1973年初版 1985年20刷 1990年改装1刷
岡上鈴江/編訳 高田美苗/カバーデザイン 斎藤寿夫/カバー絵・口絵・挿絵
※「ジュヴェナイルまとめ」カテゴリー内に追加します
本作を知ったのはオペラだと思うけど
ウィキを観たら椿姫の名前はヴィオレッタだった
♪乾杯の歌 は華やかな歌で好き
ブログ内検索をしてみたら、グレタ・スカッキが主演の映画もあった
『椿姫』(1984)
児童書だからか彼女が娼婦という記述はないが
コーティザン(高級娼婦)というと、日本の花魁みたいなイメージがする
若い男女が身分や金銭的な理由で引き裂かれる『ロミジュリ』的な悲劇ものは
いつの時代も涙を誘う
【内容抜粋メモ】
登場人物
マルグリット
ナニーヌ 召使い
アルマン
アンドレ アルマンの父 税務署長
プリュダンス
ローランド公爵
椿姫として有名だったマルグリット・ゴーチェが亡くなり
アンタン街の屋敷では高価な宝石などがせり売りされている
マルグリットは小さい頃に両親を亡くし、貧しい農家の娘だったが
7年前に家を出て、貴族や金持ちと遊んでお金を得て暮らしていた
15万フランもの借金をつくり
今回のせり売りで返して、残りは田舎に住む妹に渡る
興味をもった“私”は『マノン・レスコー』の本を100フランで手に入れ
中に“マノンをマルグリットに贈る アルマン・デュバール”というメモを見る
*
私の元にアルマンがやって来て、涙ながらにこの本を譲ってほしいと頼む
友人に椿姫について聞くと、ひと月のうち25日は白い椿
あとの5日は赤い椿の花を持っていたことから
椿姫と呼ばれるようになったという
葬られたモンマルトルの墓地を訪ねると
墓守はアルマンからお墓に椿の花を絶やさないよう言われていると聞く
マルグリットの墓を白い目で見る人がいて、もっと広い場所に移すため
アルマンはマルグリットの妹に許可を求めに出かけた
*
アルマンはマルグリットが死んだとは信じがたくて
警察に立ち会ってもらって確かめると
かつては美しかった顔はすでになかった
アルマンはショックで倒れて寝込み、私が看病すると落ち着き
これまでの物語を語る
故郷のルーアンからパリに出て、法律の勉強をしていたアルマンは
馬車から降りた美しいマルグリットをひと目見て愛してしまう
後日、友人エルネストに誘われてオペラを観に行くと
マルグリットがいて、紹介してもらうが笑われる
友人ガストンからマルグリットは前から胸の病気を患っていて
血を吐いたと聞いて、心配し
門番に聞くと温泉地で有名なバニェールに保養に出かけたという
イギリスの貴族ローランド公爵はマルグリットを見て
死んだ娘にそっくりなので驚き、父と呼んでほしいと頼む
それから2人は連れ添って出かけるようになる
知り合いの紳士からマルグリットが卑しい女だと聞いて
真面目な暮らしをするなら公爵家に入ってほしいと言い聞かせる
マルグリットの隣りに住むプリュダンスも若い頃は遊び暮らしていたが
今は40を過ぎ、小さな婦人帽子店を営んでいる
プリュダンス:
親子の縁を結んだなら、どうして屋敷で一緒に暮らさないのさ
跡継ぎにするなんてウソに決まってる
公爵とマルグリットの噂はパリ中に広がり
もう会えないと謝る公爵
マルグリットは再び椿姫に戻る
ガストンとアルマンが屋敷を訪ねると
クレール伯爵の相手に退屈したマルグリットは
伯爵を帰らせて、2人を招き入れる
ガストンのピアノに合わせて2人で踊り
シャンペンを何杯も煽ったマルグリットは激しく咳き込み、トイレで血を吐いている
アルマンは体を大事にして、こんな生活は止めて欲しいと泣いて頼む
アルマン:自分の妹だと思って面倒をみますよ
公爵は寂しさのあまり、マルグリットにまた時々会ってほしいと請う
プリュダンスはアルマンは貧しい学生だというが
マルグリット:私は好きな人と暮らせればお金などなくてもいい
プリュダンス:
マルグリットはあんたのことが好きになったらしい
でもずいぶん贅沢な暮らしをしてきたから、少しの収入じゃ足らない
あんまり深入りしないほうがいい
アルマンと会う約束があったのに病気で断り
公爵とオペラ座で観劇していたことを知り
裏切られたと思ったアルマンは田舎に帰ろうと思うと手紙を出す
プリュダンス:
公爵が亡き娘を思って親子のような付き合いをしている
公爵の娘になれば、あんたとの結婚を父から反対されないだろうと思ったから
アルマンは誤解を詫びる手紙を出すと
マルグリットとプリュダンスが屋敷に訪ねて来る
マルグリット:この広い世界に私のことを心から悲しんでくれたのはあなた一人
アルマンはマルグリットを毎日散歩に誘い、芝居に出かけるより
『マノン・レスコー』を読むことをすすめる
マルグリットは自分に似た境遇の物語に夢中で読みふける
プリュダンスに聞いて、ブージバルの「あけぼの」という宿に泊まり
健康で愛に満ちた日々を送る
アルマンは父からの送金年5000フランでつましく暮らしているが
宿屋の家賃は月2000フラン
マルグリットは公爵にアルマンと別れるよう言われる
その後、手紙が来るたびに沈んだ様子のマルグリット
馬車もたくさんの宝石もなくなっていることに気づく
プリュダンス:
公爵が玄関払いした話が商人の間で噂になったため
マルグリットは借金が3万フランあり
大事なものは全部質に入れたり売ってしまった
あの人がその気になれば、3万フランくらい出す紳士はいくらでもいる
アルマンは怒って、2か月以内に借金を返すと約束し
亡き母の遺産を預かる公証人を訪ねて、マルグリットに譲る手続きをする
父アンドレ:
お前が卑しい女と暮らしていることはルーアンまで知られ笑いものになっている
妹の結婚もダメになるかもしれん
お前はその女に騙されているんだ
わしと一緒にルーアンに帰るんだ
アルマンはマルグリットから言われて
再び父を説得しにパリに出向いている間
アンドレはマルグリットと会う
マルグリットが娘ブランシュにそっくりで驚き、アルマンが夢中になる気持ちも分かるが
母の遺産を引き出し、家名を傷つけることは許さない
娘の結婚もダメになるから別れて欲しいと必死に説得する
マルグリットはアルマンの名誉と将来のために身を引く決心をする
アルマンが宿に戻るとマルグリットはパリに発った後
『マノン・レスコー』の本には涙のあとがある
心配になり、雨の中、パリまで2時間も歩いてアンタン街の屋敷に行くと
門番に預けたアルマン宛ての手紙に、もう会わないと書いてある
アルマンは父と実家に帰る
妹がマルグリットにそっくりで驚く
1か月経ってもマルグリットを忘れられず、公爵と連れ歩いているのを見て
あてつけにオランプを連れて歩くアルマン
アルマン:僕たち、なにもかも忘れてやり直そう
マルグリット:私はもうあなたの幸せのお役に立てないんです
マルグリットがイギリスに発ったと聞いて
アルマンは父の友人についてエジプトへ旅立つ
知人からマルグリットの具合がとても悪いと聞いてお見舞いの手紙を書く
マルグリットは健康を崩し、次第に人から忘れられ
友だちのジュリー・デュプラだけが付き添っている
アンドレは知人に頼んでマルグリットへのお詫びにたくさんのお金を送るが
役人が家具などに赤紙を貼って差し押さえる
アルマンからの手紙をもらい、別れの返信を書く
パリに帰ったら、ジュリーが私の日記を渡すでしょう
そこにどうして別れねばならなかったか書いてあります
私が死んだ後、家財の競売があったらいらして
『マノン・レスコー』を買ってください
私の涙がしみこんでいるので他人には渡したくないのです
マルグリットは神父に懺悔して、アルマンの名を二度呼ぶと短い生涯を閉じた
■解説
アレクサンドル・デュマ・フィス
1824年パリ生まれ 71歳で死去
父アレクサンドル・デュマ・ペールは『三銃士』『モンテ・クリスト伯』を書いた小説家・劇作家
フィスは、ベルギー生まれの女性との間に生まれた私生児で
後に父から息子として認められたが、「息子の書くものはお説教が多すぎる」と言われた
フィス:
あらゆる文学は、道徳化のために、理想のために
ひと言でいえば人生に役立つために存在するものである
本書のマルグリットは、当時パリの社交界の花と言われた
マリー・デュプレシーという実在の女性がモデル
デュマ24歳の時の作品で、好評となり、ヴェルディが本作をもとに
『ラ・トラビアータ』というオペラを発表し、さらに有名になった
岡上鈴江/編訳 高田美苗/カバーデザイン 斎藤寿夫/カバー絵・口絵・挿絵
※「ジュヴェナイルまとめ」カテゴリー内に追加します
本作を知ったのはオペラだと思うけど
ウィキを観たら椿姫の名前はヴィオレッタだった
♪乾杯の歌 は華やかな歌で好き
ブログ内検索をしてみたら、グレタ・スカッキが主演の映画もあった
『椿姫』(1984)
児童書だからか彼女が娼婦という記述はないが
コーティザン(高級娼婦)というと、日本の花魁みたいなイメージがする
若い男女が身分や金銭的な理由で引き裂かれる『ロミジュリ』的な悲劇ものは
いつの時代も涙を誘う
【内容抜粋メモ】
登場人物
マルグリット
ナニーヌ 召使い
アルマン
アンドレ アルマンの父 税務署長
プリュダンス
ローランド公爵
椿姫として有名だったマルグリット・ゴーチェが亡くなり
アンタン街の屋敷では高価な宝石などがせり売りされている
マルグリットは小さい頃に両親を亡くし、貧しい農家の娘だったが
7年前に家を出て、貴族や金持ちと遊んでお金を得て暮らしていた
15万フランもの借金をつくり
今回のせり売りで返して、残りは田舎に住む妹に渡る
興味をもった“私”は『マノン・レスコー』の本を100フランで手に入れ
中に“マノンをマルグリットに贈る アルマン・デュバール”というメモを見る
*
私の元にアルマンがやって来て、涙ながらにこの本を譲ってほしいと頼む
友人に椿姫について聞くと、ひと月のうち25日は白い椿
あとの5日は赤い椿の花を持っていたことから
椿姫と呼ばれるようになったという
葬られたモンマルトルの墓地を訪ねると
墓守はアルマンからお墓に椿の花を絶やさないよう言われていると聞く
マルグリットの墓を白い目で見る人がいて、もっと広い場所に移すため
アルマンはマルグリットの妹に許可を求めに出かけた
*
アルマンはマルグリットが死んだとは信じがたくて
警察に立ち会ってもらって確かめると
かつては美しかった顔はすでになかった
アルマンはショックで倒れて寝込み、私が看病すると落ち着き
これまでの物語を語る
故郷のルーアンからパリに出て、法律の勉強をしていたアルマンは
馬車から降りた美しいマルグリットをひと目見て愛してしまう
後日、友人エルネストに誘われてオペラを観に行くと
マルグリットがいて、紹介してもらうが笑われる
友人ガストンからマルグリットは前から胸の病気を患っていて
血を吐いたと聞いて、心配し
門番に聞くと温泉地で有名なバニェールに保養に出かけたという
イギリスの貴族ローランド公爵はマルグリットを見て
死んだ娘にそっくりなので驚き、父と呼んでほしいと頼む
それから2人は連れ添って出かけるようになる
知り合いの紳士からマルグリットが卑しい女だと聞いて
真面目な暮らしをするなら公爵家に入ってほしいと言い聞かせる
マルグリットの隣りに住むプリュダンスも若い頃は遊び暮らしていたが
今は40を過ぎ、小さな婦人帽子店を営んでいる
プリュダンス:
親子の縁を結んだなら、どうして屋敷で一緒に暮らさないのさ
跡継ぎにするなんてウソに決まってる
公爵とマルグリットの噂はパリ中に広がり
もう会えないと謝る公爵
マルグリットは再び椿姫に戻る
ガストンとアルマンが屋敷を訪ねると
クレール伯爵の相手に退屈したマルグリットは
伯爵を帰らせて、2人を招き入れる
ガストンのピアノに合わせて2人で踊り
シャンペンを何杯も煽ったマルグリットは激しく咳き込み、トイレで血を吐いている
アルマンは体を大事にして、こんな生活は止めて欲しいと泣いて頼む
アルマン:自分の妹だと思って面倒をみますよ
公爵は寂しさのあまり、マルグリットにまた時々会ってほしいと請う
プリュダンスはアルマンは貧しい学生だというが
マルグリット:私は好きな人と暮らせればお金などなくてもいい
プリュダンス:
マルグリットはあんたのことが好きになったらしい
でもずいぶん贅沢な暮らしをしてきたから、少しの収入じゃ足らない
あんまり深入りしないほうがいい
アルマンと会う約束があったのに病気で断り
公爵とオペラ座で観劇していたことを知り
裏切られたと思ったアルマンは田舎に帰ろうと思うと手紙を出す
プリュダンス:
公爵が亡き娘を思って親子のような付き合いをしている
公爵の娘になれば、あんたとの結婚を父から反対されないだろうと思ったから
アルマンは誤解を詫びる手紙を出すと
マルグリットとプリュダンスが屋敷に訪ねて来る
マルグリット:この広い世界に私のことを心から悲しんでくれたのはあなた一人
アルマンはマルグリットを毎日散歩に誘い、芝居に出かけるより
『マノン・レスコー』を読むことをすすめる
マルグリットは自分に似た境遇の物語に夢中で読みふける
プリュダンスに聞いて、ブージバルの「あけぼの」という宿に泊まり
健康で愛に満ちた日々を送る
アルマンは父からの送金年5000フランでつましく暮らしているが
宿屋の家賃は月2000フラン
マルグリットは公爵にアルマンと別れるよう言われる
その後、手紙が来るたびに沈んだ様子のマルグリット
馬車もたくさんの宝石もなくなっていることに気づく
プリュダンス:
公爵が玄関払いした話が商人の間で噂になったため
マルグリットは借金が3万フランあり
大事なものは全部質に入れたり売ってしまった
あの人がその気になれば、3万フランくらい出す紳士はいくらでもいる
アルマンは怒って、2か月以内に借金を返すと約束し
亡き母の遺産を預かる公証人を訪ねて、マルグリットに譲る手続きをする
父アンドレ:
お前が卑しい女と暮らしていることはルーアンまで知られ笑いものになっている
妹の結婚もダメになるかもしれん
お前はその女に騙されているんだ
わしと一緒にルーアンに帰るんだ
アルマンはマルグリットから言われて
再び父を説得しにパリに出向いている間
アンドレはマルグリットと会う
マルグリットが娘ブランシュにそっくりで驚き、アルマンが夢中になる気持ちも分かるが
母の遺産を引き出し、家名を傷つけることは許さない
娘の結婚もダメになるから別れて欲しいと必死に説得する
マルグリットはアルマンの名誉と将来のために身を引く決心をする
アルマンが宿に戻るとマルグリットはパリに発った後
『マノン・レスコー』の本には涙のあとがある
心配になり、雨の中、パリまで2時間も歩いてアンタン街の屋敷に行くと
門番に預けたアルマン宛ての手紙に、もう会わないと書いてある
アルマンは父と実家に帰る
妹がマルグリットにそっくりで驚く
1か月経ってもマルグリットを忘れられず、公爵と連れ歩いているのを見て
あてつけにオランプを連れて歩くアルマン
アルマン:僕たち、なにもかも忘れてやり直そう
マルグリット:私はもうあなたの幸せのお役に立てないんです
マルグリットがイギリスに発ったと聞いて
アルマンは父の友人についてエジプトへ旅立つ
知人からマルグリットの具合がとても悪いと聞いてお見舞いの手紙を書く
マルグリットは健康を崩し、次第に人から忘れられ
友だちのジュリー・デュプラだけが付き添っている
アンドレは知人に頼んでマルグリットへのお詫びにたくさんのお金を送るが
役人が家具などに赤紙を貼って差し押さえる
アルマンからの手紙をもらい、別れの返信を書く
パリに帰ったら、ジュリーが私の日記を渡すでしょう
そこにどうして別れねばならなかったか書いてあります
私が死んだ後、家財の競売があったらいらして
『マノン・レスコー』を買ってください
私の涙がしみこんでいるので他人には渡したくないのです
マルグリットは神父に懺悔して、アルマンの名を二度呼ぶと短い生涯を閉じた
■解説
アレクサンドル・デュマ・フィス
1824年パリ生まれ 71歳で死去
父アレクサンドル・デュマ・ペールは『三銃士』『モンテ・クリスト伯』を書いた小説家・劇作家
フィスは、ベルギー生まれの女性との間に生まれた私生児で
後に父から息子として認められたが、「息子の書くものはお説教が多すぎる」と言われた
フィス:
あらゆる文学は、道徳化のために、理想のために
ひと言でいえば人生に役立つために存在するものである
本書のマルグリットは、当時パリの社交界の花と言われた
マリー・デュプレシーという実在の女性がモデル
デュマ24歳の時の作品で、好評となり、ヴェルディが本作をもとに
『ラ・トラビアータ』というオペラを発表し、さらに有名になった