メランコリア

メランコリアの国にようこそ。
ここにあるのはわたしの心象スケッチです。

福音館文庫 S-47 キルディー小屋のアライグマ ラザフォード・モンゴメリ/作 福音館書店

2024-07-21 11:52:40 | 
2006年初版 松永ふみ子/訳 バーバラ・クーニー/画

作家別「バーバラ・クーニー」に追加します


『あらいぐまラスカル』を思わせる話
挿絵は私の大好きなバーバラ・クーニーさんだった
最初、図書館に予約したのは福音館文庫じゃなかったから、これもなにかの縁v



【内容抜粋メモ】

登場人物
ジェローム・キルディー

イッピーの9人
エマ・ルー
父ジョブ、母シリー、長兄アンビー、兄ベン

キャボット家
ドナルド・ロジャー・キャボット








ジェローム・キルディーは1人で山のてっぺんに変わった家を建てて住む
100エーカーの自分の土地にある巨大なアメリカ杉の根本に壁をつくり
山や谷がパノラマのように見えるよう窓を張り
これを石工としての最後の仕事にして、道具を壁に埋めてしまう

アメリカ杉のほら穴にもとから住むアライグマのブッチョウヅラと
家の床下に巣をつくったマダラスカンク
ハツカネズミの夫婦もいっしょに住んでいる









ブッチョウヅラは花嫁を連れてきて、4月には子どもたちが生まれ
ブッチョウヅラは巣から追い出されてしまう







食料戸だなの食べ物や雑貨を巣に運んでいってしまうため
ヒモをさげて、引っ張ると戸が開く仕掛けを作る

ドアには小さな穴を3つ空けて、動物たちが出入りできるようにした



それまで人付き合いを全くしてこなかったジェロームは
9人のイッピー家の1人、エマ・ルーに挨拶してから親しく話すようになる







エマ・ルーはドナルド・ロジャー・キャボットと仲が悪い

マダラスカンクも子どもを産む
エマ・ルーがもってきたイチゴでジェロームがケーキを焼いて食べようという時
ドナルドの愛犬ドーベルマンの勇士号が
ブッチョウヅラの奥さんに噛みついて殺してしまった
エマ・ルーは兄ベンのライフルで撃ってやるといきまく

ブッチョウヅラの奥さんの墓をつくり、墓石を彫るジェローム
チャーマインと名前をつけて、生前そっくりな像を彫り、エマ・ルーは感心する









ジェロームはどんな動物もペットにしないという考えで
狩猟で暮らしをたてているイッピー家とは正反対

ドナルドもジェロームの家を訪ね、アライグマの弁償をしたいというが断わる
エマ・ルーが来て、ドナルドは慌ててベッド下に隠れる








勇士号はとうさんスカンクにちょっかいを出して、ものすごい悪臭の一発を喰らう
家にも悪臭がついて、しばらく外でキャンプ生活を強いられるジェローム
勇士号は脱臭のために犬猫病院に送られ、帰ってからも柵に閉じこめられた(そんなに!?

アライグマの子どもたちがそれぞれお嫁さんを連れてくる
このままだと1年で100匹以上に増えるのではないかと心配になる










エマ・ルーは帰宅途中、クーガ(アメリカライオン)が黒尾ジカの母を襲うのを見る
用心深いため、エマ・ルーを見て逃げてしまう
子ジカを見つけて、ジェロームの家に連れて来る








アライグマ9匹、スカンク7匹に子ジカが加わる
エマ・ルーは毎日ミルクをあげ、家で出るシカ肉料理を食べなくなる
家の裏に囲いをつくって、子ジカを入れる







エマ・ルーはスカンクを円筒に立たせて、おじぎをさせたりする芸を教えこむ







エマ・ルーが毎日ジェロームの家に遊びに行くため、心配になった兄ベンも家を訪ねる
ベン:スカンクなんかくだらないもんだと思ってた

エマ・ルーは子ジカにモナーク(大王)と名付ける

ドナルドはエマ・ルーへの仕返しに、狩猟監視官のジム・ヒンクルに電話をかけた
ヒンクルはジェロームの家に来て、野生のシカを飼うのは規則違反で
出頭して罰金を払わなければいけないと教える







エマ・ルーは子ジカを保護しなければ、クーガに襲われるところだったと説明し
クーガが母シカを食べた跡と足跡を見せると
罰金はなしになり、代わりに囲いの門は開けておくよう言われる

ジェロームの彫刻に感心して、飼い犬のスコッチ犬を彫ってほしいと頼むヒンクル
モナークには網戸式のドアをつけてあげる



1滴の雨も降らない乾季が終わり、雨季が始まる
エマ・ルーへのクリスマスプレゼントは何がいいか聞きだそうにもうまくいかない

秋の新学期が始まり、1つしかない教室で毎日ケンカするエマ・ルーとドナルド

ジェロームの家でクリスマスパーティーを開くためツリーを飾りつけていると
好奇心旺盛なアライグマはキラキラの飾り物に大興奮するw







雨でグシャグシャの山道を4キロも登って
小さな小屋いっぱいにイッピー家がやって来て、ごちそうを並べる
パイ、ケーキ、クッキー、冷肉、果物の瓶詰などはあっという間にたいらげられた

エマ・ルーはみんなの前でスカンクの芸を見せる
一家はジェロームの家が気に入り、今度はイッピー家にも来てくれと誘う



すごい嵐が来て、丈夫なアメリカ杉が揺れる

雨の季節も過ぎて、春が来る
アライグマは25匹、スカンクは30匹になる!
家の中でいつ大ごとになるか分からず、眠れない夜が続くジェローム

ジェロームはスカンクとアライグマ家族をひきあわせる夜に
ドナルドとエマ・ルーを別々に家に招待する

家で鉢合わせた2人はアライグマにエサをやるのが楽しくて
しばし犬猿の仲を忘れる

ドナルドは父がとっているスポーツ雑誌に
アライグマとスカンクを譲りますという広告を出した
狩猟クラブ、飼育場の申し込みは断り、申し込み者は調査する条件

エマ・ルーはスカンクの芸を見せ、2人は仲良く夜道を帰る

その後、ドナルドが来て、マダラスカンクは絶滅危惧種で
10以上の動物園や別荘でもらい手がついたと話す

ジェロームはブッチョウヅラとスカンク夫婦を残して
全員送ることにする










訳者あとがき
動物を主人公とした物語で、擬人化した動物たちの冒険話と
動物の生き方をそのまま見つめる話とがある

キルディーと動物たちの付き合い方は実に淡々としていて
互いに着かず離れず、微妙な一線を越えずに細く長く続く隣人関係にある

モンゴメリは数えきれないほどたくさんの動物の物語を書いた
『マイクじいさんの湖』
『三びきの子グマの話』
『ビーバーの湖』
『山の男』
など

さりげなく動物を守り、保護者ではなく親しい友人でいたいという著者の願いがある


ラザフォード・モンゴメリ
1894年 カナダ生まれ
法律家になったこともあるが、作家になり
子ども時代を過ごした山での動物たちを主人公に
たくさんの物語を書いた 1985年没

















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