人気 シリーズの10編の連作短編集。
悪質なクレーマーは動画撮影のカメラ片手にSNSに投稿ー?・・・「夏雲」。
外国人同士がもめているという通報があり現場に駆けつけると、複数の外国人が罵声を上げて揉み合っていた。ナイフで相手を刺して怪我を負わせた一人を確保し、送検するも、彼らの対立はこれでは終わらなかった・・・「略奪」。
あおり運転か高齢者の運転トラブル・・・「成敗」、
半グレの取り締まり・・・「過失」、
元ダンナがストーカー・・・「当直」。
『見え方を変えるには、目線を変えるのが一番だ。こうしてさ、川の高さまで降りてみると、今まで見えなかったものが見えてくる。橋の下のことなんて、普段は考えたこともないだろう』・・・「目線」。
署長が反社勢力と交際・・・「会食」。
特殊詐欺やっていたやつらが強盗に・・・「雨水」。
他に「志望」「世代」の10編。
守るべき正義とは何か。揺るぎない眼差しで安積は事件を解決に導いていく。派手さが無い短編だから、非常にあっさりと始まりあっさりと終わるのだが、おなじみの安積班メンバーに、国際犯罪対策課、水上安全課、盗犯係、暴力犯係など、ここでしか味わえない警察官たちのそれぞれの矜持が光る。少子化と働き手不足と外国人犯罪は切実な社会問題だ。
2024年3月角川春樹事務所刊
