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sky is blue

言わなければよかったのに日記

COUNTDOWN JAPAN 04/05

2004-12-30 01:35:34 | ライヴ
またも更新が遅れてしまいました。これで年が……明けてなくてゴメンなさい! でも、ほら、別にここは日記のようでいて日記とちと違うし。それに1月はネタが少ないから、すぐに追い付くと思うんですよ。ってゴメンなさい。今から年越のカウントダウンに入りますから。そう、『COUNTDOWN JAPAN 04/05』の話です。っていつの話だよって感じですよね。私も、時間経ちすぎて忘れちゃったよ(笑)。いやいや、今回はなんだかボケーッと参加しちゃった感じがあって、だからあんまり覚えてないというか書くことが思い付かないというか。かつ、時が経って思い出しながら書いてるから振り返った上での視点になってると思うし。まぁ、当日は、珍しくなんも考えないで楽しめたってことですよ多分。

今回で2回目となる年越ロックフェス『COUNTDOWN JAPAN 04/05』。12月29日~31日の3日間に渡って幕張メッセで行われたんですが、私は30日だけ行ってきました。冬だし、年末年始という特別な時期だし、やっぱり夏フェスとは雰囲気が違います。年末年始という大事な時期に、皆わざわざ音楽を聴きにやって来てるわけですから。音楽に「一年間ありがとうございました。また一年間よろしくお願いします」みたいな。年末特有の解放感と年始特有の引き締まり感が混在しているような。季節的なものもあるし。夏フェスと違って室内だし、場内は暗くて照明があって夜みたいなんだけど、ふと隙間から眩しい太陽の光が差し込んでくるんだよねぇ(昼間からやってるから)。変な感じ。

●ZAZEN BOYS(EARTH STAGE)
この日を最後にドラムのアヒト・イナザワさんが脱退されるそうで、やはりアヒトさんに対する歓声が大きかったです。リズム主導のジャムってるようなバンド演奏。向井さんは何度も「まくはりー!」ってがなってた(がなるって言うのあれ?)。「自問自答」って曲がクールでカッコ良かったなぁ。

●エレファントカシマシ(EARTH STAGE)
『平成理想主義の旅』でさんざん長いこと書いたからもう良いっか。その『平成理想主義の旅』ツアーの打ち上げって感じでした。が、ツアーで培ってきたものを大舞台でもドドーンとぶちまけてましたよ。「男は行く」とかフェスでやっちゃうんだ?って最初はビックリしたんだけど、ビックリしたのは最初だけで、それが自然な流れに見えた気がする。何て言うか、この曲をフェスでやっちゃうんだよエレカシは!っていうノリじゃなかった。エレカシって、自分達のファンだけじゃない色んなお客さんがいるイベントでも新曲ばっかやっちゃったり(昨年の同フェスで全曲未発表の新曲やりよりました)、ファンもそうでない人も驚かせてしまうところがあるんだけど、この日はそういう感じじゃなかったんだよね。ま、全体的には最近のシングル曲もやったし、昨年の新曲オンリーがあったもんで、そう感じただけかも知れないけど。「男は行く」って、『生活』って濃いぃアルバムに入ってる長くて濃いぃ曲なんだけど(でもよく考えてみるとこれシングルなんだよなぁ)、これをやることがエレカシにとって自然な選択に見えた。虚勢を張るでもなく。それは多分良いことなんだと思う。あんな曲を自然にやれちゃって、しかもフェスという舞台で自然に聴かせちゃうって、凄いことじゃない? だって「男は行く」、他のバンドがやったら自然体でなんかいられないよ。あんな不自然な曲(笑)。大抵不自然になっちゃうもん(キンブラはよくカバーしたなぁ)。「男は行く」を自然にやれちゃって自然に聴かせちゃう今のエレカシ。カッコ良いね。

「平成理想主義」が良かった。この曲、ほんとポップなんだねぇ。というわけで、『風』のこと書く書くって言っておきながら書いてないから、ここで『風』のことを簡単に書いてしまおう。まず前作『扉』は、一つの頂点だと思ったの。そのときのエレカシができることの一つの頂点。『扉』のジャケットが黒で、『風』は白なんだけど、本当それがよく表してると思うんだよね。『扉』で一つ頂点を極めた。だから黒。で、そこからまた踏み出していく。だから白。『扉』から続けて『風』を聴いてみたら、うわってビックリしたんだよね。ポップになってるー! 明るくなってるー!って。『風』からいきなり明るいの。それからまた『扉』を聴いてみると、あれ? 『扉』って暗かったの?みたいな(笑)。黒から白、白から黒みたいな。そう言えば『風』のブックレットには、なぜだかファースト収録の「ファイティングマン」の一節が書いてあった。<黒いバラとりはらい 白い風流しこむ>――まぁ、そういうことなんだよ(どういうことだよ)。一つの頂点を極めた『扉』というバラをとりはらって、白い『風』を流しこむわけですよ。『風』の1曲目であるこの「平成理想主義」のイントロの象徴的なギターを聴いて、うわ~エレカシが解体されていく~って感じたんだけど、それはもう1回作り上げるための解体なんだよね。ずっとアルバムを通して聴いていくと、久保田光太郎というアレンジャーが入ったこともあるんだろうけど、メンバー4人がそれぞれ考えながら演奏してるのが伝わってきて(特にミヤジ以外の3人が)。もう1回エレカシ・サウンドっていうものがどういうものなのか、そして、これからどうしていきたいのかを考えながら演奏してる感じがしたんだよね。「平成理想主義の旅を終えて」でチラ~ッと書いたけど、未来を向いてる未来志向バンド・サウンド! 頼もしいことじゃーないか。だから、最初に解体されていく~って感じたけど、解体しながら組み立てていたのねと気付けた。どうりで、明るくてポップなんだけど常に一定の緊張感があってシリアスなんだな。で、ついでなんだけど、ミヤジってライヴでいつも黒シャツか白シャツなのね(今日は黒でした)。だからまぁ、黒(『扉』)も白(『風』)もよろしくお願いしますってことよ! というわけで、『風』の話は結局こんなんなっちゃったけど(抽象的でゴメンなさい)、この日の「平成理想主義」を聴きながら、これはただの一夜漬けのポップさじゃなくて、ちゃんとコアなところを通過した上でのポップさなんだな~と感じました。それを獲得しつつあるなぁと。私にはそれが感動的に響いたんです。『扉』を通過した『風』、黒を通過した白。今のエレカシ、もっと多くの人に届けるパワーあるよ!

弾き語りの「生きている証」は、ここんところバンド・サウンドを聴かせるのが中心だったから、余計に染みたなぁ。それこそ、生きている証を前よりずっと感じながらやってるんだぁって感じで説得力あった。続く「友達がいるのさ」、これも本当ポップなんだねぇ。今ごろ気付くなってか。いやいや、前からポップだと思ってたけどさぁ、こうしてお祭りな大舞台で聴くと余計にポップさが引き立つんだよぉ。「平成理想主義」もしかり。そう、エレカシはどんどんポップになってきてるんだよー! ま、次はどうなるか知りませんけど(笑)。

「達者であれよ」では、ツアーのときと同じく速くなったり遅くなったりとテンポを激しく変化させ、バンドの体力をアピール? フェスの場でやる意味はあったんじゃないかと。で、次の「パワー・イン・ザ・ワールド」でキマッた!って感じだったんだけど、まだ時間があったのか(スタッフに時間を確認してた)、「この世は最高!」と「花男」をやってくれた。決まってたの? それとも本当にオマケ? それにしてもこの日は宮本さん、投げキッス大放出だった。やっぱりお祭りだから? ま、人数(需要)が多ければ供給もってことか(笑)。「思ったより人がたくさんいて良かったです」って言ってたし(笑)。

●スネオヘアー(GALAXY STAGE)
ステージが違うから、エレカシ見てからだとほとんど見れないかと思ってたけど、押してて、何とか4~5曲見れた(全体の3分の2)。やっぱ、良いなー、スネオヘアー。ポップなんだけど、「長い橋」のような渋い、スガシカオがやっててもおかしくないようなブルージーな曲もあったりする。んで、「フォーク」。これは良い、ってか詞が良い! 良いって言うか、自分が書いたんじゃないか?(笑)って思っちゃうぐらいググッときた。スネオヘアーは、矛盾の中で揺れながら、実は戦ってるって感じが良いのよ~! バンドなの?ソロなの?とか、ポップなの?渋いの?とか、スネオヘアーなの?渡辺健二なの?ってところとか全部含めて。相変わらずMCも可笑しい。スネオヘアーは以前イベントで見たことあるんだけど、変なキャラ作ったりして竹中直人みたいよ(笑)。演劇やってたみたいだからその影響? 決め台詞は、誰に言ってるわけでもないらしいけど(本日の本人談)、「ロック舐めんなよ!」(笑)。そうかと思えば、音楽はすっごい真っ当なんだもの。「スネオヘアー舐めんなよ!」(笑)。理想のタイプです(笑)。ワンマン行きたいよー。

ここからは、まったりと休んじゃったかも。友達とトークに没頭してしまった。eastern youthをちらっと見たけど。カッコ良さげだった。

●100s(EARTH STAGE)
再びアース・ステージへ。人が多かったぁ。人気なんだね。ライヴをなかなかやらないからってのもあるのかな。グッズがいつも人気なのもライヴなかなかやらないからここで買わないとってのもあるんだろか。グッズ自体も凝ってて可愛いけど。中村一義ソロ名義の曲、「1,2,3」とか「キャノンボール」はやっぱ盛り上がるね。「セブンスター」もこうして改めて今聴くと、良い歌詞やな~。なんか今の私には前より切実に響いた。何でだろ。バンド名義にしてからは、この時点ではシングル2枚しか出てなかったし、まだ100sの全貌はよく分からなかったけど、もう今ではアルバム『OZ』も出たし、早く聴きたいぞぉ!(いや、買えば良いだけなんだけどね…)

●くるり(EARTH STAGE)
4人とも白シャツにネクタイでめかしこんでた。「ワールズエンド・スーパーノヴァ」は、何だかすごいダンス寄りなアプローチ。と言っても、もともと四つ打ちのダンスナンバーなのだけど、結構長くやってた。私の好きな「マーチ」をやってくれて嬉しかったけど、前ほど熱くなれなかった。この曲はもっとこうガツガツ演奏する方が良い気がする。この曲にはやっぱりもっくんのドラムが必要不可欠なのかしら(もっくん=くるりの元ドラム)。それよりも次の「窓」が良かった。私の中では、アルバム『図鑑』の中の小曲って印象だったのだけど、いやぁ、アレンジするだけでこんなに変わるのですね。こっちのが断然良い。厚みや奥行きが増してて景色や匂いや温度まで運んで来るような。続いて「ばらの花」や「ワンダーフォーゲル」なんかの代表曲をやってくれたけど、私はむしろ最新作『アンテナ』からの曲をもっと聴いてみたかったなぁ。そのためにはワンマン行くしかないのか。やっぱ普通こういう場では代表曲をやるものなのね。エレカシと違って(笑)。ま、くるりも新曲は聴かせてくれたけど。

そんなこんなで終了~。こうして振り返ってみると、なんだか随分と余裕を持ってというか、まったりと楽しんでたみたい。直前までのエレカシの『平成理想主義の旅』とかで充足感を得られていたから、自分にとってはある意味2004年ライヴのオマケみたいなものだったのかも。打ち上げっていうかアンコールっていうか。

さてさて、来年はどんなライヴを体験できるのかしら…。


MUSIC STATION SUPER LIVE 2004

2004-12-24 13:26:07 | ライヴ
ことの発端は11月某日。東京事変が『ミュージックステーション』に2度目の出演をした日。今回は「プレミアムスペシャル」ということで、出演者はサザンオールスターズ/平井堅/東京事変の3組だけ。お客さんを招き、通常のライヴに近い形で行われた。東京事変は「林檎の唄」と「ダイナマイト」を演奏。MCで、「(林檎ちゃん)5人合わせて」~「(全員)東京事変です」と言ったのが面白かった。まだ初々しくてぎこちないながらも楽しんでいるように見えた。この歌が、演奏が、バンドが、お茶の間に流れているんだと思ったら嬉しくなった。サザンや平井堅を見ながら、東京事変はまだまだ新人なのだなぁと思った。そして、番組も終わり、終わったぁと脱力していたら、クリスマス・イヴに「さいたまスーパーアリーナ」にて生中継で行われるという『ミュージックステーション・スーパーライブ 2004』のお知らせが。ボケッと見てたら、この2組の名が…

東京事変 浜崎あゆみ

はい、この時点で私の目に他のアーティストの名は見えなくなりました(笑)。

と言ってもね、ホントに軽~い気持ちで応募したんですよ。タダだし。それに、たっくさんのアーティストが出るし、まず当たらないだろうって思ったし。ホントに儀式的にというか。そしたら、来ちゃったんですよ、ハガキが。当たっちゃったんです。というわけで、はい、

愛内里菜/aiko/安室奈美恵/嵐/上戸彩/HY/EXILE/Every Little Thing/大塚愛/ORANGE RANGE/Gackt/河口恭吾/GLAY/倖田來未/後藤真希&松浦亜弥/サスケ/島谷ひとみ/タッキー&翼/W/東京事変/TOKIO/DREAMS COME TRUE/中島美嘉/NEWS/nobodyknows+/パク・ヨンハ/波田陽区/はなわ/浜崎あゆみ/B’z/一青窈/平井堅/平原綾香/V6 /FLOW/BoA/ポルノグラフィティ/モーニング娘。/森山直太朗/L’Arc~en~Ciel
(計40組)

全部見てきましたよ。疲れました。すごいよ、私、見たことあるアーティスト一気に増えちゃったよ。だけど、見たって記憶があまり残ってない(苦笑)。すべてが高速。無駄な時間一切なし。家で見てるとCMって長く感じるのに、その場にいると短いんですねぇ。あっと言う間に、「はい、CM明け30秒前です」ってな感じよ。アーティストのステージを見るというよりかは、TVの収録を見学にきたって感じ。ステージでアーティストが歌ってても、その周りにカメラマンがいるし。一緒に番組を作り上げましょう的なことも言ってたけど、こういうのはどこに焦点があるのか分かりづらいっていうか、気持ちの持っていきどころが難しい。おそらくアーティストや司会者もそうなんじゃないのかな~。それでも豪華なセットだったし、仕掛けとかも色々凄かったけど。

ってか、タモリさん生で見ちゃったよ! クール!(笑) しかし収録が終わったあとは、声張り上げて「ありがとうございましたぁー! 来年もよろしくお願いします!」って言ってくれたもんね。私、番組も局も違うけど、「いいともー!」って言いたかったわよ。で、東京事変もあゆも見ましたよ。でもなぁ、2組とも最後の方に出てきたから待ちくたびれたし(順番は発表されない)、1曲だけだったしね(東京事変は「群青日和」、あゆは「CAROLS」)。それに、左右にステージがあって交互に使われてたんだけど(ときどき中央も)、2組とも私とは逆の遠~いステージで(泣)。まぁ、それでも生で見れたのは嬉しかったし、生トーク(この日の林檎ちゃんはトーク冴えてた!←私的に)も聞けたし良かったけど。こういう場合は、特に期待してなかったアーティストの方が良かったりするんだよね。ラルクと中島美嘉が良かったな。演奏してようがしてなかろうが(笑)、楽曲の良さは伝わってしまうものなのね。BoAって歌上手くない? 上戸彩、可愛いね~。長瀬くんも見れたし(笑)。タッキー&翼では、翼くんが私の近くを通ったぞ! が、波田陽区に斬られてしまった(イヴにここにいる貴方達は恋人もいない暇人ですから!残念!)。ただ、全アーティストが同じステージ上に並んだ光景はやっぱり圧巻というか何と言うか。ゾロゾロと楽屋に大移動していく様も異様というか何と言うか。

というわけで、林檎ちゃんとあゆの夢の共演(?)だったわけですが、共演も何も40組だからね~(苦笑)。音楽番組にはみんな色々と意見もあるだろうし、私にも色々と思うところはあるけど、それでも、そこに出る人がいる限り、それが好きな人であれば、見たいとは思う。だって、その中で戦おうとしてるわけだから。もちろん番組側にとっても戦い。見る方にとっても。戦ってるかどうかはそれぞれが一番よく分かってるだろうけど、戦う場所を見失わないようにするのも大事だよね。

で、せっかく林檎ちゃんとあゆが同じ舞台に立ったのだから、それを記念してこんなお話を。本当はこっちのが言いたかった?(笑)

林檎ちゃん、あゆに手紙(FAX?)を出していたそうです。それは今から5年くらい前、2000年4月、化粧品『ヴィセ』のCM発表会で、あゆが、林檎ちゃんから「今度会おうね」の手紙をもらっていたことを告白。あゆは報道陣のカメラに「お手紙ありがとう、早く会いたいね」とメッセージを送ったんだそう。私がこれを知ったのは、椎名林檎の記事をまとめた本で。その記者会見は見てないけど、林檎ちゃんの方の記事にも書いてあるのだから、おそらく本当なんでしょう。ってかその記者会見を見たかった! 見ても、そのとき私はあゆのこと嫌ってたけど(笑)。

思えば、林檎ちゃんとあゆは同い年。同じ福岡出身。デビューも同じ年(1998年)。ちょうど女性歌手が台頭してきたころだったと思うし。それにね、そのころの記事がウケるというか何と言うか。「渋谷系コギャルのカリスマ浜崎に、新宿系の椎名」って(笑)。2人とも福岡出身ですけど?(笑) そういう風に「vs」とかにして色々言われたりしたんだろうなぁ。でもそれがレコード会社の戦略だったりとかして、色々あるんだろうなぁ。誰が悪いとかでなく、現実は残酷だから……。境遇は似てる? だから、林檎ちゃんも思うところがあって手紙を出したのかも知れない。ま、それは本人にしか分からないけど、そんな風に世間が「vs」騒ぎに浮かれている間に、「今度会おうね by 林檎@手紙」 → 「早く会いたいね by あゆ@記者会見」って、このコムスメらめ~! やっぱり完全に世の中を舐めとる~!(笑) サイコー!! 本当は、世の中がコムスメさん達を舐めてたってことなんだろうけどね。コムスメさん達は世の中を舐めるどころか本当は……。手紙を出したことやそれを公表したことでまた戦略だの何だの言われたかも知れないけど、良いのよそんなことは。ただ、こうして2004年12月24日にも、2人は、現実の中で舞台に立っていた。

そしてつい最近、東京事変として林檎ちゃんがラジオに出演したとき、あゆの話をしたらしい。「あゆちゃん」って言ってたらしい。ちょっとぉ~! 何でそういう私のために放送してくれたようなもん(笑)を私、聞き逃してるのよぉ~!(涙&怒) ってか、林檎ちゃんは、私の好きな人にばっか手を出さないで下さい(笑)。


PUSHIM @Zepp Tokyo

2004-11-18 21:16:44 | ライヴ
困った。困った困った困った。
プシンのライヴに行ってきたんだけど、これをどう言い表したら良いのか分からない。「プシン最高!」とか「音を楽しむ!」とか「ワン・ラヴ!」とかそれだけで良い気がするが(ごめんなさい、後の二つは行った人にしか、それも私と一緒に行ったそこのアナタ!しか分からないと思います)、もちろん、それだけじゃない。それだけだったら、そうはなれない。ただ、

“すべての音楽ファンに観て欲しい”

私がプシンと出会ったのは、「DANCEHALLIC」という曲のプロモだった。何気なく見ていたTVにそのプロモが流れ、私の中に電気が流れ、この人の音楽を聴きたい!今すぐにでも!という衝動に突き動かされるようにして、アルバム『Pieces』を手にしたのだった。突然、自分が今まで見たことのなかった、知らなかった世界が目の前にぶわ~っと広がっていくような感覚だった。レゲエ、特にダンスホール・レゲエと言われるジャンルらしいが、私がその辺の音楽に馴染みがなかったからってのも、もちろんあるだろう。しかし、それだけじゃなかった。レゲエ云々とかそういうのは後付けで、出会ってしまったものが“たまたまレゲエだった”だけに過ぎない。そう、たまたまレゲエで、たまたま音楽だった。

そんな出会いから1年半以上経っているが、プシンは今でも私にFRESH!な気持ちを与え続けてくれている。

『Pieces』から約1年半後、今年の8月に『QUEENDOM』というアルバムが届けられた。前作『Pieces』よりも“レゲエ!”って感じが全編に貫かれていて、レゲエで行くんだ!という強い意志を感じさせる、レゲエ以外の何者でもないと、レゲエに詳しくない私にも思わせてしまう硬派なアルバムに感じた。にも関わらず、前作よりもバラエティに富んでいる。色んなリズムやライムや歌があって、のびのびと自由な感じで表情も豊かだ。一つの王国のように、そこには色々な街や建物、海や夕陽や花なんかが咲き乱れていて、宴や恋が繰り広げられている。レゲエという音楽の懐の深さなのか、プシンというミュージシャンの懐の深さなのか、“硬派かつ柔軟”という、まさに“レゲエ”であり“音楽”であり“プシン”なアルバムだったように思う。

で、今回のツアー“QUEENDOM”である。

私が行ったのは最終日で、約3時間、何曲歌ったんだろう。もうね、それで、この日記の冒頭に戻るわけです。「どう言い表したら良いのか分からない」。

プシンは「海」のようだ。海はすべてを知っている。朝陽も夕陽も暗闇も、星も月も、風も雨も、恋も夢も、喜びも悲しみも、何もかもを知っている。何もかもを見せてくれる。そして、何もかもが帰る場所。すべてが溶け合う場所。プシンが皆から愛されているのが十分過ぎるくらい伝わってきて、それと同じくらい、プシンが皆を愛しているのも伝わってきて、そこに漂っている愛が、皆がプシンを愛している愛なのか、プシンが皆を愛している愛なのか、分からないくらいに溶け合って波打っていた。

プシンは「家」のようだ。私は不思議で仕様がない。何故こんなに居心地が良いのか。例えば、彼女はMCでもう分かったよってくらい「レゲエ、レゲエ」と口にしていたし、会場にはライターに火をつける人やタオルを振り回す人だっていた。開演前にはDJタイムがあり、おそらくレゲエの名曲であろう曲がかけられていた。私はと言えば、レゲエに全然詳しくなく、ファッションもレゲエじゃないし(笑)、ライターに火もつけなければタオルなど持ってもいない。DJでかけられた曲も知らない。だのに、何でこんなに居心地が良いの? というか、居心地の悪さを微塵も感じなかったことが驚きだ。自分が普段よく行くライヴとは明らかに雰囲気も音も違うはずなのに。疎外感なんてぜーんぜん感じなかった。それどころか、“私、前にもここにいなかったっけ?”っていうか、“ひょっとして、私はここから来た?”とまで思えてしまうから不思議だ。この、すべてを包み込んでしまう、すべてに向かって開かれている、すべてを受け入れてしまうほどの包容力は一体なんなんだ? 内容的には“レゲエ!”って感じだし、媚びてるところも全然ないのに。何故こんなにも、あるがままで良いと思わせてくれるのか。何故、行ったこともない場所のはずなのに、私の心は“ただいまー!”と叫んでしまうのか。これが“レゲエ”というものなの? それとも?

こんな人はなかなかいない。「海」になれる人なんて、「家」になれる人なんて、そうそういない。持って生まれたものなのか、生まれ育ったものなのか、どっちにしろ、それを失わずに(あるいは更に磨きをかけながら)ここまで生きてきてるプシンが嬉しい。

多分、これがプシンにとっての“レゲエ”であり“音楽”だからだ。プシンにとってはレゲエが音楽が「海」であり「家」なのだ。だから彼女は、自分が音楽をやるときも、その純度を高めるために、自由であろうとするし、「海」であろうとするし、「家」であろうとするのだ。だからと言って、ユルイ音楽だと思ってもらっては困る。自由であろうとすることが、ただただ「音を楽しむ!」ことが、いかに難しいことか。その戦いを知らなければ、聴き手をも自由にし、解放してしまうなんてことはあり得ない。

少し話はズレるが、どんなにジャンルの壁を越えて、色々な要素を取り込んで、音楽的な幅の広さや知識を見せつける音楽であっても、窮屈に感じられるときがある。音楽的には色々な要素が入っているはずなのに、ちっともその音楽自体の表情が豊かじゃないとき。色々な要素を取り入れた割には、どこか窮屈で表情に乏しい音楽。音楽的な懐の深さが、そのままその音楽の懐の深さに繋がるとは限らない。物凄く偏った音なのに、開かれていて表情豊かな音楽とか一杯ある。エレカシとか、音楽的にはそんなに多くのことをやっているわけじゃないはずなのに、めっちゃ表情豊かだもんね。色んな要素を取り入れれば、間口が広がるわけでも、表情が豊かになるわけでもないんだよ。もともとみんな違うんだから。その違いを分かって初めて、共有って生まれるもんじゃないだろか。

何が言いたいのかと言うと、プシンの音楽は、ばりばりレゲエ好きな人にも、普段レゲエを全然聴かない人にも伝わるものだと思うってことだ。かといって、それが、イタズラに間口を広げられた音楽ではないってこと。みんな違う(孤独)ということが同じ(共通)わけだから、共有は孤独から生まれるのだろう。プシンはきっと、誰よりも孤独に音楽と向き合ってきたんじゃないだろうか(MCでも「歌で悩んだこともあったけど、皮肉にも歌に助けられる」と言ってた)。だから、“在日韓国人”とか“レゲエ”とかも超えて共有されるべき音として鳴っているんじゃないだろうか。だからこそ、彼女が「レゲエ、レゲエ」と口にし、どんなにコテコテな音楽や服装や演出をしたとしても、そこに排他的な要素など一切生まれない。奇跡的なほどに。これでこそ音楽。世の中には、共有を前提とした排他的な音楽なんてのもあるかも知れない。でもプシンは違う。音楽は人を選ばない。人が音楽を選ぶ。だからこそ、

“すべての音楽ファンに観て欲しい”

と、ここまで書いておいて何なんですけど、そんなことどーでも良くなっちゃうくらい、プシンって人が魅力的な女性なんですよ! まんずセクシー! でも、所謂セクシーってんじゃないんだよなぁ。人を圧倒するようなセクシーさじゃなくて、もう自然に湧き出てきちゃってるセクシーさ。セクシーなんだけど、セクシーと意識させない、ナチュラルセクシーとでも言えば良いんですかね? ある意味、超セクシー! マイク持っちゃったら、隠そうと思っても隠せないんだろうなぁ、あれは。本人、自分がセクシーってこと気付いてんのかな?みたいな(笑)。なのに、シャイでキュートなんだよねぇ。歌はもちろん凄いし、大胆な感じがするんだけど、同時に奥ゆかしさっていうんですか、しとやかさも持ってるんだよねぇ。圧倒的な歌声なのに、人を圧倒しないんだよ。そこが凄い。プシンマジック? 歌だけ軽く聴いてイメージ持ってる人は、もしかしたらビックリしちゃうかも知れない。そのおしとやかさやシャイっぷりに! てか、可愛らしい! 会場のあちこちから「可愛いー!」って声があがってました。花も投げ込まれるし。分かる…分かるよぉ~! プシン、はにかみながら「一年分ぐらいの『可愛い』をもらったわ」って言ってました☆ で、笑いも持ってる。ベタベタなんだけど、ベタベタじゃないんだよ。ベタベタなこと言ってても、笑っちゃうっていうか。意外に抜けてたりするし(笑)。詰めが甘かったり(笑)。でも、全部許せちゃう。もう一緒に行った友人と二人して“べた惚れ”でした。

セクシーとシャイとキュートと笑い…全部兼ね備えているなんてね。誰かがプシンの歌唱力を“歌笑力”と表現していて、もう言い得て妙! 座布団10枚!

Home Grown(バンド)との相性も抜群! 息ピッタリ! まさに家族のよう。ってか、Home Grown、素晴らしいバンドです。あのグルーヴ感はタマラナイ! めっちゃ良いバンドやわ~。プシンの「海」を表現してたもの。終始、唸らされっぱなし。ゲストに、Ryo the Skywalker、Fire Ball、Moominが登場。どれもこれもお互いのリスペクトっぷりや愛が感じられて良かったなぁ。Fire Ballとの芝居入ってる歌唱(ミュージカル並み)は楽しかったぁ。歌の世界をばっちり再現してました。こういうのもアリよね~。Moominのとき、MCでMoominが「音楽は良い」みたいな話になって流れ上「間違いない!」って永井秀和の真似したら、それを受けたプシンが「どこ見てんのよ!」って青木さやかの真似をしたんだけど、めっちゃキュートだったわぁ。真空パックして持ち帰りたいくらいだった(笑)。最後の方で、ちょっと早いけど、プシンの誕生日を祝って、バースデー・ソングが歌われ、ケーキと花がプレゼントされた。知らされてなかったプシンは驚いてたけど、「幸せです」と言ってた。私も幸せ♪

最後はやっぱり「a song dedicated」で締め。いやぁ、4枚目『QUEENDOM』までで築いてきたプシン王国をたっぷり堪能させてもらいました。それでもプシンは『QUEENDOM』を作り終えて「こんなもんか」と思ったそうだ。「今、ここにいる人、敵に回してるけど」って(笑)。←『QUEENDOM』はHome Grownや今回のツアーに参加している人達と作った。まだまだ!ってことさ。海は広いな~大きいな~だもんね。関係ないけど、今回キーボードを弾いてた渡辺貴浩さんは、エレカシの“ライフツアー”のときにもキーボードを弾いてた人っぽい。なんか嬉しい。

ああ、「I Wanna Know You」は良い曲だなあー。この曲が似合うような恋愛したいよ(笑)。いや本当に。


JAPAN CIRCUIT -vol.20-

2004-11-13 17:41:46 | ライヴ
この日は疲れた!
まず、高校の同級生4人とその子供3人に会い、車でファミレス~公園に行く。車がないと生活しづらいであろう田舎。公園で子供たちとともにアスレチックなどで遊び、ターザンみたいな縄に乗っかった私は、友達にイタズラに勢いをつけられ、軽く木にぶつかり、縄から落ちてしまい土の上にズッコケる(ええ、ええ、大体いつもそういう役はワタクシですとも)。その一部始終をぽかーんと笑いもせずに子供に見られる。それからライヴに行くため、私だけ早めに退散し(ったく、これから私はシブヤという街に行くのよ? それなのに土なんかつけてくれちゃって! それが子供によってなら良いけど、同級生によってよ?)、駅員が一人いるだけの静か過ぎる駅で電車を待つ。本当にここで人は生活しているのか?ってかちゃんと電車は来るのか?ってくらい静かで、これから私は本当にあのシブヤという街に行くのか?と怯む。されど侮れないよ日本、電車を何本か乗り継いでいるうちにシブヤという駅に着いてしまった。あのアスレチックとハチ公も繋がっているってことか。体の移動はできても心の移動が…。私の心は、新幹線どころか各駅停車にすら負けるのか? 住みやすいのか住みにくいのか分からんなー。いやいや、いけないなー、運動不足は。喝!

今日のライヴの舞台は「渋谷AX」なのですが、初めての2階席。ライヴハウスにおける2階席って一度経験してみたかったのよね。しかし、席についてみてがっくし。角度は悪いし後ろの方だから微妙。っつーか、やっぱ、蚊帳の外って感じがするんだよね。スペースが空いたのでついでに観させてもらってますって感じ。私はライヴを俯瞰なんてしたくないっつーの。観戦したいっつーの。まぁ、降りようと思えば1階でも観れるんだけと、何でも経験だからね。今日は2階席を堪能させてもらいますよ。真ん中だったり、もうちょっと前だったりしたら、また違ったんだろうけどね。関係者気分を味わえるかと思ったけど、私は関係者になりたいわけじゃなかったと気付かされたよ。そういった意味では、関係者気分を味わえたわけだけど。でも、まだ始まってないし、始まったら気分も変わるかも知れないし。

今日のイベントはロッキング・オン主催の『JAPAN CIRCUIT』というイベントで、今回で20回目になるらしい。私は『JAPAN CIRCUIT』は3回目。今日の出演者は、GRAPEVINE/エレファントカシマシ/ART-SCHOOL/アナログフィッシュ。私の予想では、出演順は、アナログフィッシュ → アートスクール → バイン → エレカシ。エレカシは切り札って感じで最後に発表されてたし、大方の人もこう予想したのでは? そんなこんなで待っていると、主催のロッキング・オンの人(兵庫氏)が出てきた。すると、「いつもはここで出演順を発表するんですが今日は発表しません」とか言うもんだから、え? え? もしかして? もしかしちゃう? 「最初のバンドはこの方です!」

エ、エ、エレカシ~!?

一番はエレカシでした。心の準備ができてないっつーの。ますます私を疲れさせるつもりか?(笑)

(1) エレファントカシマシ
ああ、最新アルバム『風』のことを書く前に、この日の日記が先に来ちゃった…。仕方ない。先に今日のライヴのことを書きます。しっかし今日のエレカシは獰猛だったよ。2階席から観ると、ステージ上は地獄絵図に見えました。あそこに落ちたら炎上しちゃうね。『風』ではサポート・ギターやサポート・キーボードが参加していたので、ライヴではどうだろうと思っていたら(「4人でやりたい」ってミヤジ言ってたけど)、4人だった! やっぱ嬉しい! うう、「平成理想主義」を4人で鳴らしていることがただただ嬉しい。セットリストは下に書いておきますが、この日はどの曲がどうとか、何かそういうんじゃなかったな。さっき言ったように、獰猛で、荒れ狂うって感じで生き物でした。2階席から観て4人全体を俯瞰できたから気付けたのか、ミヤジ以外の3人の気迫とパワーが凄かったなぁ。カッコ良かった。ミヤジ負けるなーって思ったよ(笑)。私にとってはこんなこと初? オーバーに言っちゃえば、ミヤジが4人いるみたいだったよ。ミヤジが4人だよ? 凄いじゃん、それ。後日『風』のことは書こうと思ってますが、『風』はエレカシが解体されていく音だと感じたのね。それそのまんまで、エレカシが解体されていく過程を観るようなライヴだった。それが獰猛で荒れ狂う地獄絵図だったわけだね。と言っても、ちょっと前みたいに、お客さんとか第三者を攻撃するような荒々しさじゃなかったと思う。やっぱりミヤジは、トミ(冨永義之)のドラムや石君(石森敏行)のギターに注意したりしてたんだけど、前の観てて冷や冷やの辛い感じではない気がしたんだよなぁ。エレカシは、自らを解体することも構築することも、つまり、破壊と創造を行えるバンドだと思っていて、私はそこに感動し大好きなんだけど、そして、そんなバンドはなかなかいないと思っているんだけど(いるはいるんだろうけど、エレカシの破壊と創造のレベルは凄いと感じる)、そういう意味での解体であり破壊であるって感じだから、前みたいに冷や冷やしないのかな。それとも私がただ慣れただけ?(笑) いや、そりゃ、全くしないわけじゃないけど。つまり、『風』で感じたように、解体の裏に構築を、破壊の裏に創造を感じることができたからってことかな。「DJ in my life」だったかで、いきなりゆっくり歌いたくなったのか、テンポを落として歌うミヤジに、それに反応して合わせる3人(うわっ、難しそう)。まぁ、破壊と創造ってのはどんな表現者も行っていることだとは思うけれど、その過程というか現場をこうもダイレクトに曝け出してみせてくれるバンドは、そうはいないと思うなぁ。それが良いことなのか悪いことなのか私には分かりかねるけど、何かが壊れていく音と何かが生まれる音を同時に聴けるって、エレカシって、実はチョー贅沢なバンドなんじゃないの? とりあえず、あの場所に落ちたら私は間違いなく炎上しちゃうね。それにしても、セットリストも驚きだったけれど(バンドの解体、そして構築を考えると、バンド・サウンドに回帰したときの『DEAD OR ALIVE』の曲をやりたくなったのかな)、<歩くのは良いぜ~!!>ってあんなに感極まる人、はじめて観たよ。「はじめて観た」って何回も観てるのに思わせるんだからなぁ、ミヤジは。「化ケモノ青年」のころには、これが「化ケモノ」なのか「本モノ」なのか分からなくなってたよ。

<セットリスト>
平成理想主義 → クレッシェンド・デミネンド -陽気なる逃亡者たる君へ- → 一万回目の旅のはじまり → DEAD OR ALIVE → 風に吹かれて → DJ in my life → 友達がいるのさ → 化ケモノ青年 → パワー・イン・ザ・ワールド

いやぁ、しつこいけど、エレカシは、エレカシを壊すことも、エレカシを作ることもできちゃうバンドなのよ。この日の4組の中では一番キャリアが長いはずなのに、全く新しいバンドのようにも見えちゃうのはそのせいか(改めて破壊と創造のレベルを再確認)。一番最初にやりたいってエレカシから申し出たんじゃないのかな~なんて私は思っちゃうんだけどね。ツアー、ドキドキ。

でも、1階で観たかったよぉ(涙)。でも、「あそこに落ちたら炎上しちゃうな」ってのは2階で観たからこそ感じられたことだし、3人の気迫を感じられたし(「風に吹かれて」のトミのドラムは最高じゃないか?)、良いっか。ツアーは1階だし。そういう意味でも、も一回。ツアー、ドキドキ。

(2) アナログフィッシュ
観るの楽しみにしてました(「最近気になるアーティスト【邦楽編】」参照)。ツイン・ヴォーカルの迫力が合唱団みたいだ(そこにドラムのコーラスが絡むと更に圧巻)。キャラが好対照で、兼ギターの下岡晃は大槻ケンヂ風(?)の妄想癖(失礼!)って感じで、兼ベースの佐々木健太郎は<ああ うるせー うるせー うるせーな>(「ラブホ」)って感じ(?)。どちらにも共通しているのはダダっこみたいってことか? それにしても曲の展開っていうか構成がとっ散らかってる。サビとかAメロとかそういうの、よく分かんないよ。ここからこういくか?って思っている間に、どこへいってんだか、ここがどこだか分かんなくなっちゃったって感じ。盛り上がってきたーってところで寸止めしてる感もあるし。ジラし屋のダダっこってわけですな。面白い。これからが楽しみだな~。

(3) ART-SCHOOL
真っ当なロックバンドだなぁと思った。どこが「引きこもりロック」なんだろう。いや、ヴォーカルの木下理樹が自分で言ってたから。「引きこもりロック代表」って。まぁ、それはシャレだとは思うんだけど、そのサウンドはぜんぜん引きこもりじゃないよなぁ。だとしたら損してない? ま、バンドとして表舞台に立っているんだから、引きこもりも何もないけど(笑)。それは十分本人が分かっているんでしょう。だからサウンドは引きこもってないし、真っ当なロックバンドなんだろう。マジメさが痛いほど伝わってきました。ただ、マジメすぎるんだよなぁ。マジメにマジメをやっている感じがする。音楽なんだからさぁ、バカにマジメをやったり、マジメにバカをやったりしても良いのになぁとか思ってしまうのは私だけ? つまり、イッちゃっても良いのに。なんちゃって。でも、イッてしまえない、そんなところがアートスクールの良さなのかも知れないね。

(4) GRAPEVINE
最後はバイン。私、観るの4回目くらいかな? この人(田中和将)は、なんでこんなにカッコつけて歌うんだろう。カッコつけ過ぎなの。それがキマり過ぎてんの。多分それ自分で分かってんの。それをときどき自分で茶化すかのように、「サンキュー! ソーマッチ!」とか「今日はみんな本当にどうもありがとう!」って異様なテンションで叫ぶのね。でも、とても楽しそうにカッコつけてくれるもんだから切なくも見えちゃったり。日本人流の黒いブルースを感じたよ。MCで「今日は隣(渋谷公会堂のこと?)で珍しいものを見た」とか言った後に(結局何を見たのかは話してくれませんでした)やった曲、シングル曲だと思うんだけど(「会いにいく」かな)、その曲、良かったなぁ、切なくて好きだなぁ。アンコール最後にやった「HEAD」はやっぱ好きだわ。ライヴ向き! 一回だけワンマンを観たことがあるのだけど、そのときもこの曲イイ!って思ったんだった。

しかし今日は、アスレチックからハチ公への精神的な移動(笑)が大変だったため、かつ、空腹のため、アートスクールの後半ぐらいから意識が朦朧としちゃってた。初めての2階席で慣れないから余計にそうなったのかな。そのため、この日記もかなり変なノリと勢いによって書かれています(よって長文…苦笑)。お許しください。


The Stills @LIQUIDROOM ebisu

2004-11-08 11:38:13 | ライヴ
やっと普通のことが書けるーーー!!

と、その前にトランス後記――。
東京事変のセカンド・シングル『遭難』に入っている「心」という素晴らしい曲があるのですが、<心と云う毎日聞いているものの所在だって 私は全く知らない儘大人になってしまったんだ>と歌われています。やっぱり! 「心」と「体」を超越している人の表現やわ~。ちなみに林檎ちゃんはソロ時代、<心>という言葉は「あおぞら」という曲でしか使っていません。心って何だろうって思って分かんないから使わないということみたいで。そんな人が「心」という曲を作ったんですよ! しかも昨年の誕生日に自分の誕生日を祝ってくれる人のために作ったらしいんですよ! なんで心の所在が分からないかって、そりゃ貴方、これが心そのものだからですよ! それに、Syrup16gの「リアル」。<本当のリアルはここにある>。そうです! 「心」も「体」も「もう一人の自分」も含んでいる「全自分」がそこにあるんです! そして、ふいにエレファントカシマシの「必ずつかまえろ」を思い出した。<自由なんて瞬間なんだ 感じるものさ>。そう、「心」と「体」を超越して「自由」を感じる瞬間なんて一瞬なんだよ! この曲全部まんまそれ。歌詞読んで勝手にビックリさせてもらった。引用しようと思ったらほぼ全部だった(だから引用はこれだけにしておいた)。
――と、自分が書いた内容と勝手にリンクさせて言い聞かせて喜んでいる私でございました。しょーもない。しかし、こんな風にして、トランス状態から抜けさせてもらうのでした。ちゃんちゃん。

というわけで本題。カナダのスティルズというバンドのライヴに行ってきた。今年の6月にファースト『ロジック・ウィル・ブレイク・ユア・ハート』を出し、フジロックとそのアフター・パーティーにも出演した、「最近気になるアーティスト【洋楽編】」でも取り上げたバンド。キラキラしてるのに憂鬱で気だるくて切ないそのサウンドと詞世界に何気なく魅了されたのだが、ライヴまではどうしようかな~と悩んでいて。でも、外国のアーティストは一回来日を逃すとなかなか次来てくれなかったりするから、やっぱり行っておこうかな~と、そんな軽~い気持ちでチケット取っておいたんだけど、いやぁ、行って良かった! 久々にええもん観させてもらいました!って感じ。こんなに良いなんて。CDじゃ、全然その魅力が伝わり切ってないよ! もったいない!

この日は前座にOCEANLANEという日本のバンドが出た。日本のバンドといっても、一人は外国人?ハーフ? 数曲での、サポート・ギターを入れたトリプル・ギターは分厚かったぁ。ギターの音が好きなんだろうなぁと思った。映画『16歳の合衆国』にインスパイアされて書いたという「Out Of Reason」って曲が良かった。ストリングスの音と絡めて綺麗な曲だった。オアシスっぽい? っていうかUKっぽい? その次にやった曲「Ships And Stars」も良かった。特に説明があったわけじゃないけど、この曲はバンドの代表曲なんだろうなって思った。ずっとバンドと一緒に歴史を歩んできたんだろうなって。そういう曲っていうのは、やっぱり、そのバンドの歴史とかが滲み出てくるんだろうね(違ってたらアレだけど…笑)。最後は、「Sign」って曲だったろうか、40分くらいのライヴだった。

そう言えば、ここ「リキッドルーム恵比寿」は初めての会場。新しいしやっぱり綺麗。カフェやロビーもあって広々してるのが良い。ライヴ・スペースは、渋谷クアトロと旧・新宿リキッドを足して2で割って綺麗にした感じ? 場所も恵比寿で、渋谷や新宿の喧騒とはまた違った空気で良いんではないだろうか。しかし今日の客はおシャレな人が多かった気がするな。外人も結構いたし。でもスティルズの感じからするとそれも分かる気がする。素敵な感じなんだよね、4人とも。

スティルズの登場を待つ間、スキンヘッドのR.E.M.みたいな人が(私よく分からないし目悪いから全然似てないかも知れないけど)、ちょろちょろちょろちょろ何回も楽器のチェックしてるから、まだかな~まだかな~、あ!またR.E.M.が!と心の中で呟いておりました。ドラムセットがステージ向かって右側にセッティングされてた。なるほど。このスティルズはもともとドラムのデイヴ・ヘイムリンとヴォーカル&ギターのティム・フレッチャーが始めたバンドで、ほとんどの曲をデイヴが書いているらしいから、ドラムも前線に置くのかな? スクリーンも用意され、VJありらしい。

そしてメンバーが登場するや否や、その佇まいが何ともまぁ素敵で。どう表現したら良いのだろうか。ジョイ・ディヴィジョンやニュー・オーダーが引き合いに出されるのも分かる気がするね、こりゃ。「ローラ・スターズ・アンド・ストライプス」から始まって3曲目くらいまでアルバムの曲順通り(そのままアルバムの順番通りやるのかと思った)。特に1曲目のベースにはびっくりしちゃいました。こんなにゆっくりグルーヴしながらコチラの気持ちを昂ぶらせていくなんて。

演奏もヴォーカルも素晴らしく血の通ったものだった(サポート・キーボードあり)。CDで感じたキラキラした気だるさは、こんなにも情熱的で激しいものに裏打ちされていたのかと驚いてしまった。それとともに、申し訳ない気持ちともったいないという気持ちが込み上げてきた。だって、CDからナイーヴで小奇麗なライヴをみせてくるのかと思っていたら、こんなにも熱く激しいものをみせてくるんだもの。まさか“血”を感じるとは思わなかったよ。非常に官能的で、体内に侵入してくるし、犯されてしまうんではないかと思った(笑)。これがCDにも封じ込められればなぁ。ああ、もったいない! ああ、惜しい! CDではピンと来なかった人も、ライヴ観たらこれ変わるよ。これがCDにも反映されれば、もっと人気出るはず!

そして、「スティル・イン・ラヴ・ソング」。<I'm still in love(いまでも愛してる)>、なんて切ない歌なんだ! そしてダンサブルな曲。スティルズが何故こんなにも切なくて官能的なのか分かった! それはこの音に込められた想いが、片想い、届かぬ想いだからなんだ! しかも、その相手はもうここには居ないって感じ。星を見つめて、「ああ、これは何百年も前の光なんだよなぁ」と感じる、あの気持ちに近い。スティルズは、何百年も前に光っていた星の光を今届けにきたバンドなのか? バンド名の「スティルズ」もなんかそんな感じだし。ああ、切ない。でも、出会えて良かったぁ。

新曲が披露されたんだけど、これがまたスティルズらしくない! キーボードがリズムを刻むちょっと陽気な曲で。こんな曲も出てきてるのかぁ。こりゃ今後が楽しみ。最後は「イエスタデイ・ネヴァー・トゥモロウズ」で、デイヴがヴォーカルをとる。アルバム中、1曲だけデイヴがヴォーカルの曲があるって聞いてたけど、この曲だったのかぁ(聴き分けられなかった…)。打ち込みの音に乗せて、ハンドマイクで楽しそうに歌うデイヴ。さっきまで背筋をピンと張って誠実なのに投げやりにも見える叩き方で(でも正確)ドラムを叩いていたけど、歌う前に「イッツ・ジョーク」とか言ってとてもリラックスした感じ。ティムもスピーカーの上に乗ったりして、さっきまでの官能的な雰囲気とは違って解放的にギターを弾いている(でも色っぽさはどうやっても隠し切れないのよね)。ベースのオリヴァー・クロウはやんちゃですねぇ。最後、客席にダイヴして客と触れ合って踊ってました。リード・ギターのグレッグ・パケットは物静かで可愛い。ちょっと何考えてるか分からないけど(笑)。淡々と、でも確実にギターを弾いていた。そんな風に、最後の曲では、さっきまでの官能的な雰囲気とは打って変わって、突然少年のように飛び跳ねるものだからもう、男の人って素敵ですね。しかし最後はしっかり、スクリーンの映像と音が合うようにセットしてから帰っていきました。誰も居なくなったステージにその音と映像が浮かび上がる。

カナダ出身だからなのか、イギリスのバンドにもアメリカのバンドにもないものを感じた気がする。ライヴ行くのさえ迷っていたのに、観終わった後は、次来たら行かなくちゃ! CDも早く次出さないかな~と高揚していた私でありました(でも「レッツ・ロール」聴きたかったな)。どうにかして、ライヴでみせてくれた魅力をCDにも反映させてくれぃ! 今日の血の匂いをさぁ!