七七ブログ

タダの詩人「七七」による人心体実験の記録 

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2009-10-22 23:50:54 | 自動書記
奥の方
誰も知らない時間の中
手足の知らない頭脳のように
じっと私たちを見ている
野生の滝が1匹
天から水が降臨する所
雲間から光の筋が地上に延びる
虹さえもありふれた
ただの風景
稲妻が稜線のツガの木を破壊する夜
崖を流れ下る水
真っ暗闇の中奥底の滝壺に落ちてゆく
一晩中跳ねている
そのしぶきは止められない
私には
浴びることしかできない
氷のように冷たい水を
飲むことしか
できなかった
あの時は
こんな時が
来るなんて
思いもしなかった
下から見上げると同時に上から見下ろしている
その視線が交錯する岩場
月に呼応する岩肌
崩れ落ちて埋め尽くす
濁流の涙
嵐の宝石
突風の眠り
喜びの怒りと悲しみの楽しみ
それが降り注ぐ頂
空に突き出た塊
肉をそがれた骨組
夢にまで見た旅立ち
朝の光 青く染めあげた
空に瞬き
東を指す流星
記憶も予測も奪われた
俺は二等兵
流れの中に
見つけた幻影
限りなくゼロに近い可能性
偶然の恩恵
その巡り合わせが交錯して再び分かれてゆく特異点
あっという間に流れていった
真っ赤な時間
火花よりも
早い















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