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読書備忘録

私が読んだ本等の日々の
忘れない為の備忘録です

中山七里著「作家刑事毒島の暴言」

2025-08-11 | な行
シリーズ第4弾。5つの連作短編。出版業界・作家稼業の内幕を描きつつその中で起きた事件を追う。新人賞を獲ったばかりの作家の卵が殺された。若手刑事の高千穂明日香は、作家兼業の名物刑事・毒島と捜査を開始する。被害者が通っていた小説教室を訪ねると、そこには異様な光景が。受講生の提出作品を嘲笑する講師に、互いに貶し合う生徒たち。小説教室とは名ばかりの、マウントの取り合いが繰り広げられていた。高千穂が背筋を凍らせる中、嬉しそうな表情を浮かべる毒島。尋問が大好きな彼は、受講生のプライドをへし折る容赦ない取り調べを行う。・・・「予選を突破できません」
炎上商法でベストセラーを目指す新人作家、・・・「書籍化はデューではありません」。
文学系インフルエンサーに対抗心を燃やす書評家、・・・「書評家の仕事がありません」。
実績もないのに小説教室で荒稼ぎする講師・・・「文学賞が獲れません」。他に宗教法人の教団関連書籍を巡る事件・・・「この世に神様はいません。」文芸界が生んだ “承認欲求モンスター”達を、毒舌で退治する。宗教法人の落ちが面白かった。
2024年9月幻冬舎刊


 
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長浦京著「シスター・レイ」

2025-07-17 | な行
東京墨田区の外国人たちの相談役的存在で、「シスター」と慕われる、予備校の英語講師、能條玲。フィリピン出身の友人女性からの頼みで彼女の息子を探すことになった玲は、彼を探すうちに、ひょんなことから暴力団浦沢組と外国人半グレ集団とのトラブルに巻き込まれてしまう。普段はただの一般人としてふるまう彼女だが、元フランス特殊部隊のエースという隠された経歴があった。前職の技術を活かし、暴力団と半グレたちを制圧して事件を解決に導く玲。その後も相次ぐトラブルに巻き込まれた外国人たちを助けていくうちに、玲は下町に隠された国際的な陰謀に巻き込まれていく。二転三転する国際的なアンダーグラウンドで負の連鎖が続く。強いスーパーウーマンレイは中国人勢力、ブラジル人、ベトナム人勢力相手に手に汗握る怒涛に続くアクションは流石。報酬を求めない活躍と訳ありの過去、最近の在日労働者の問題等リアル感もあり楽しめた。続編もありかも。
2025年3月角川書店
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長浦京著「マーダーズ」

2025-06-18 | な行
サスペンスアクション小説。ストーカーに襲われた女性、柚木玲美を助けた夜から、商社マン・阿久津清春の日常は狂い始める。ブラウンの瞳と褐色の肌を持つその女は言った「あなたが殺人犯だと知っています」。十七歳の夏、誰にも知られずに清春は人を殺していた。意図的に清春に近づいた玲美は、その「事実」と引き換えに、母の死の真相と行方不明の姉奈々美の捜索を依頼する。パートナーとなるのは、かつて実兄の殺害容疑をかけられた組識犯罪対策五課の刑事・則本敦子。彼女もまた、過去の事件の証拠を玲美に握られていた。異様な関係で結ばれた三人の捜査は、いくつかの未解決事件を掘り起こし、やがて社会に潜む、起こしてはならない者たちを呼び寄せてしまう・・・。この10年で日本全体の殺人認知件数は1万288。検挙率の平均は98%。単純計算で206人の殺人犯が捕まっていないことになる。また、年間約17万人が死因不明の異状死として届けられるが、解剖に回されるのはわずか12%。およそ15万の「異状死体」が、詳しく調べられないまま死因を特定されている。他の先進国と比べてこの数値は異様に低い。つまり、この日本では多くの「死」が見逃されている可能性がある。捕まっていない殺人者を裏で抹殺するという内容でぞれぞれの方法で殺人を繰り返し、勝手な理屈で正当化していくある集団。阿久津は身のこなしが軽く、行動は安易に見えて、そこには三手先の読みがあり俊敏でスリリングな展開とピンチをチャンスに変えていく存在。警察には解き明かせない謎も、殺人者なら殺人者の心理が分かるので解き明かせるというわけで、殺人者のチームが謎を解くべく調査する新しい展開が面白かった。登場人物が多い。関係を反芻しながらかなり頭を使う小説です。

2019年1月講談社刊
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中山七里著「彷徨う者たち」  

2025-03-10 | な行
生活保護制度を題材にした第一作『護られなかった者たちへ』、震災からの復興とその闇ビジネスを描いた第二作『境界線』に続く、「宮城県警シリーズ」の完結編。復興が進む被災地に根ざす人々の間で激しく揺れ動く心情と人間模様を描きながら完全密室トリックの謎に迫るヒューマンミステリー。災害公営住宅への移転に伴い解体作業が進む仮設住宅の一室で見つかった他殺体。発見場所は出入り口がすべて施錠された完全密室、被害者は町役場の仮設住民の担当者だった。宮城県南三陸署の笘篠誠一郎刑事と蓮田将悟刑事は仮設住民と被害者とのトラブルの可能性を想定し、捜査にあたる。そこで浮上し遭遇したのは、蓮田にとって忘れがたい決別した過去に関わる人物であった。蓮田刑事にとってはあの日、流された絆があった・・・。行き所がない立ち退かない仮設住宅の住人、怪しげなボランティアNPO法人の輩、利権絡みの大物県議、同じく地元の建設会社の沢井建設の幼馴染の森見貢、ケアラーになった看護師の大原知歌、一 解体と復興。二 再建と利権。三 公務と私情。四 獲得と喪失。五 援護と庇護。エピローグ。とどんでん返しの犯人、真相を究明していく。事件の動向よりも進まぬ復興の現実と矛盾に心が動かされた。
2024年1月NHK出版刊  
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中山七里著「鬼の哭く里」

2024-10-30 | な行
殺人鬼の咆哮が轟き、村人がまた祟り殺された。岡山県津山市姫野村。人口 300 人にも満たないこの限界集落には、令和の現在も70余年前の呪縛を恐れていた。村人6人を惨殺した巌尾利兵衛の呪いにより、数年に一度、村にある鬼哭山から利兵衛の咆哮が轟き、仇なした者を殺すというのだ。新型コロナ感染症でパニックに陥る最中、一人の男が東京から移住してきたことをきっかけに、呪いの犠牲者と思しき死者が出てしまう。
閉鎖的な田舎町に一人の証券マン間宮恭一が引っ越して来た。隣の家に住む、将来は村を出てゆくことと夢を持つ中学生天木裕也とはすぐ仲良くなるが時はコロナ禍の真っただ中で・・・。
土地に伝わる呪いとコロナの流行がムラ社会の排他主義と閉塞感と集団同調心理が強まり、少しずつ歯車がずれていき悲劇が起きる。咆哮の原因が解明されるが最後のドン伝返しは悲しい。
2024年5月光文社刊 

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中山七里著「有罪とAIは告げた」

2024-10-21 | な行
日々進化し続ける人工知能。AI裁判官が実務を行うようになったら、裁判官の倫理と英知、正義とはなにかを考えさせられるというミステリー。東京地方裁判所の新人裁判官・高遠寺円は、公判、証人尋問、証拠や鑑定書の読み込み、判例等の抽出、判決文作成と徹夜が続き日々の業務に忙殺されていた。ある日東京高裁総括判事の寺脇に呼び出された円は、中国から提供された「AI裁判官」を検証するという任務を命じられる。「法神2」と名付けられたその筐体に過去の裁判記録を入力する。果たして、「法神」が一瞬で作成した判決文は、裁判官が苦労して書き上げたものと遜色なく、判決もまた、全く同じものだった。業務の目覚ましい効率化は、全国の裁判官の福音となった。しかし円はAIの導入に懐疑的だった。周囲が絶賛すればするほどAI裁判官に対する警戒心が増す。そんなある日、円は18歳少年が父親を刺殺した事件を担当することになる。年齢、犯行様態から判断の難しい裁判が予想された。裁判長の檜葉は、公判前に「法神」にシミュレートさせるという。データを入力し、出力された判決は――「死刑」。やがて、その審理が始まる。罪は、数値化できるのか。裁判官の英知と経験はデータ化できるのか。目前に迫るあり得る未来に、人間としての倫理と本質を問う。被告の旧友を訪ね歩くアナクロな刑事とソフトウエア検証会社の女性が、新事実を発見すると、中国がAIを通じて日本人の思考を支配しかねない思考ロボット且、AIスパイであったのだ。AIの頭脳が人間化し、人間を凌駕し、指図することによって人間を支配することがないよう活用の在り方に警鐘。
2024年2月小学館刊

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中山七里著「絡新婦(じょろうぐも)の糸 警視庁サイバー犯対策課」

2024-09-24 | な行
SNSを巡るミステリー。ネット界最恐の情報通「市民調査室」と名乗るフォロワー十数万人のサイト。芸能人の醜聞、政財界の不祥事など、様々な暴露ネタで、物議を醸していた。
しかし、ネットの炎上が現実に飛び火して、ついに自殺者がでる事態に発展する。警視庁サイバー犯罪対策課の延藤は、執念深く捜査を進め、インフルエンサーの素顔を特定寸前まで追い詰めるのだが・・・。
匿名のまま誹謗中傷、虚偽の噂を拡散させることの犯罪性、X/ツイッター、SNS皆言葉に酔う、自分に酔う、心無い一言が心に刺さる言葉のナイフで他人を傷つけるのだ。やがて明らかになる巧妙な真実の中にフェークニュース、デマを織り交ぜて流す本来の目的その動機が・・・、
デマで株価を操作して儲けることが途中から予想はついてしまうような突き詰め方が浅い。
もっとネット犯罪を深く掘り下げて欲しかった。
2023年11月新潮社刊

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中嶋博行著「検察特捜 レディライオン」 

2024-08-29 | な行
ライオン女シリーズ第3弾。主人公は、東京地検特捜部のバツイチ子持ちの36歳の女性検事岩崎紀美子。仮装行列でにぎわうハロウィンの夜。横浜本牧の覚醒剤取引を急襲した麻薬取締官6名を含む関係者10人が短機関銃で殺戮される。麻薬Gメン急襲部隊が虐殺された裏には岩崎が外為法違反で内偵を進めていた北朝鮮との貿易会社イーストシップ社が裏で麻薬取引に関与している疑いが浮上する。短機関銃という特殊な凶器の出どころもまさかの自衛隊絡みなのか。国家安全保障局(NSS)に加わった岩崎紀美子は、神奈川県警郡司課長とタッグを組み、麻薬ルート撲滅のため、謀略渦巻く港町を駆けめぐる。
だが覚醒剤を扱うヤクザ浜龍会の魔手は4歳の岩崎の幼い娘美沙にも迫ろうとしていた。
主人公の単独行動が立つ美人のライオン女の活躍はスピィーデー
でいいのだがちょっと無謀すぎる。
どんでん返しの結末は驚きないが展開は面白かった。
2023年4月講談社刊 

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乃南アサ著「家裁調査官・庵原かのん」

2024-07-13 | な行
主人公は恋人を東京に残主人公して罪を犯した少年少女や親たちと面会を繰り返す30代の独身、福岡家裁北九州支部の少年係調査官。少年犯罪、貧困、毒親、虐待、障害・・・様々な理由で問題を起こし、家裁を訪れる少年少女や保護者たち。少年係調査官である庵原かのんの仕事は「臨床の専門家」として、彼らの“声なき声”に耳を傾けること。家庭や学校、社会が抱える問題にぶつかりながら、かのんはどんな人間に対しても諦めず、生きる力を信じて正面から向き合い更生を信じて奔走する6つの連作短編。補導委託先から急にいなくなった少年が、お使いの途中、母に似た人を見つけ追いかけていき、補導委託先に帰ってこない。一緒に暮らした期間も短ければ、愛情に包まれた記憶もないはずなのに、それでも少年は母親を求めて・・・鳥獣保護法違反「野良犬」。父親はペルー人(スペイン語)、母親はフィリッピン(タガログ語)、少年は日本で生まれ日本語しか話せない。そんな状況下で、家庭ではどのようにしてコミュニケーションを取っているのか?暴走族・・・「パパスの祈り」。「我が家の常識は世間の非常識」建造物侵入と遺失物等横領・・・「おとうと」。他に「自転車泥棒」強制わいせつ罪・・・「アスパラガス」売春防止法違反・児童福祉法違反・・・「沈黙」傷害・器物破損・・・「かざぐるま」。虐待や貧困など、事件を起こす少年達は皆、大人の知らないトラウマを抱えて心が歪んでいる。そんな彼ら彼女らに寄り添い、凍った心の内を優しく溶かしていく主人公の奔走ぶりが小気味よい読後感。是非続編を。
2022年8月新潮社刊

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中山七里著「おわかれはモーツァルト」

2024-01-01 | な行
音楽ミステリー”シリーズ!友人のピアニスト・榊場を助けるため、岬洋介が活躍する
 盲目ながらショパン・コンクールで2位に入賞したピアニストの榊場隆平は、クラシック界の話題を独占し人気を集めていた。
しかし、「榊場の盲目は芝居ではないか」と絡んでいたフリーライターが銃殺され、榊場は一転犯人として疑われることに。
そんな友の窮地を救うべく、榊場と同様、ショパン・コンクールのファイナルに名を連ねたあの男がやって来て・・・。
音楽のことは、詳しくないが文章で表現される演奏描写が見事で、
その音楽の解釈に感心した。
ミステリーとしては、登城人物が少ないので意外性もなくちょっと弱い。
2022年1月宝島社刊
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中山七里著「能面検事の死闘」

2023-12-19 | な行
シリーズ第3弾。南海電鉄岸和田駅にて無差別殺人事件が発生。7名を殺害した笹清政市(32)は、その場で捕らえられ自らを"無敵の人"と称するに至る。数日後、大阪地検で送られて来た郵送物が爆発、6名が重軽傷を負った。被疑者〈ロスト・ルサンチマン〉は笹清の釈放を求める声明をだして来た。事件を担当することになった能面検事こと不破俊太郎一級検事は、取り調べ調査の過程で自らも爆破に巻き込まれる・・・。連続爆破事件は止められるのか?〈ロスト・ルサンチマン〉の真の目的は何なのか?棄民と司法の対決が始まる。社会への不満を動機とした無差別残虐殺人とその犯人に対する復讐を行うためのテロと殺人。惣領美晴と不破検事のやり取りは少々マンネリで目障りな感じだが能面を際立たせる為には仕方がないのかと思う。最後のシーンで何事も能面でものに動じない不破検事も悲しい顔を見せる初めてのシーンで人間検事を見た思い。
2023年5月光文社刊 
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中山七里著「殺戮の狂詩曲」

2023-12-17 | な行
「悪魔の弁護人・御子柴礼司弁護士シリーズ、第6弾。高級老人ホームで発生した、令和最悪の凶悪殺人事件。好人物を装っていた介護職員忍野忠泰の心中に渦巻く邪悪。遂に介護施設での大量殺人が起きる。鬼畜・化け物と最低な被疑者として逮捕起訴された忍野への国選弁護として名乗り出た悪評塗れの弁護士・御子柴礼司。負けるとわかって引き受けた御子柴の弁護の胸に秘める驚愕のある企みが・・・。被害者遺族を一件ずつ訪ね歩く御子柴。背後に見え隠れする「先生」の存在、後半意外な事実が明らかになる。現実に起きた事件が頭によぎりながら、生産性のない人間なんて・・・ネット社会の闇とか考えさせられた。

2023年3月刊 

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中山七里著「作家刑事毒島」  

2023-11-18 | な行
毒島シリーズ。殺人事件解決のアドバイスを仰ごうと神保町の書斎を訪れた刑事・高千穂明日香を迎えたのは、流行作家で元刑事、現刑事技能指導員の毒島真理。虫も殺さぬような温和な笑顔の持ち主は、性格の歪んだ皮肉屋だった。捜査過程で浮かび上がってきたのは、巨匠病にかかった新人作家、手段を選ばずヒット作を連発する編集者、ストーカーまがいの熱狂的な読者。ついには毒島本人が容疑者に・・・出版業界の実態や文壇の裏話、ワナビたちの描写が生々しくて面白い。以前読んだ「店長がバカすぎて」とまた違った視点で「ワナビの心理試験」「編集者は偏執者」「賞を獲ってはみたものの」「愛瀆者」「原作とドラマの間には深くて暗い川がある」5話の連作短編風に展開されているブラックユーモア満載の小説です。
2016年8月幻冬舎刊  
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中山七里著「作家刑事毒島の嘲笑」

2023-11-07 | な行
毒島シリーズ第3弾。元警視庁捜査一課刑事が今は作家をしながら週1回技能指導員として事件に関わり続ける・毒島真理。
保守系の刊行物で有名な出版社に、何者かが火を放った。公安一課の淡海奨務は、左翼集団の犯行とみて捜査を開始する。そこで出会ったのは同じく事件を追う作家兼業の名物刑事・毒島真理。虫も殺さぬような風貌とは裏腹に、毒島は容赦ない口撃で犯人を徹底的に追い詰める。淡海はその姿にたじろぎつつも、行動を共にすることに。間もなくネットに公開された「急進革マル派」を名乗る過激派の声明。果たして事件は大量殺人の予兆なのか。左翼のリーダーを探すこととなった公安の淡海と毒島、ブラック企業の自殺者・大学構内の殺人・沖縄辺野古基地へ最後のどんでん返し迄毒島の毒舌が冴え左右の思想に対する描き方には賛同しかねるが「刑事としての勘は抜群、捜査手法は鉄壁」でかつ「皮肉を言わせれば日本一、毒舌に至っては天下一品」のキャラは楽しめる。
2022年7月幻冬舎刊
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中山七里著「毒島刑事最後の事件」

2023-10-28 | な行
毒島シリーズ。
警視庁捜査一課刑事・毒島真理警部補は警視庁随一の検挙率を誇るが、出世には興味がない。犯人を追うことに何よりも生きがいを覚え、仲間内では一を話せば十を返す能弁で煙たがられている。そんな異色の名刑事が、今回も大手町の連続射殺事件、出版社の連続爆破、女性を狙った硫酸かけ事件等を追う。捜査の中で見え隠れする「教授」と呼ばれる人物は一体何者なのか?裏にいる黒幕を炙り出す。現役刑事として最後に手掛けた事件で辞めることのきっかけになった事件だ。操り人形が別の操り人形に操られていたという衝撃の展開は面白かった。2020年7月幻冬舎刊

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