助かる寸前で無言のまま自らから墜落死した男。充分な食料がありながら一人きりで脱水死した麻薬取締官。連続する不可解な事件に挑む謎めいた女探偵。探偵火垂柚葉と助手の油杵島はある日、団地の10階に人がぶら下がっているという情報を得て駆けつけるが不可解な表情を浮かべた男は近づいた油杵島たちの目前で自ら転落死してしまう。・・・刑事でもない探偵が警察官と一緒に行動したり、謎の依頼人甲羅魏警部など設定がかなり無茶苦茶だし、火垂と実妹菊井刑事の家族関係の話も絡んで話が錯綜して展開。やたら人が出て来るが個々のキャラ設定不足、人間関係がややこしくイマイチ不明。謎ばかり残る結末にスッキリ読了出来ず。付録に 「本格ミステリーを書きたい人のためのトリック作成法!」がついてるが作家になる気がない人には小説のアイデアが生まれる過程の参考程度になるかも。
2025年5月南雲堂刊