シリーズ第4弾。5つの連作短編。出版業界・作家稼業の内幕を描きつつその中で起きた事件を追う。新人賞を獲ったばかりの作家の卵が殺された。若手刑事の高千穂明日香は、作家兼業の名物刑事・毒島と捜査を開始する。被害者が通っていた小説教室を訪ねると、そこには異様な光景が。受講生の提出作品を嘲笑する講師に、互いに貶し合う生徒たち。小説教室とは名ばかりの、マウントの取り合いが繰り広げられていた。高千穂が背筋を凍らせる中、嬉しそうな表情を浮かべる毒島。尋問が大好きな彼は、受講生のプライドをへし折る容赦ない取り調べを行う。・・・「予選を突破できません」
炎上商法でベストセラーを目指す新人作家、・・・「書籍化はデューではありません」。
文学系インフルエンサーに対抗心を燃やす書評家、・・・「書評家の仕事がありません」。
実績もないのに小説教室で荒稼ぎする講師・・・「文学賞が獲れません」。他に宗教法人の教団関連書籍を巡る事件・・・「この世に神様はいません。」文芸界が生んだ “承認欲求モンスター”達を、毒舌で退治する。宗教法人の落ちが面白かった。
2024年9月幻冬舎刊