やっと、2007年に突入しました。ということで、2006年を振り返ってみたいと思います。
●ベストアルバム (5枚)
浜崎あゆみ『(miss)understood』
2006年は、愛しのエレカシもアルバムを出したのですけど、今回ばかりはこれを一番最初に持って来なければ嘘になってしまいます。特に順位があって書いてるわけではないんですが、2006年の私は、何はともあれ、このアルバムだったんです。同年、あゆは『Secret』というアルバムも出しましたが、やっぱり、私の2006年は、『(miss)understood』と共にあったと言わなければならないでしょう。
あゆのことを、こんなに好きになってしまうなんて、一番驚いているのは私自身なんです。私の愛する音楽像というものがあるとしたら、浜崎あゆみはそこから最も遠く離れたところにいるんだと思い込んでいたのですから。(こんなことばっか言ってんなぁ)
何度も疑いました。自分の気持ちを、そして、浜崎あゆみを。でも、彼女は、その度に、何度だって、私の気持ちを見透かしているんだろうか?ってくらいの鮮やかさでもって、それを晴らし、吹き飛ばし、笑い飛ばし、その先を私に提示してきたのです。
私が一番、浜崎あゆみを「過小評価」しているのかも知れない――。
あゆの歌は全部同じに聴こえる。そう言う人の気持ち、分からなくもないんです。確かに私も「同じだな」と思う。けど、改めて作品を聴いてみたときに、彼女が、「同じ作品を一枚も出していない」ということに愕然としてしまいます。果たして、『I am...』の頃の彼女が、『(miss)understood』を作れたでしょうか?
『(miss)understood』については、やはり、スウィートボックスのGEOとの出会いが大きかったでしょう。GEO提供曲とシングルについては、既に書いたので、今回はそれ以外の曲について書きたいと思います。いや、GEO提供曲で「In The Corner」だけは、スウィートボックスがセルフカヴァーしていなかったので、書いていませんでした。
そう、この「In The Corner」こそ、あゆの曲は全部同じとか言う人に聴いて欲しいですね。R&B調なんですけど、こういうR&Bとか黒っぽい曲は、あゆにどんどんやって欲しいんです。ファーストに収録されていた「from your letter」の時点で、その芽は出ていたと思います。ロックを歌う彼女も大好きですが、実はこういう曲こそ、彼女のヴォーカリストとしての魅力を引き出せるのではないか?と思っております。なんてったって、過去に、「音楽」っていったら「黒人」って答えていた彼女ですからね(笑)。
タイトル曲である「(miss)understood」は、私、このアルバムで一番好きかも知れません。シンプルに削ぎ落とされたストイックなバンド・サウンドと、静けさの中から核心に迫ってくるこの感じ。ニルヴァーナも真っ青です(笑)。ここでも、100sの玉田豊夢がドラム叩いてますね。最近のあゆの作品には、頻繁に登場します。(そういや、100s、エイベックス関連のレーベルに移籍しましたよね?)
「criminal」は、「おお、こういう歌い方もできるようになったんだ!」って思いました。あと、歌詞ね。これ、書けそうで書けないよ。素直にすごいと思う。ほーんと、あゆの歌詞って、「書けそうで書けない」んだもん。「書けなそうで書ける」ってのもあると思うけど、あゆの歌詞は、「書けそうで書けない」って感じだなぁ。
あと、「rainy day」なんですが、これはかなりの新境地なんじゃないか?って思えてきました。淡々としたメロディが、繰り返されるほど美しく映えていく。感情を抑えた歌声から、逆に、溢れる情感が感じ取れる。あのあゆが、一回も感極まらないで歌い終わるんですよ?(笑) やっぱ、新境地です。潤いのあるサウンドも。
ディレイズ『You See Colours(ユー・シー・カラーズ)』
これは久々に私の中でヒットです。「UKロックに求めるものが全てある!」みたいなフレーズがCD屋の紹介に書いてあった気がしますが、それはちょっと言い過ぎかも知れませんが、でも、かつてのブリットポップにハマった人間には、たまらなくツボを突いてくるバンドだと思うのですよ。でも、サウンド的には、そんなブリットポップって感じでもないんですよ、一見。「ラーズ・ミーツ・スクリッティ・ポリッティ」なんて評されたりもしてて、メンバーは、「アバとニルヴァーナを一緒にしたら史上最強のポップ・バンドができると思うんだ(笑)」とか言ってるらしく、プリンスとか好きみたいです。テクノの影響も大きいみたい。でも、ここに内包されている空気に、私はなんか、ブリットポップを感じちゃうんだよなぁ。あと、ストーン・ローゼズ。フランツ・フェルディナンドとかブロック・パーティとか、何故かどうしてもそこまで熱くなれないのよって方は、試しにこのディレイズを聴いてみてはいかがでしょうか。
MUSE『ブラック・ホールズ・アンド・レヴァレイションズ』
前作『アブソリューション』を聴いて、次は厳しいか?って思ってたんです。行くところまで行ってしまった感じがあったので。でも、今作では、それを打破しようって姿勢を見せてくれました。もっともっと過剰な方向に行ってしまうのかと思ったら、抜けの良いサウンドを聴かせたり、ファンキーな曲調を見せたり。元々あったと思うけど、遊び心みたいなもんも顔を出してきたし。
ザ・バックホーン『太陽の中の生活』
良い意味で非常に聴きやすい作品だと思います。バラエティに富んでるし。でも、最近聴かなくなっちゃったなぁ(笑)。
エレファントカシマシ『町を見下ろす丘』
実はまだ、この作品が良いのかどうか、よく分かってないんですよねぇ。で、最近、『チアー&ジャッジ』の“コーネリアス”の回を読んでいて、これを聴いて私が感じたことを思い出しました。要は、「定番感・円熟感/斬新さ・エッジ感」とか「大人/子供」といったテーマなんですが、これって、どんな表現においても、永遠のテーマなんだなぁって、非常に感慨深い思いに耽ってしまいました。定番感・円熟感を良しとする考えでは、「斬新さやエッジ感は円熟を目指していく過程でのオマケ」とし、斬新さやエッジ感を肝とする考えでは、「定番感や円熟感なんて自然に出てくるもの」としている。「エッジ感がなくとも素晴らしい。という事と、エッジだから素晴らしい。というのは、どっちが素晴らしい事だと思う? という古くからある問いかけ」かぁ。「普遍性と前衛性」って話にもなってくるんだろうけど。やっぱ、これは、永遠のテーマなんだなぁ。
ここでは、その問いかけをリアルに発した作品として、コーネリアスの『MUSIC』を評価しているけど、そういった意味では、エレカシの『町を見下ろす丘』も近いんじゃないだろうか。要は、良い作品ではあるけれど、刺激的かと言われたらよく分からないのよ。でも、今までにない円熟を感じさせるという意味では、今しか出せない音にもなってるんだよ。どのように歳を重ねていくか。つまり、どう生きていくか。そういうことがやっぱ、作品には出るっていうか、切っても切り離せないんだなぁ。そういうことを考えさせてくれたという意味でも、とても意義のある作品だし、ここが一番大事だと思うんだけど、結果的に、「エッジ感」も「円熟感」も、それぞれに素晴らしくて、愛おしいものなんだなって思わせてくれたのだから、それはとても素晴らしいことだと思う。それって、なかなかできることではないと思うから。
そんなわけで、「ベストアルバム」だけでこんなになってしまったので、2006年は「ベストアルバム」のみにしたいと思います。他には、宇多田ヒカルの『ULTRA BLUE』を何気に聴いたような気もします。あ、あと、スウィートボックスの『アディクテッド』ね。それと、ベスト盤が色々出ましたね。今も超出てますけど。あ、あと、リミックスの面白さを発見したりしたなぁ。それでは、2007年も、音楽を理解したり誤解したりしていきましょう!(笑)
●ベストアルバム (5枚)
浜崎あゆみ『(miss)understood』
2006年は、愛しのエレカシもアルバムを出したのですけど、今回ばかりはこれを一番最初に持って来なければ嘘になってしまいます。特に順位があって書いてるわけではないんですが、2006年の私は、何はともあれ、このアルバムだったんです。同年、あゆは『Secret』というアルバムも出しましたが、やっぱり、私の2006年は、『(miss)understood』と共にあったと言わなければならないでしょう。
あゆのことを、こんなに好きになってしまうなんて、一番驚いているのは私自身なんです。私の愛する音楽像というものがあるとしたら、浜崎あゆみはそこから最も遠く離れたところにいるんだと思い込んでいたのですから。(こんなことばっか言ってんなぁ)
何度も疑いました。自分の気持ちを、そして、浜崎あゆみを。でも、彼女は、その度に、何度だって、私の気持ちを見透かしているんだろうか?ってくらいの鮮やかさでもって、それを晴らし、吹き飛ばし、笑い飛ばし、その先を私に提示してきたのです。
私が一番、浜崎あゆみを「過小評価」しているのかも知れない――。
あゆの歌は全部同じに聴こえる。そう言う人の気持ち、分からなくもないんです。確かに私も「同じだな」と思う。けど、改めて作品を聴いてみたときに、彼女が、「同じ作品を一枚も出していない」ということに愕然としてしまいます。果たして、『I am...』の頃の彼女が、『(miss)understood』を作れたでしょうか?
『(miss)understood』については、やはり、スウィートボックスのGEOとの出会いが大きかったでしょう。GEO提供曲とシングルについては、既に書いたので、今回はそれ以外の曲について書きたいと思います。いや、GEO提供曲で「In The Corner」だけは、スウィートボックスがセルフカヴァーしていなかったので、書いていませんでした。
そう、この「In The Corner」こそ、あゆの曲は全部同じとか言う人に聴いて欲しいですね。R&B調なんですけど、こういうR&Bとか黒っぽい曲は、あゆにどんどんやって欲しいんです。ファーストに収録されていた「from your letter」の時点で、その芽は出ていたと思います。ロックを歌う彼女も大好きですが、実はこういう曲こそ、彼女のヴォーカリストとしての魅力を引き出せるのではないか?と思っております。なんてったって、過去に、「音楽」っていったら「黒人」って答えていた彼女ですからね(笑)。
タイトル曲である「(miss)understood」は、私、このアルバムで一番好きかも知れません。シンプルに削ぎ落とされたストイックなバンド・サウンドと、静けさの中から核心に迫ってくるこの感じ。ニルヴァーナも真っ青です(笑)。ここでも、100sの玉田豊夢がドラム叩いてますね。最近のあゆの作品には、頻繁に登場します。(そういや、100s、エイベックス関連のレーベルに移籍しましたよね?)
「criminal」は、「おお、こういう歌い方もできるようになったんだ!」って思いました。あと、歌詞ね。これ、書けそうで書けないよ。素直にすごいと思う。ほーんと、あゆの歌詞って、「書けそうで書けない」んだもん。「書けなそうで書ける」ってのもあると思うけど、あゆの歌詞は、「書けそうで書けない」って感じだなぁ。
あと、「rainy day」なんですが、これはかなりの新境地なんじゃないか?って思えてきました。淡々としたメロディが、繰り返されるほど美しく映えていく。感情を抑えた歌声から、逆に、溢れる情感が感じ取れる。あのあゆが、一回も感極まらないで歌い終わるんですよ?(笑) やっぱ、新境地です。潤いのあるサウンドも。
ディレイズ『You See Colours(ユー・シー・カラーズ)』
これは久々に私の中でヒットです。「UKロックに求めるものが全てある!」みたいなフレーズがCD屋の紹介に書いてあった気がしますが、それはちょっと言い過ぎかも知れませんが、でも、かつてのブリットポップにハマった人間には、たまらなくツボを突いてくるバンドだと思うのですよ。でも、サウンド的には、そんなブリットポップって感じでもないんですよ、一見。「ラーズ・ミーツ・スクリッティ・ポリッティ」なんて評されたりもしてて、メンバーは、「アバとニルヴァーナを一緒にしたら史上最強のポップ・バンドができると思うんだ(笑)」とか言ってるらしく、プリンスとか好きみたいです。テクノの影響も大きいみたい。でも、ここに内包されている空気に、私はなんか、ブリットポップを感じちゃうんだよなぁ。あと、ストーン・ローゼズ。フランツ・フェルディナンドとかブロック・パーティとか、何故かどうしてもそこまで熱くなれないのよって方は、試しにこのディレイズを聴いてみてはいかがでしょうか。
MUSE『ブラック・ホールズ・アンド・レヴァレイションズ』
前作『アブソリューション』を聴いて、次は厳しいか?って思ってたんです。行くところまで行ってしまった感じがあったので。でも、今作では、それを打破しようって姿勢を見せてくれました。もっともっと過剰な方向に行ってしまうのかと思ったら、抜けの良いサウンドを聴かせたり、ファンキーな曲調を見せたり。元々あったと思うけど、遊び心みたいなもんも顔を出してきたし。
ザ・バックホーン『太陽の中の生活』
良い意味で非常に聴きやすい作品だと思います。バラエティに富んでるし。でも、最近聴かなくなっちゃったなぁ(笑)。
エレファントカシマシ『町を見下ろす丘』
実はまだ、この作品が良いのかどうか、よく分かってないんですよねぇ。で、最近、『チアー&ジャッジ』の“コーネリアス”の回を読んでいて、これを聴いて私が感じたことを思い出しました。要は、「定番感・円熟感/斬新さ・エッジ感」とか「大人/子供」といったテーマなんですが、これって、どんな表現においても、永遠のテーマなんだなぁって、非常に感慨深い思いに耽ってしまいました。定番感・円熟感を良しとする考えでは、「斬新さやエッジ感は円熟を目指していく過程でのオマケ」とし、斬新さやエッジ感を肝とする考えでは、「定番感や円熟感なんて自然に出てくるもの」としている。「エッジ感がなくとも素晴らしい。という事と、エッジだから素晴らしい。というのは、どっちが素晴らしい事だと思う? という古くからある問いかけ」かぁ。「普遍性と前衛性」って話にもなってくるんだろうけど。やっぱ、これは、永遠のテーマなんだなぁ。
ここでは、その問いかけをリアルに発した作品として、コーネリアスの『MUSIC』を評価しているけど、そういった意味では、エレカシの『町を見下ろす丘』も近いんじゃないだろうか。要は、良い作品ではあるけれど、刺激的かと言われたらよく分からないのよ。でも、今までにない円熟を感じさせるという意味では、今しか出せない音にもなってるんだよ。どのように歳を重ねていくか。つまり、どう生きていくか。そういうことがやっぱ、作品には出るっていうか、切っても切り離せないんだなぁ。そういうことを考えさせてくれたという意味でも、とても意義のある作品だし、ここが一番大事だと思うんだけど、結果的に、「エッジ感」も「円熟感」も、それぞれに素晴らしくて、愛おしいものなんだなって思わせてくれたのだから、それはとても素晴らしいことだと思う。それって、なかなかできることではないと思うから。
そんなわけで、「ベストアルバム」だけでこんなになってしまったので、2006年は「ベストアルバム」のみにしたいと思います。他には、宇多田ヒカルの『ULTRA BLUE』を何気に聴いたような気もします。あ、あと、スウィートボックスの『アディクテッド』ね。それと、ベスト盤が色々出ましたね。今も超出てますけど。あ、あと、リミックスの面白さを発見したりしたなぁ。それでは、2007年も、音楽を理解したり誤解したりしていきましょう!(笑)