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読書備忘録

私が読んだ本等の日々の
忘れない為の備忘録です

佐野広実著「氾濫の家」

2025-08-16 | さ行
この国に根深く残る「家父長制」をテーマにしたサスペンス小説。郊外の住宅地に住む50代の専業主婦、新井妙子。ある日、隣の家で殺人事件が起きる。被害者の隣人が著名な大学教授だったこと、一人息子がいたことを、妙子は事件を通じて初めて知る。平穏そうに見えた隣家で何が起きていたのか・・・事件はやがて、妙子自身の家庭の闇をあぶり出していく。妙子は結婚以来、自己中心主義、男尊女卑の見本ともいうべき夫の篤史から精神的苦痛を与えられ続けたため、「『自分』がすり減っていく」のを自覚しながら、何もできない不甲斐ない存在。読んでいていらいらさせられます。「周囲から無視され、命令に従うだけの存在に人を貶めた方針をかえさせること。もし間違いに気づき、それを認めて方針を変えるなら・・・」(P338)燐家で殺されたのは「正社員を削減して派遣社員ばかりにすることで経済は活性化する」と主張する政府の御用経済学者(大学教授)・正木芳光。犯人は動機と目的はと加賀美刑事の視点で犯人を目撃したかもという妙子の家の問題と心の変化模様で展開していきます。サブテーマのレイシスト、ヘイト意識、外国人の人権遵守など難しさを再認識させられました。
2025年1月講談社刊
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染井為人著「歌舞伎町ララバイ」

2025-07-26 | さ行
復讐サスペンス小説。中学卒業と同時に毒親元から飛び出し歌舞伎町にたどり着いた15歳の少女・七瀬。わずか15年の人生で絶望を味わい、すべてをあきらめている七瀬にとって、歌舞伎町は唯一、心を安らげる場所だった。トー横広場で仲間とダベり、危ないバイトに手を出していくうち、歌舞伎町の闇社会や家出少女たちを食い物にしようとする大人やヤクザたちとも関わっていく。そして事件は起きた。炊き出しをするボランティア団体の裏の秘密を手に入れる。唯一の友人愛莉衣がオーバードーズで死んで傷心の七瀬は手に入れた秘密を告発しようとするが、ヤクザに捕まり殺されかける。その5年後。別人のような大人の女性になった七瀬が、愛と名乗り自分を陥れた大人たちに次々と復讐してく令和の仕事人の様子が痛快。黒人のコカインの売人コディ、スナックの老ママがキーマンでもあるらしいが、スピード感ある物語の展開にただあまり調子よく行き過ぎそんなに都合よく行きそうにないと思うのだが痛快に読了。
2025年3月双葉社刊
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重松清著「カモナマイハウス」

2025-03-24 | さ行

空き家を舞台に繰り広げられる涙と笑いの人間ドラマ。定年まであと2年、多摩エステートサービスという不動産会社で空き家の年間メンテナンス業に携わる水原孝夫58歳。両親の介護を終えた介護ロスの妻・美沙は、瀟洒な洋館で謎の婦人が執り行う「お茶会」に参加し、介護ロスを乗り越えようとしていた。しかし、空き家になっている美沙の実家が、気鋭の空間リノベーターによって「もがりの家」として遺体安置所に改装されようとしていることを知る。元戦隊ヒーローで今は小さな劇団員の息子・研造、ケンゾーを推す70代の3人娘「追っかけセブン」など、個性豊かな面々が空き家を舞台に繰り広げるドタバタ。2018年の日本の空き家数849万戸、空き家率13.6%(7軒に1軒)。住み手の人生ステージとマイホームへの対処が織りなす世界、凄く重たい辛いだけの問題を登場人物の明るいキャラでしれーッと描いています。空き家と廃屋や「もがりの家」はともかく「空蝉の庵」などの家に対する登場人物の思いと、生きている人とそのもののとの関係性の捉え方が良かった。避けては通れない問題提起です。
2023年7月中央公論新社刊
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雫井侑介著「互換性の王子」

2025-01-20 | さ行
互換性とは「置き換えても問題なく使える」という意味らしい。主人公は準大手飲料メーカー・シガビオの御曹司、志賀成功(なりとし)。彼はゴルフコンペの夜に泥酔して何者かによって別荘に監禁された。取締役就任と、意中の女性・山科早恵里とのデートを約束し交際を目前にしていたのだが。半年後、絶望の中で解放された成功が会社に行くと、退職扱いにされていて社内の状況は一変し、かつての彼のポストには突如現れた異母兄・実行(さねゆき)が入れ替わっていた。そして実行は早恵里にも近付こうとしている。「奪われたものは、奪い返さなければ」「仕事は作るか奪うかだ」、「与えられたもので満足していたら奪われた時に何も残らない」、「自分の力で地位を築いて替えの利かない人間にならなきゃ駄目なんだ」と、仕事に奮起する。成功は、事件の真相と自らの復権をかけて奔走する・・・。異母兄弟がビジネスと恋で火花を散らすエンタメサバイバルレース小説。監禁ミステリーかと読み始めたがビジネス小説のような恋愛小説のような主人公にあまり魅力を感じなかったがハッキリ物事を言う伴内星奈が良かった。「心から謝ってる人は許してあげなさい。それを許さないなら、あなた自身、一生引きずっていく覚悟が必要なのよ」(P152)
2023年12月水鈴社刊

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柴田哲孝著「抹 殺」

2025-01-14 | さ行
2012年1月から2017年5月まで、日本国政府は自衛隊を南スーダンへ派遣していた。 過去にも自衛隊は海外派遣されているが、南スーダンでのPKO活動はその中で最も過酷とも言われている。その南スーダンでの過酷なPKOの中で、非戦闘地域での非戦闘活動のみとされていた自衛隊の活動が、実際には戦闘地域であった事などから、後に自衛隊日報隠蔽事件に発展する事となった。その自衛隊日報問題を題材に描かれた緊迫の軍事サスペンスミステリー。政府軍に占拠され人質になった国境なき医師団の邦人女性医師の奪還作戦を遂行し一人の隊員の犠牲者を出すも成功する。しかし、その作戦は隠蔽され、参加した隊員たちの命が次々と狙われていく。あの救出作戦は何のための闘いだったのか。「殺られる前に敵を殺れ」自衛隊特殊部隊「特戦群」では常に、そう教えられてきた。元自衛隊員の遺体がまた見つかった。共通するのは、政情不安下の南スーダンにPKO部隊として派遣された「特戦群」メンバーだったこと。俺たちは狙われている同じ隊に所属していた風戸亮司の疑惑は深まり、危機からの突破口を探り始める。時を同じくして長谷川麻衣子医師が南スーダンから帰国し愛娘と再会した。だがその直後、元夫は何者かにひき殺される凄惨な悲劇に遭遇する。彼の地に関わった者たちに迫る不穏な影の正体は? そして、その目的とは?史実と創作と虚実入り混じった小説だが愛知県内奥地過疎地で繰り広げられる在り得ない攻防はスリル感あり中々面白かった。
2024年9月光文社刊

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佐野広実著「サブ・ウェイ」

2024-12-18 | さ行
主人公は、地下鉄内での防犯のため、試験導入された地下鉄私服警備員として働く穂村明美。彼女は、二年前に地下鉄駅構内で起きた暴行事件によって恋人・要一を失い、その事件の真相をつかむために警備の仕事に就いていた。 勤務の中で、明美は乗客たちの様々な事情に触れていく。そして要一の事件の手がかりを掴むが・・・
東京メトロと都営地下鉄という別個の会社だが両方受け持つ逮捕権もなければ制服でないので事件の抑止にもならないが突発事態への初動対処と旅客のツアーコンダクターとしての位置づけで試験的に300人程採用された契約社員・架空の私服警備員という設定は面白い。
順法意識の欠如や無理筋の都合も気になったが、地下鉄の中での様々な事件・人間ドラマを通じて、自分自身の心のわだかまりと前向きに生きる意欲を取り戻す展開は感動です。もしこんな職業があったとしても大ぴらに出来ないからフィクションとして面白かった。
2024年9月PHP研究所刊



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染井為人著「正義の申し子」

2024-09-14 | さ行
告発系ユーチューバーの出来心から燃え広がったクズ野郎たちの大騒動ドタバタ劇。現実では引きこもりなのに正義のユーチューバー“ジョン”として活躍するタイガーマスク姿の佐藤純(2重人格か)。不正請求の悪徳業者に電話をかけ、関西弁の相手、栗山鉄平をおちょくったところ大好評で、キャラの濃い男を懲らしめた動画は爆発的に再生数を伸ばした。味をしめたジョンは、男とリアルに会って対決し、それも配信しようと画策する。一方、馬鹿にされた鉄平も仕返しにジョンを捕まえようと動き始めた。純の妹萌花とその友達である女子高生たち、金に不自由しない医学部の学生たち、鉄平を操る悪徳業者の元締め。面白い展開だが先が読めるし、ちょっと軽すぎてリアル感に乏しい。緊張感不足、痛快ではあるが、底が浅い。もうひとひねり欲しかった。
2018年7月KADOKAWA刊

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染井為人著「悪い夏」

2024-08-04 | さ行
2017年第937回横溝正史ミステリ大賞の優秀賞受賞作。ノワールサスペンス。26歳の佐々木守は人口30万の千葉県船岡市役所の生活保護受給者のもとを回るケースワーカー。同僚が生活保護の打ち切りをチラつかせ、訪問した生活保護受給者の女性に肉体関係を迫っていると知った守は、真相を確かめようと女性の家を訪ねる。しかし、その出会いをきっかけに普通の世界から足を踏み外して・・・。生活保護を不正受給する小悪党、貧困にあえぐシングルマザー、東京進出を目論む地方ヤクザ。加速する負の連鎖が、守を凄絶な悲劇へと・・・・。主な登場人物が皆悪人。ちょっとした些細なことで人生が暗転し転落する恐怖。本当に生活保護が必要な人が貰えない日本社会が悲しい。私的には再読不適作品。
2017年9月株式会社KADOKAWA刊



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染井為人著「震える天秤」

2024-08-02 | さ行
サスペンスミステリー。北陸のコンビニFYマートで高齢ドライバーによる死亡事故が発生した。アクセルとブレーキを踏み違えたという86歳男性の運転する軽トラックが店舗に突っ込み、店長を轢き殺したのだ。加害者は認知症の疑いがあり、警察は責任能力を調査している。事故に違和感を覚えた隔週誌「ホリデー」から派遣されたフリーライターの俊藤律(しゅんどう・りつ)は加害者の住んでいた福井県牧野市の村を訪ねるが、村人の過剰な緊張に迎えられて・・・「この村はおかしい。必死で何かを隠している」。取材に乗り出した律は、目撃者の17歳のアルバイト女店員の七海をきっかけに、続々と予想外の事実を知ることに。高齢化した過疎地、高齢者の運転免許返納問題。高齢者が絡む交通事故の裏側に秘められた真実が明かされた時驚愕の事実が解るのだが読後感は良い。
2019年8月角川書店刊
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染井為人著「芸能界」

2024-07-25 | さ行
エンタメ界あるあるを絡めミステリー風7つの短編集。黒い噂で業界から見放され、長年在籍したプロダクションを退所しようとしている俳優。・・・「クランクアップ」。人気女優を10年かけて育て上げ、今度はピン芸人と新人アイドルグループを担当する辣腕マネージャー。新しいファンを獲得しようと・・・「ファン」。Instagramにハマったベテラン女優。・・・「いいね」。容姿端麗な若い男たちをキャストにミュージカルを運営する女性プロデューサー。・・・「終幕」。ハゲやデブといった自虐ネタで笑いをとってきた30年の漫才師、昨今の容姿ネタNGという風潮に対する怒りや、ネタや企画も書かない相方を軽視する発言を繰り返す中、妻から相方の大切さを諭される。ベテラン漫才師のコロナ禍の苦悩を描いた・・・「相方」。誹謗中傷や家族の問題に悩まされているアイドル俳優。・・・「ほんの気の迷い」。「震災の町で芸能界の仕事をする娘を苦々しく思う父親の葛藤・・・「娘は女優」。元芸能マネージャーの経験を活かした著者が、きらびやかな世界の光と影を描いた短編集。特に「いいね」は、50歳のベテラン女優がインスタグラムにはまっていく話で、承認欲求が収まらず、周囲の人間が止めてもどんどん投稿がエスカレートしていく様子が面白く心情がよく理解出来た。
2024年2月光文社刊

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佐藤青南著「一億円の犬」

2024-07-14 | さ行
犬が絡んだミステリー。六本木のセレブ妻という設定で、SNSにマンガ「保護犬さくら、港区女子になる」を投稿している32歳の独身小筆梨沙。ある日、出版社の編集者から書籍化のオファーが来る。動画サイトで人気になれば億単位の収入も夢ではないという。プロフィールの嘘他人の画像を加工し投稿したサイトを取り繕うため年収一億円を夢見る梨沙は大胆な行動に出るのだが、想定外の“事件”に巻き込まれる・・・。殺人者は誰か、噓をついているのは誰か?人生で何度も嘘をつくことはあるが、嘘で塗り固められた人生とはどんなものなんだろう。SNSで自分を大きく見せることが楽しい人がいるのは想像できるが・・・金があれば何でも解決できるとは幻想にすぎない。嘘にまみれた主人公が保護犬と暮らし、やがて自分自身の人生を取り戻すハーピーエンドの展開に。犬を飼う事の思いが伝わって来る。
2023年11月実業之日本社刊

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染井為人著「黒い糸」 

2024-06-13 | さ行
千葉県松戸市の結婚相談所でアドバイザーとして働くバツイチ子持ちの平山亜紀は、仕事で顧客とトラブルを起こして以降、無言電話などの嫌がらせに苦しめられている。亜紀の息子・小太郎が通う旭ヶ丘小学校の6年2組でも、クラスメイトの女児が失踪するという事件が起きていた。事件後に休職してしまった担任に替わり、小太郎のクラスの担任を引き継いだ長谷川祐介は、クラス委員長の倉持莉世から、クラスの転入生の母親が犯人だという推理を聞かされて戸惑うが、今度はその莉世が何者かに襲われ意識不明の重体となってしまう。特定のクラスの周辺で立て続けにおきる事件の犯人は同一なのか、またその目的とは。・・・多種多彩の怪しい強烈キャラの登場人物たちによって次々に起きる謎が謎を生む展開。誰もが怪しい展開で最後には意外な人物が犯人。繰り返しウザい持論をとなえる男性教師長谷川の兄のキャラも面白い。一気読み出来そう。続編もありか?
2023年8月角川書店刊 

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佐藤青南著「犬を盗む」

2024-06-10 | さ行
著者は「ある少女にまつわる殺人の告白」で第9回『このミステリーがすごい! 』大賞優秀賞を受賞し、2011年同作でデビューした作家。高級住宅地で一人暮らしの老女が殺害された。部屋には、かつて犬を飼っていた痕跡があり、刑事たちは周辺の捜査を開始する。一方、雑誌記者の鶴崎は、あるスクープをモノにするためコンビニでアルバイトを始める。同じコンビニで働く松本の過去を知る鶴崎は、松本が突然犬を飼い始めたことに驚愕するが・・・、時々挿入される犬目線の段落。深まる謎。犬好きの刑事、犬アレルギーの刑事、犬好きのコンビニの店員、犬を飼う推理作家、ドックラン場に集まる犬好きたち読み進めるうち何か引っかかる違和感のある展開で誰が本当に悪者なのかと・・・後半明らかになるどんでん返しの真実に『なるほど』の納得。
2022年9月実業之日本社刊 

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末浦広海著「君と、君がいる彼方」

2024-06-04 | さ行
相原孝之は一級建築士で、妻の貴美子と中学1年生の娘・美加、小学2年生で料理好きの息子・康文の4人家族だ。ある日、息子が車にはねられ意識不明の重体に陥るが、時を同じくして、孝之の不倫とそれによる妻のストレス、そして娘が学校でいじめられていることが発覚し、家族は瓦解寸前に。そんなとき、認知症の老人が相原家の前に何度も現れ、孝之の心にもさざ波が立つ。孝之には幼い自分と母を捨て駆け落ちした父親がいたのだ。一方、康文の意識が戻らない中、不思議な認知症の老人とのふれあいを重ねるうちに、貴美子と美加の2人は驚くべき事実に気づくことに。不倫、いじめ、交通事故、そして認知症老人の作る手料理――崩壊寸前の家族に訪れた奇蹟の13日間のファンタジー。DNA鑑定の結果を見ないで燃やすシーンや他人かも知れない人を引取るなど料理が重要な役割を果たすドラマチック仕立てだがファンタジー的ハッピーエンドの小説でした。
2021年2月中央公論社刊
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佐野晶著「毒警官」

2024-05-08 | さ行
2019年第1回警察小説大賞受賞後の第1作目作品。主人公は37歳の鳩裏交番の「ごんぞう」警官阿久津晴也。窃盗の罪で横浜刑務所横須賀刑務支所に収監されていた利根太作は、身柄引受人の保護司が見つかったことで仮釈放され、社会復帰後は、保護司の娘・小海友紀が営む辻堂のレストランを住み込みで手伝うことになる。友紀の同居人である阿久津晴也は、窓際警官として交番に勤務する傍ら、立検しづらい家庭内暴力や性虐待の加害者を、“毒”をもって殺さず粛清していた。利根が見込まれたのは、窃盗のスキルとしての鍵開け技を期待してのことだったのだ。早速盗撮用の機械を忍び込んで設置すると・・・・。毒が効かないどころか、快楽を得るという特異体質の阿久津のキャラが面白い「毒を以て毒を制す」「毒は薬、薬は毒」と毒を快楽の手段と陶酔する姿が面白かった。利根とのコンビもぴったりだった。
2021年10年小学館刊


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