![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/79/4d/cddc3cb94dbd0944cf76e3a706bf356a.jpg)
■『画本厄除け詩集』(パロル舎)
井伏鱒二/著 金井田英津子/画
金井田英津子さん×パロル舎による日本文学のシリーズはこれで全部かな?(もっと出して欲しかった![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/namida.gif)
●夏目漱石『夢十夜』
●萩原朔太郎『猫町』
●内田百間『冥途』
詩集ってことで、毎ページに詩にぴったりな金井田さん独特の昭和世界が広がっていて、これまたうっとりする![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/heart_pink.gif)
旧仮名づかいにフリガナが振ってないものも多くて、想像力逞しく読むと頭使うねv
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/38/ff/df905f1f3e78df823c530228ccf2df79.jpg)
【内容抜粋メモ】
「石地蔵」
風は冷たくて
もうせんから降りだした
大つぶな霰は ぱらぱらと
三角畑のだいこんの葉に降りそそぎ
そこの畦みちに立つ石地蔵は
悲しげに目をとぢ掌をひろげ
家を追い出された子供みたいだ
(よほど寒さうぢやないか)
お前は幾つぶもの霰を掌に受け
お前の耳たぶは凍傷(しもやけ)だらけだ
霰は ぱらぱらと
お前のおでこや肩に散り
お前の一張羅のよだれかけは
もうすつかり濡れてるよ
(ウチの近所にもお地蔵さんが立っていて、冬になると誰かがマフラーを首に巻いてあげている![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/heart_pink.gif)
いつでも、なにかしらお供え物がしてあるし、立ち止まって拝む姿もたびたび見かける。
そんなわたしも、前を通る時はいつも挨拶を(心の中で)している。
あのお地蔵さんを思い浮かべた。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/74/49/7f7a6e2f12a31210a25e03c4edc45b61.jpg)
「寒夜母を思ふ」
(中略)
母者は性来ぐちつぽい
私を横着者だと申さるる
私に山をば愛せと申さるる
土地をば愛せと申さるる
(中略)
祖先を崇めよと申さるる
母者は性来のしわんばう
私に積立貯金せよと申さるる
お祖師様を拝めと申さるる
悲しいかなや母者びと
(昔から母親ってこんなもんなんだなあ![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/face_ase2.gif)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/39/73/043c4869f8092e24227c0ad3cad8ffe3.jpg)
中盤は漢詩の訳詩。昔の文化人は本当にインテリだな。
ラストには、この本のタイトルの“厄除け”の意味が分かる詩がある。
「冬」~「拾遺抄より」
昔の人が云ふことに
詩を書けば風邪を引かぬ
僕はそれを妄信したい
(中略)
今年の寒さは格別だ
寒さが実力を持っている
僕は風邪を引きたくない
おまじなひには詩を書くことだ
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/74/f8/dd7f03c5ba87bccbf4ae0e3fa48b6116.jpg)
井伏鱒二/著 金井田英津子/画
金井田英津子さん×パロル舎による日本文学のシリーズはこれで全部かな?(もっと出して欲しかった
![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/namida.gif)
●夏目漱石『夢十夜』
●萩原朔太郎『猫町』
●内田百間『冥途』
詩集ってことで、毎ページに詩にぴったりな金井田さん独特の昭和世界が広がっていて、これまたうっとりする
![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/heart_pink.gif)
旧仮名づかいにフリガナが振ってないものも多くて、想像力逞しく読むと頭使うねv
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/70/23/c46ba3b651a9de82c7ea1897bdd06f21.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/38/ff/df905f1f3e78df823c530228ccf2df79.jpg)
【内容抜粋メモ】
「石地蔵」
風は冷たくて
もうせんから降りだした
大つぶな霰は ぱらぱらと
三角畑のだいこんの葉に降りそそぎ
そこの畦みちに立つ石地蔵は
悲しげに目をとぢ掌をひろげ
家を追い出された子供みたいだ
(よほど寒さうぢやないか)
お前は幾つぶもの霰を掌に受け
お前の耳たぶは凍傷(しもやけ)だらけだ
霰は ぱらぱらと
お前のおでこや肩に散り
お前の一張羅のよだれかけは
もうすつかり濡れてるよ
(ウチの近所にもお地蔵さんが立っていて、冬になると誰かがマフラーを首に巻いてあげている
![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/heart_pink.gif)
いつでも、なにかしらお供え物がしてあるし、立ち止まって拝む姿もたびたび見かける。
そんなわたしも、前を通る時はいつも挨拶を(心の中で)している。
あのお地蔵さんを思い浮かべた。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/08/13/4180df7bc05b362e16e6cd24b9774b22.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/30/25/bab0bf8c8008e6645d826e6b03550fa0.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/74/49/7f7a6e2f12a31210a25e03c4edc45b61.jpg)
「寒夜母を思ふ」
(中略)
母者は性来ぐちつぽい
私を横着者だと申さるる
私に山をば愛せと申さるる
土地をば愛せと申さるる
(中略)
祖先を崇めよと申さるる
母者は性来のしわんばう
私に積立貯金せよと申さるる
お祖師様を拝めと申さるる
悲しいかなや母者びと
(昔から母親ってこんなもんなんだなあ
![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/face_ase2.gif)
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![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/39/73/043c4869f8092e24227c0ad3cad8ffe3.jpg)
中盤は漢詩の訳詩。昔の文化人は本当にインテリだな。
ラストには、この本のタイトルの“厄除け”の意味が分かる詩がある。
「冬」~「拾遺抄より」
昔の人が云ふことに
詩を書けば風邪を引かぬ
僕はそれを妄信したい
(中略)
今年の寒さは格別だ
寒さが実力を持っている
僕は風邪を引きたくない
おまじなひには詩を書くことだ
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/75/72/664df979f19d9ffe64f60a667a6d7388.jpg)
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![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/74/f8/dd7f03c5ba87bccbf4ae0e3fa48b6116.jpg)