ウルトラマンに登場する怪人ケムール人を生み出した孤高の天才作家、成田亨。彼に魅せられた男、大手製薬会社の創業一族が建築したが建てた屋敷は、まさに怪物の異形で覆われていた。そこで起こる連続密室死。自殺にしか見えないのだったが・・・。屋敷の離れで起こる連続「自殺」と失踪事件。彼らは皆、引きこもりの若者だった。人目を避けるケムール人のお面マスクを被ったままという奇矯な行動をとった挙句に、密室状況で次々と不審死を遂げていくという密室の死と符合。彼らの身に何が起こっていたのか。
イラストレーターの多舞津知秋、レトロ玩具店「夢想郷」店主鴉原がこの謎解きに挑む。氷姫智耶、若菜遼 市猪真紀など特異な名前の主役を含めた登場人物たちがなじめなかった。読んでいてからくりは想像できたが仕掛けの大掛かりさとリアルさ欠如、ケムール芸術の解りぬくさで興味半減なミステリーだった。唯一うつ病薬の薬害、薬品業界への切り込みがもっと深ければ社会派ミステリーになったのに。後半のドンデン返しもある程度予想できた。
2016年3月原書房刊
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