、発言者の特定や確証がえやすいです。匿名者には、そういった配慮が必要になるのではないかと思います。

 特に今回のような揉め事になった場合は、他の人も色々と書き込んできます。悪意あるコメントが書かれる可能性も高くなります。成りすましが出現することも十分ありえます。ですので、最初は匿名であっても、個人として対応するのなら、その時点で、個人の同一性を保証する必要があるのではないでしょうか?

 件の記事のコメント欄には、「元記事の作者」という名の書き込みが複数ありますが、それが全て同じ人物かどうかというのが、すごく気になりました(なぜか一つだけ、リンク先がメールアドレスになっているのがまた謎を深める)。

 個人的には、匿名の場で書いたのなら、言及されたからといって個人として書き込むのは、ちょっとおかしいと感じました。匿名でも個は確かに存在するとは思いますが、そもそも多数のユーザーが匿名で書き込む場を利用しているのに、そこで個を持ち出すのはルールとして成り立たないのではないかと思います。もちろん、何をもってルールとするかは、難しいのですが、同じ土俵では無いという事でしょうかね、顕名と匿名では。

 なぜなら、最低限同一者の書き込みであることが保証できない限り、対話型の議論は出来ないでしょうからね(今回のは議論というよりクレームですけど)。

 もし、匿名ダイアラーが個を持ち出すのなら、2ちゃんねるのトリップのような個を特定できる機能が必要になってくるのではないでしょうか?

 ただ、それはそれで匿名性が保持できなくなるという、匿名ダイアリーの存在理由との根本的問題をはらんでいるのですが、匿名ダイアリー内での個の特定というのは、今後議論の余地があるのではないかと思います。


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