タイトル画像は最近見ている某アニメ作品のパロディです。(笑)
それはさておき最近3Dプリンターに関する報道も・技術も、そしてそれをサポートするOSも、
新情報のラッシュが続いております。
とりわけ3Dプリンター愛好者にとって心強いのはマイクロソフト社がまもなく発表されるWindows8.1に、
標準で3Dプリンター出力対応が発表された他、3Dプリンターへの3Dデータ出力プログラム開発支援SDKの発表もあり、
同社は全面的に3Dプリンター方向に舵を切った形になりました。
「Windows 8.1は3Dプリンタをネイティブでサポート」(GIZMODE)
何と言っても世界最大の普及数を誇るWindowsです。
その上で3Dプリンターが標準出力デバイスとして選択できることの意義は大きいです。
そしてようやく3Dプリンターは名実ともに「プリンター」の地平に立てたと言えます。
あとは3Dデータがあれば・・・。
お待たせしました!
EasyRecasterを用いた初の立体出力への試みがようやく始まります。
何せこのためにブログの更新が2ヶ月近く停滞しておりました。(大汗)
今回は自作ミクさんとあにまさ式初音ミクさん(Version 2 - MikuMikuDanceに標準添付)モデルをそれぞれ2つの方法で立体出力する試みを行なっています。
以下の図は立体出力用のVRML形式データファイルの表示確認画面です。(MeshLab使用)
このうち、自作ミクさん(そむにうむ式初音ミクS2)はEasyRecaster試作版の「シングルレリーフ機能」を用いて作成されています。
この機能は現在安定して利用できており、出力後のモデルデータは完全にワンスキンクローズド(=中空一体成型、すなわち最中のように皮1枚で内と外が分離されている)となるため、
ZPrinterに代表されるフルカラー3Dプリンターでの出力だけでなく、
STLファイル出力すれば低価格な個人用3Dプリンター(Makerbot社のRepricator2や3DSystems社のCube等)でも無改造で出力出来ます。
もう一つの「あにまさ式初音ミクVersion 2」はMikuMikuDanceをダウンロードすれば標準でついてくるミクさんでありMMDの「顔」とも言える存在です。
勿論作者のあにまささんから立体化の許可を頂いております。
このモデルを立体出力にかけるにあたって、同じくEasyRecasterによる立体出力データ変換を施しています。
但しこちらは「ダブルレリーフ機能」を用いて出力しています。
そのため裏側から見ると、そむにうむ式初音ミクS2のデータが白い板になっているのに対し背中がちゃんと見えます。
これは表面と裏面の両面からレリーフ情報を作成して、最中宜しく真ん中で貼りあわせたものだったりします。
しかもレリーフとして作成しているため、厚みがフィギュアのようにはなっていません。極薄の体になっています。(汗)
先ほどのモデルデータを横から見るとこうなっています。
ところがこの「ダブルレリーフ機能」ですがまだ多数のバグを抱えております。(汗)
そのため最後まで細かい形状生成ミスが残ってしまっていて、今回の出力サンプルを作成するにあたりそれらのミスを手修正で取り除きました。
最後に立体出力する際に厚みが足らないところを全て手修正で直したため、結局それだけで1週間近く時間を使いました。
この辺りは次期開発時に大幅にアルゴリズムを見なおして修正する予定です。(汗)
最後に形状データに「穴」がないかMiniMagics2.0を利用してチェックを掛けます。
エラー報告が0になれば立体出力OKデータの完成です。(^^)
今回は経費節減を敢行するため、2モデルを一体化して立体出力サービスに出しました。
しかしここで大きな問題が発生したのです。
「ファイルサイズがでかすぎてVRML化出来ない!」
実はこの2体をメタセコイア上で結合した時点での総ポリゴン数は120万ポリゴンを超えていました。
中でもそむにうむ式初音ミクS2モデルをシングルレリーフ化したモデルデータが94万ポリゴンというとんでもないポリゴン数にふくれあがっていたのです。
これを何とかして減らさなければ立体出力用ファイルは作れません。
幸いダブルレリーフ機能を用いて作られたあにまさ式初音ミクモデルはメタセコイア上の「頂点数を減らす」機能で何とかポリゴン数を減らすことに成功しました。
しかしそむにうむ式の方は「頂点数を減らす」が途中でハングアップしてしまうのです。(汗)
手持ちの3DCGソフトでは他にLightwave3DやMeshLabがありますが、Lightwave3Dはプラグインの導入方法がわからず断念。
MeshLabには"Quadric Edge Collaps Decimation"という優秀なポリゴン削減機能があるのですが、何故か表面ポリゴンが大量剥離する自体が発生し使い物になりませんでした。
途方に暮れて再度Google検索をかけた時に救世主として現れたのはBlenderでした。
Blenderのポリゴン削減機能は高速処理な上に問題点も発生せず、実に信頼が置けるます。おかげでそむにうむ式初音ミクS2モデルのポリゴン数を90万から60万にまで削減できました。(^^)
ということでなんとか本日、立体出力用データをまとめることが出来ました。
レリーフ形状のフィギュアというのは実はあまりお目にかかったことがありません。
フィギュアを作るのであれば、基本的には薄っぺらくするより人体モデルの比率に合わせて作るほうが良いというのが大多数の原型師さんの支持するところではないかと思います。
しかし、プロフェッショナルによる3Dプリンター高品質出力サービスはそれなりにコストが掛かります。
このコストを大幅にカットするには、薄型に作るのが方法論的に正しいと思えます。
しかも立体出力としての立体感はそれほど損なわれることはありません。
更に考えると、レリーフはただ単に置物になるだけでなく色々なアイテムに展開することが可能です。
例えば、ミクさんのレリーフが施されたiPhoneケースを作る、とか。
ちょっと考えただけでも様々な応用分野があり、それがある世界を想像しただけでワクワク出来ます。
今後はこのEasyRecasterをよりプロフェッショナルユースに展開できるような事業計画を立てるとともに、
実際に出力品を利用した様々なサービスを立案展開してその利便性をアピールして行きたいと思います。
3Dプリンターは、やればできる子なんです!(^^)
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