『斬(ざん)』

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なぜ「なんでも Excel (エクセル)」なのかを考える (前編)

2006年07月21日 | 雑感
 文章作成といえば多くの場合に、microsoft の アプリケーションソフト Word を用いるのが一般的かと思いますが、文章作成に Excel を用いる人も多い。
 何でもかんでもPowerPoint症候群の弊害を日記で書いたのだが、それよりも世の中に広く広まっている病的な物と言えば、なんでもかんでもExcel症候群であろう。とにかく通常の表だけに飽きたらず、提出書類から報告書まで何でもかんでもExcelなのである。つまり「何でもかんでもExcel症候群」とはExcelだけですべての仕事が完結してしまう恐ろしい病気なのだ。

 その病巣の由来を簡単に予想するとすれば、子供の頃に升目の入ったノートで漢字の書き取りをやらされ(つまりカーニングとかに無頓着になる)、読書感想文などの類は原稿用紙で書かされ、漢字は少ない文字数で情報量を詰め込めることからすっきりとした表が書きやすく、何でもかんでも表にしないと気が済まないという日本人の悲しい習性に由来する物であろうと思うのだ。
なんでもかんでもExcel症候群:けんたろうのへや Diary of 2005/11/22

と、ここではその由来を予想されているのだけれど、オレは違うと思ったのです。結論から言えば

  Word が文章作成ソフトとしては、初級者に対して敷居が高い

が原因だと思います。“Word が(文章作成ソフトとして)使えないソフト”という話は巷でよく耳にしますが、それは厳密には“使いこなせない”でしょう。では、なぜ“使いこなせない”かというと、“わかりづらい”または“覚えにくい”からでしょう。そして、最も重要なのがニーズにあっていないからだと思います。

 Word は“フェラーリの操作性を持ったカローラ”だと思っています。つまり、大衆車であるのに、扱いづらいという事です。フェラーリと言えば、「跳ね馬」の愛称で親しまれているエンブレム同様、一般的に運転しにくい車として有名です。で、カローラ(今ならヴィッツといったほうがいいのかな?)は、誰でも使いやすく乗りやすいように作られている。操作性もよく初心者でも扱いやすい。

 しかし、Word は幸か不幸か、グローバルに普及してしまった文章作成ソフト。日本語なんて日本でしかほとんど使わないけど、文章を作る場合は、世界で流通してしまった Word で書かないといけない場合が多い。しかし、そこは“フェラーリ並みの操作性”ですから、多くの場合は使いこなせない。ってか、ご近所にちょっと買出しに行くのに“わざわざフェラーリ”でもないのである。

 結局は、文章作成を重点的に必要とする人にとっては、流通してる Word を覚え、使いこなせるようになるけど、それほど文章作成する必要が無く、必要に迫られた場合にのみ使うくらいでは、使いづらいし覚えにくいソフトなのです。なので、文章作成ソフトではないけれど、Excel で書いたほうが早いし、楽だから Excel で文章を書くのです。

 ほとんど結論は出ていますが、後編へつづく