熱き専門学校理事長の仕事

「日本一学生を幸せに出来る専門学校を創る」という夢に向かって奮闘する経営者のひとり言

司馬遼太郎先生の『峠』を読んで

2006年01月27日 21時06分10秒 | お知らせ・お奨め
年末、年始にかけて読んだ本の紹介。

司馬遼太郎先生の『峠』を読んだ。

幕末の小藩、越後長岡藩の家老、河井継之助の生き方を描いた名作だ。

胸が熱くなる本当にお奨めの本だ。

、、、

読んだ理由は二つ。

一つは、先日の日記にも書いたが、これから幕末のような乱世を迎えるという

時代認識からだ。

極めてシンプルだが、徳川幕府300年の歴史に終止符が打たれ、まったく先の見

えない幕末期に、英雄たちがどのような志を掲げ、どのように困難を立ち向かい、

生きたかを考えたいと思ったからだ。

もう一つの理由は、もっと単純(笑)。

年末にテレビで河井継之助のドラマを観たから。

たった2時間でこのドラマを描くことは無理があるなーと思いながらも、やっぱり

好きな男の物語なので、見入ってしまった。

で、良し年末年始にかけてこれを読むぞ!と思い立って読んだのだ。

実はこの本、小生は3度目の再読。

、、、

再読って面白い。

同じ本でも、その時々で感じ方が結構違うからだ。

(あれ、こんな話だっけ?と思うことも多いが。笑)

今回は今までとは比べものにならないくらい熱中して読んだ。

、、、

いつものように、筋書きなどは書かず、一つだけ、

最も印象に残ったシーンを紹介しよう。

それは藩内の論敵、あの「米百俵」で有名な小林虎三郎とのやり取り

、、、

小林虎三郎の屋敷が火事で全焼した。

継之助は、虎三郎のために家族の数だけの夜具や衣料、日用品を新調し、届ける。

虎三郎、大いに感激し、大いに感謝する。

ここまでは、良くある話だろう。

で、ここからがこの二人すごい。

感謝の意を示した後、虎三郎、継之助に向かって、

「これほどの財物を頂戴しておかえしできる力がない。なにもないのだ」と言う。

そして「ただ、足下の物の考え方、施政、人の使い方に大きな誤りがある、それを

申しのべて、このご厚情に対する恩礼としたい」と言い、なんと長時間にわたって、

継之助のやりかたについて「痛論し、間違っていると叫び、さらに欠陥をえぐり、

その欠陥の基礎になる考え方にまで刺すような論評を加えた」のである。

これに対して継之助。

批判されたことに大いにむかっ腹を立てながらも、

「小林という男は、どうにも、えらい」と感心し、称賛する。

「どうだ、この卑しさのなさは」と感動するのである。

そして、

「いかに威武ある存在からおどされても心を屈せず、いかに貧乏しても志を変えたりせぬ男をえらい男というのだ」


と孟子の言葉を思い出しながらとことん感動するのだ。

、、、

この部分を何度も読み返した。

そして、とても感動した。

本物の男同士のものの見方、哲学と度量。

かっこいい!、かっこよすぎる!

と単純に思った。

さすが二人とも歴史に名を残した人物だけあって、本当にあっぱれだ。

小生、足もとにも及ばないが、こんな人間に少しでも近づきたい。

心からそう思った。

文学は、生きる上で、本当にいろんなことを学ばせてくれる。

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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
こんばんわ (KK.net)
2006-01-28 19:02:36
お久しぶりです!!

コメント出来ませんでしたが、いつも見てます!!

(ボクのブログも更新できないくらいです・・・笑)



司馬遼太郎はイイっすよね~~!!

大学1年の時に竜馬がいくを読んだのですが

それから司馬ファンです!!

あの回りくどい感じもスキですネ!



そして何より勇気が湧いてくる!!(気分的にっす!)

気づいたらいつも竜馬はオレになってます!!



色々と面白い本の紹介を待ってま~~す!!
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KK netさん、今年は読みます(^^) (song20)
2006-01-29 21:00:53
KK netさん、お久しぶりです。



司馬遼太郎さんの本は読みやすく、物語としてやっぱり面白いです。

『峠』に続いて、『世に棲む日日』を読み終えました。

今日から『竜馬が行く』を10年以上ぶりに再読し始めました。

(まだ一巻ですが、やっぱり面白いです。)



今年は一年を通じて、幕末もの、戦国ものを読もうと思います。

でも偏らず経営書や教育に関する本も読まなければ(^^;)。



これからもよろしくお願いします。

ありがとうございました
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