熱き専門学校理事長の仕事

「日本一学生を幸せに出来る専門学校を創る」という夢に向かって奮闘する経営者のひとり言

教育再生会議の皆さんに読んで欲しい本 『教育不信と教育依存の時代』

2007年01月30日 07時30分10秒 | お知らせ・お奨め
去年の年末に読んだ本。

広田照幸『教育不信と教育依存の時代』紀伊國屋書店

これも以前、師匠から紹介されたものだ。

読み応えがあった。

で、専門学校だけじゃなく教育関係の方々に会うたびに紹介している。

、、、

いつものように詳しい内容は割愛するが、

教育に不信感を持ちながらも、青少年問題の解決は教育に依存する

という現在の日本の状況について、様々な客観的データに基づき鋭く自説を展開さ

れている。

例えば、青少年の犯罪の原因をゲームだとする単純な主張。

犯人探しに明け暮れるメディアのいい加減さや無責任さを指摘するくだりはまった

く同感だ。

勇気を持って、超単純化した例を示すと(笑)、

青少年による殺人
   ↓
犯人はゲーム、「今の教育はなっていない」 =「教育不信」  
   ↓
ゲームを規制し、「教育が変われば解決する」=「教育依存」

という構図。

、、、

そして、先進諸国と日本を比較し、客観的には日本の教育は

「まずまずうまくいっている」状況を指摘されている。

もちろん、今のいじめや青少年問題を楽観視していたり、問題がないと主張されて

いるわけではない。

感情的な議論に流されず、あくまでも客観的に事実を視るという姿勢

には強く共感を覚えた。

また学校現場の構造的な問題に対する客観的な指摘もとても参考になる。

、、、

ただ、これまた当然、すべて首肯出来るものではない。

処方箋や実効性のある具体的な提言などは書かれていないようにも思う。

(著者の意図はそこにないから当然かも知れないが。)

ここら辺は読者それぞれの感性と考え方で判断するしかないだろう。

、、、

でも、繰り返しになるが、

大事なことは、物事を多面的に、客観的に考察することではないだろうか。

メディアの洪水のような、そしてヒステリックな「過剰・過敏報道」の本質を冷静

に視る目は持たなきゃと改めて考えさせられた。

教育の問題点に対する報道は大々的にされるが、良い点に対する報道はそれに比べ

てとても少ないという現状は今も変わらないように思う。

さて昨今、注目の教育再生会議。

メンバーの皆さんはすでに読まれているかも知れないが、もしまだ読まれていない

方がいるなら、教育再生の議論を流行や短期的な問題だけに振り回されず、より深

い議論をするためにも、是非読んでもらいたい本の一つだ。

いろんなことを考えさせられる本です。

以前紹介したNewsweekの特集記事「学歴難民クライシス」とあわせて、

教育に携わる方々にはお奨めです。


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4 コメント

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メディアの対応 (maeshi919)
2007-01-30 08:20:24
既存のメディアの「ヒステリックな対応」については
まったく、同感です。
メディアは、今回の教育再生会議の第一次案をツールととらえ、
もっと前向きな議論がされるべきだと思います。
返信する
maeshi919さん、コメントありがとうございます(^^) (song20)
2007-01-30 08:49:31
maeshi919さん、コメントありがとうございます。
普段、ネガティブなことは書かないようにしていますが、日本のメディアのヒステリックな対応には本当に辟易とします(苦笑)。
単純に、社会や国民に与える影響が大きいだけに、もっと謙虚さが必要じゃないかなぁと痛感します。
素晴らしい報道関係の方も多いんですけどね。

改めてメディアリテラシーをしっかり学ばなきゃと思いました。

ありがとうございました
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アマゾンで注文しました (手島大輔)
2007-01-30 20:46:29
教育現場に毎日いる身ではないですが、読んでみたいと思いました。

興味深い本をご紹介いただきありがとうございます。
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手島さん、ありがとうございます(^^) (song20)
2007-01-31 07:43:42
手島さん、コメントありがとうございます(^^)。
いい本をたくさん読みたいですね。
そして一つでも出来ることをすぐ実践。
習慣化します。

この本、今の教育現場で起きている問題をちょっと違った角度から見るにはいいと思います。
(少し、途中で中だるみしましたが。笑)

ありがとうございました
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