今日は映画を2本観ました。日記タイトルは、映画2本分のタイトルです。
『ジョゼと虎と魚たち』
いやぁ、「もうこれ、レンタル開始してるんだ」という軽い気持ちで借りたんですけどね。その日セールで安かったし。いやぁ、良いですこれ。今も余韻が残ってます。気持ちに整理をつかせないまま、余韻だけをくれる映画ですね。観た人にとってこの映画が自分の体験として胸に刻まれて、体の一部になってしまうような。生温かい余韻。ひょいとイスに座ったら、さっきまで誰かが座ってたみたいで、ちょっと温かかったような(ちょっと違うか?)。うっかり観てしまったら、やられてしまいました。
内容は本当にフツーの恋愛。ジョゼ(池脇千鶴)が足が不自由だったりするけど、本当にフツーの恋愛。でもそこに乳母車や小説や虎や魚たちなんかが出てきて、ちょっとメルヘンちっくで不思議な感じ。それがまた安っぽくて良い。安っぽいっていうか、生々しい。現実と空想、両方にリアリティがあって。人が恋愛に求めるのもまた、現実であり空想であるのかもな。
男の子と女の子が出会って、恋をして、別れた。ただそれだけ。でも、会話や行動の一つ一つにいちいち胸をギュッと掴まれて、「ただそれだけ」のことに、信じられないくらいに真実がいっぱい溢れている。別れた後の二人の行動も象徴的だった。香苗(上野樹里)を待たせておきながら泣き崩れる恒夫(妻夫木聡)。やけにサッパリとした表情で一人で魚を焼くジョゼ。私は女だからか、特にジョゼの言動には、というかジョゼの存在自体に、グッときてしまう。でも、男の人だってジョゼにはグッとくると思う。その代表が恒夫だった。
これは、恋愛映画じゃなくて、恋愛そのもの。だから、自分の体験として胸に刻まれるような、痛さをともなった切ない余韻を残していくんだろう。恋愛は素敵。でも残酷。でも……。そんな真実を届けてくれる映画。暗い海の底で恒夫を待ち続けるジョゼ(女性)。ジョゼを探してさまよい続ける恒夫(男性)。男と女がいる。そこにはたくさんのいびつな真実が、今にもこぼれ落ちそうに溢れている。ああ、世の中、男と女しかいないんだなー。それをもっともっと大事にしても良いんじゃないかなぁって思えた。人間に男と女を作ったのは、神様からのプレゼントでもあり、ちょっとしたイジワルでもあるのかな。池脇千鶴、好きになりそう。くるりの音楽もとても良かった。
『スチームボーイ』
こちらは映画館で観てきました。今日は1000円(1日かつ水曜日)だったし、もうすぐ上映が終わってしまいそうだったので。
ストーリーが強引でちょっと説明不足なところもあったと思うけど、それでも観てる間は思わずワクワクしてしまった。そう言えば、大友克洋監督の映画は『AKIRA』と『MEMORIES』を観たことがあるけど、どちらもストーリーの説明が1から10まで行き届いているって感じではなかった。それでも、いや、それだから想像力が刺激されるのか、ワクワクさせられた。ただ、『AKIRA』や『MEMORIES』が退廃的でダークな空気に包まれていたのに対して、この『スチームボーイ』では、人間の持つ闇の部分よりも、明るい部分にスポットが当てられていて、人間の無邪気さや滑稽さなんかがより鮮明に描かれていたと思う。出てくる兵器や乗り物も、ありえないっていうか、効率悪そうで実用的じゃなさそうで、兵器というより芸術作品のような独創的なモノばっかりで、それは映画だからなのかも知れないけど、そこに人間が本来持っているはずの想像力と創造力の豊かさ、チャーミングさやしたたかさがよく出ていたと思うし、それを表現したかったんだとも思う。スチーム城にメリーゴーランドや観覧車が出てくるところとか。どんな悲惨な状況でも、ユーモアや生きる力を失わない人間の強さだとか図太さだとか。
あと、スカーレットが良い。わがままでムカつくんだけど、時々ドキッとするような、真理をズバッと言い当てたような台詞を発するんだよね。何故か憎めないし、曲者な男どもや恐ろしげな兵器もたくさん出てくるけど、どれもスカーレットには敵わない。女は強しっていうか何て言うか。『ドラゴンクエストⅦ』のマリベルを思い出した(マニアックな例ですみません。でもすごく似てるんです)。男が守るべきものを探してもがき続けるのに対して、女は最初から守るべきものを持ってるっていうか、守るべきものが何たるかを知ってるっていうか。これは『ジョゼと虎と魚たち』にも言えるかな。それと、私の少ない知識の中からですが、太宰治の『斜陽』のこんな一節も思い出した。「この世の中に、戦争だの平和だの貿易だの組合だの政治だのがあるのは、なんのためだか、このごろ私にもわかって来ました。あなたは、ご存知ないでしょう。だから、いつまでも不幸なのですわ。それはね、教えてあげますわ、女がよい子を生むためです。」
それと、舞台がイギリスだから、タワー・ブリッジやテムズ川が出てきて楽しかった。物語はマンチェスターから始まるんですが、列車が駅に着いたときに「マンチェスター、マンチェスター」って思いっきり日本語でアナウンスしてるのが、なんとも可笑しかった。
『ジョゼと虎と魚たち』
いやぁ、「もうこれ、レンタル開始してるんだ」という軽い気持ちで借りたんですけどね。その日セールで安かったし。いやぁ、良いですこれ。今も余韻が残ってます。気持ちに整理をつかせないまま、余韻だけをくれる映画ですね。観た人にとってこの映画が自分の体験として胸に刻まれて、体の一部になってしまうような。生温かい余韻。ひょいとイスに座ったら、さっきまで誰かが座ってたみたいで、ちょっと温かかったような(ちょっと違うか?)。うっかり観てしまったら、やられてしまいました。
内容は本当にフツーの恋愛。ジョゼ(池脇千鶴)が足が不自由だったりするけど、本当にフツーの恋愛。でもそこに乳母車や小説や虎や魚たちなんかが出てきて、ちょっとメルヘンちっくで不思議な感じ。それがまた安っぽくて良い。安っぽいっていうか、生々しい。現実と空想、両方にリアリティがあって。人が恋愛に求めるのもまた、現実であり空想であるのかもな。
男の子と女の子が出会って、恋をして、別れた。ただそれだけ。でも、会話や行動の一つ一つにいちいち胸をギュッと掴まれて、「ただそれだけ」のことに、信じられないくらいに真実がいっぱい溢れている。別れた後の二人の行動も象徴的だった。香苗(上野樹里)を待たせておきながら泣き崩れる恒夫(妻夫木聡)。やけにサッパリとした表情で一人で魚を焼くジョゼ。私は女だからか、特にジョゼの言動には、というかジョゼの存在自体に、グッときてしまう。でも、男の人だってジョゼにはグッとくると思う。その代表が恒夫だった。
これは、恋愛映画じゃなくて、恋愛そのもの。だから、自分の体験として胸に刻まれるような、痛さをともなった切ない余韻を残していくんだろう。恋愛は素敵。でも残酷。でも……。そんな真実を届けてくれる映画。暗い海の底で恒夫を待ち続けるジョゼ(女性)。ジョゼを探してさまよい続ける恒夫(男性)。男と女がいる。そこにはたくさんのいびつな真実が、今にもこぼれ落ちそうに溢れている。ああ、世の中、男と女しかいないんだなー。それをもっともっと大事にしても良いんじゃないかなぁって思えた。人間に男と女を作ったのは、神様からのプレゼントでもあり、ちょっとしたイジワルでもあるのかな。池脇千鶴、好きになりそう。くるりの音楽もとても良かった。
『スチームボーイ』
こちらは映画館で観てきました。今日は1000円(1日かつ水曜日)だったし、もうすぐ上映が終わってしまいそうだったので。
ストーリーが強引でちょっと説明不足なところもあったと思うけど、それでも観てる間は思わずワクワクしてしまった。そう言えば、大友克洋監督の映画は『AKIRA』と『MEMORIES』を観たことがあるけど、どちらもストーリーの説明が1から10まで行き届いているって感じではなかった。それでも、いや、それだから想像力が刺激されるのか、ワクワクさせられた。ただ、『AKIRA』や『MEMORIES』が退廃的でダークな空気に包まれていたのに対して、この『スチームボーイ』では、人間の持つ闇の部分よりも、明るい部分にスポットが当てられていて、人間の無邪気さや滑稽さなんかがより鮮明に描かれていたと思う。出てくる兵器や乗り物も、ありえないっていうか、効率悪そうで実用的じゃなさそうで、兵器というより芸術作品のような独創的なモノばっかりで、それは映画だからなのかも知れないけど、そこに人間が本来持っているはずの想像力と創造力の豊かさ、チャーミングさやしたたかさがよく出ていたと思うし、それを表現したかったんだとも思う。スチーム城にメリーゴーランドや観覧車が出てくるところとか。どんな悲惨な状況でも、ユーモアや生きる力を失わない人間の強さだとか図太さだとか。
あと、スカーレットが良い。わがままでムカつくんだけど、時々ドキッとするような、真理をズバッと言い当てたような台詞を発するんだよね。何故か憎めないし、曲者な男どもや恐ろしげな兵器もたくさん出てくるけど、どれもスカーレットには敵わない。女は強しっていうか何て言うか。『ドラゴンクエストⅦ』のマリベルを思い出した(マニアックな例ですみません。でもすごく似てるんです)。男が守るべきものを探してもがき続けるのに対して、女は最初から守るべきものを持ってるっていうか、守るべきものが何たるかを知ってるっていうか。これは『ジョゼと虎と魚たち』にも言えるかな。それと、私の少ない知識の中からですが、太宰治の『斜陽』のこんな一節も思い出した。「この世の中に、戦争だの平和だの貿易だの組合だの政治だのがあるのは、なんのためだか、このごろ私にもわかって来ました。あなたは、ご存知ないでしょう。だから、いつまでも不幸なのですわ。それはね、教えてあげますわ、女がよい子を生むためです。」
それと、舞台がイギリスだから、タワー・ブリッジやテムズ川が出てきて楽しかった。物語はマンチェスターから始まるんですが、列車が駅に着いたときに「マンチェスター、マンチェスター」って思いっきり日本語でアナウンスしてるのが、なんとも可笑しかった。