「神の声を聞く 選ばれし者の 使命とは」元35年間高校教師だった人が書いたミステリー小説。北海道の道東、長閑な町の寄別高校の校長宅が燃え火災現場から校長の遺体が発見された。解剖の結果事故死でなく何者かによる他殺後の火事とされた。寒別署刑事課係長村雨と加賀巡査が捜査を開始する。やがて辿り着いた、殺人犯の悲しい生い立ち。なぜ殺人を犯すのか。「あなたはどのように育ち、誰に愛され、誰に愛されなかった。そして誰を愛そうとした。あなたは何と言った。あなたの最後の言葉は何だったのだ。」・・・そして、哀しくも救いのラスト。
至る処で神の存在、悪の存在、神と悪の沈黙、神の試練、神の愛など神学的哲学的命題語られる。また、道警、道教委を揺るがした裏金問題、高校の教育現場の教師の過酷な現実、苦悩と喜び、定数外教員など高校の現状が語られ理想の教師像が語られる。
「これから自分はどこへ行くのだろう。どこへ行くべきなのだろう。歳を経て得たもの失ったもの、これから何を得て何を失うのだろう。生きることはとても難しく簡単な人生などない。だから生きていくしかない。生きた先に何が見えるのかそれは生きることでしかわからない。」(P308)
2019年2月ロギカ書房刊
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