2019年第39回横溝正史ミステリ&ホラー大賞優秀賞受賞作。受賞時の題名は「血の配達屋さん」。禁断の書「根腐れ蜜柑」。突然出奔した母河合静子を探し出すため、私は北国の漁師町独鈷路戸へと向かった。一週間に1本のバスに乗り遅れた私は偶然、おんぼろディーゼルのネコバスに乗せてもらいトッコロへ。そこは、動物の死骸があちらこちらに散逸し、生々しい匂いが一面に充満した町だった。犬猫の死骸だらけの窪地に落ち、奇妙な老人たちに助けられた私。彼らは、太古の昔に繁栄した種族の、魔術めいた技術が記された特殊な本を手に入れるために自分を助けたのだという。ようやく見つかった母は、血塗られた船を造っていた。私を追って来た恋人三咲や妹の沙希たちは、母が造った船に次々と呑み込まれていく・・・。
動物のゾンビやグロテスクな描写が連続するホラーだが何が言いたいのか不明の駄作。リアル感も社会風刺も中途半端でなんでこれが大賞なのか疑問の読後感でした。
2019年10月KADOKAWA刊