先日は、中1のヨウ君(アスペルガー児)のレッスンでした。
ヨウ君の中学では、9月に入ってから、テストや運動会など行事が続きましたので、
最近は、練習をしないでレッスンに来ることも多かったのです。
でも、学校の行事が一通り落ち着いたからでしょうか、
また真面目にピアノの練習をするようになってきました。
一通りレッスンが終わった後、ヨウ君は「先生?」と言いました。
ヨウ君は 何かを言う前に、必ず「先生?」と言うのです。
その言い方は、控えめで、
でも、勇気を振り絞ったような問いかけなので、
私はその都度、少しだけ身構えます。
「ヨウ君、なあに?」
「あのね、先生。この間、テストが戻って来ました。」
「まあ、そうなのね。」
「数学は93点でした。」
「今回も良い点だったのね。素晴らしいわね。」
「でも、凡ミスが多かったので、悔しいんです。」
「ああ、分かっている問題を凡ミスをすると、悔しいよね。」
「はい、悔しいです。」
「今度は凡ミスしないようにしなくっちゃね。」
「はい、そうします。」
ヨウ君は、中学に入ってから学力がグンと伸びて、
今まで数学は、100点ばかり取っていました。
それが93点だったので、
いつも控えめなY君が、私に報告する程悔しかったのでしょう。
ヨウ君は小学生の頃は、通級指導教室に在籍していました。
アスペルガーとADHDを併せ持ったヨウ君は、
知能の遅れは無いものの、集団授業には無理があったのだそうです。
それが、今では普通に集団授業を受け、
数学の得意な中学生になったのですから、
子供の可能性は計り知れないな~と、しみじみと思います。
これから中学、高校~と進む中、どれ程の可能性を広げるのか、
ヨウ君の成長が、本当に楽しみです