緑の風&おひさま通信   

緑の風が吹く河岸段丘で草や虫を相手に畑を耕しています。自然が大好き!歌が大好き!な私のつぶやきを聞いてください。

あの日のまま

2019-03-11 17:17:45 | 緑の風&おひさま通信

2019   3月11日(月)

今日の朝刊の一面

我が家で購読している2紙とも大きな見出しのわきに「東日本大震災きょう8年」とある。

8年前のあの日のことは誰もが忘れることが出来ない日として、今も脳裏に焼き付いていることだろう。翌日未明に起きた長野県北部地震とその6年前に起きた中越地震を体験した記憶とともに被災地から遠く離れた私たちにとっても、あの日のことは他人事ではなくいつ自分に降りかかってもおかしくない出来事なのだ。

昨年8月福島を視察する機会があり、震災後の福島を訪れた。

新聞やテレビ、メディアが時々伝える被災地の復興の様子。それでも収束できない事態がまだまだある事など自分なりに理解していたつもりだったけれど…実際に現地で見たこと聞いたことは自分が理解していたこととははるかに違う現実がありました。

地震で失ったもの、その後の巨大な津波に飲み込まれたもの、そしてそれ以上に恐ろしい福島第1原発事故による被害。これは目にも見えず、壊れたものもなく痛くも痒くもない放射能汚染という被害。地震や津波から逃れて安堵したのもつかの間、まさに着の身着のままに逃げ出さなければならなかった。

昨日まで生活していた住宅や営業していた商店、子供たちが下校した時のままの学校、下駄箱には翌日も履くはずだった上履きがそのまま残されていました。すべてがあの日のまま。

被災から8年経っても避難者はまだ5.2万人、そのうち原発事故による避難者は約4万1千人とか。この数字がゼロになる日は果たして来るのだろうか。

今朝のニュースで避難先で新しい家を建てて故郷には戻らないという人が紹介されていたけれど、戻りたくても戻れない戻っても生活できないというのが実態ではないだろうか。

それにつけても、一番憤りを感じるのはあれほど大きな事故を起こしておきながら自分たちの責任を果たさずにまだ原発を再稼働させようとしている巨大電力会社の姿勢と道路や鉄道の開通や建設された施設をあげて「復興が進んでいる」と言い切るこの国の某首相。

あの人たちの頭の中には被災者に寄り添うという意識があるのだろうか。現実を正しく伝えず『安全だ安全だ』という。一連の国会で起こっている疑惑や不正問題も嘘やごまかしでまかり通そうとしている。うそも100回つけば本当になるそうだ。そうした中でも「あった事をなかった事にはできない」と勇気ある発言をした元官僚もいる。

変えられない現実は山ほどあるけれど、それを乗り越えて立ちあがている人たちも沢山いる。

おかしいことは「おかしい」と、きっぱりとNOと言う姿勢を持たなければこの国はどんどんおかしくなって来る。

私もぼ~っとして生きていてはいけない…と心に誓った震災の日でした。