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貧困の多数派に歯止めを!

2012年01月09日 | 雲の日記
 皆さ~ん、おはようございま~す!^^

我が家は青空が広がっているのに凄く寒いです。一年で一番寒い1月~2月なんですから仕方ないのですが、仕事もなく、お金もない人達はどうしているのだろうかと心配になります。

少し前ならマスコミが『年越し派遣村』などを通して状況を報道してくれていましたが、今はそれもない。情報のないことは『無い』ことと同じになります。社会から忘れ去られてしまった人たちになります。残念ながら、彼らに自ら発信する余力は残っていないだろう。ますます彼らは忘れ去られていく。

そんな彼らのことが1月8日の朝日新聞のインタビュー記事に載っていました。
表題は『貧困の多数派 歯止めを』(経済評論家 内橋克人さん)です。久しぶりに良い記事なので多くの人がお読みになったと思いますが、私も感想を書きます。インタビュー記事の始まりは、こんな質問から始まりました。

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 現代日本の問題点はどこにありますか。
『日本社会でも新たな階層が生まれてきている。国民皆年金など基礎的な社会保障からさえも排除された人たちが多数派となる『貧困マジョリティー』だ。グローバル化やマネー資本主義が進み、非正規雇用が増えて中間層が崩壊する社会の到来は、危険な時代への予兆ではないか』

 貧困マジョリティーの特徴とは。
『米国をはじめ国内外の最強の秩序形成者に抵抗する力もなく、生活に追われて政治的な難題に真正面から対峙するゆとりもない。同時に精神のバランスを維持するために『うっぷん晴らし政治』を渇望する。政治の混乱を面白がり、自虐的に、極めて反射的に、表面的に評価して、選挙権を行使する。大阪市の橋下徹市長の『ハシズム現象』も貧困マジョリティーの心情的瞬発力に支えられている面が大きい。『地方公務員は特別待遇を受けている』とバッシングし、閉塞状況下の欲求不満に応えていくやり方だ』

 政治に対する閉塞感が国民の方向性を誤らせるということですか。
『『政治のリーダーシップ』と言われるが、民主政治を基礎とする国でのヒーロー待望論ほど異常なものはない。日本古来の『頂点同調主義』に加え、異議を唱える者を排除する『熱狂的等質化現象』が一体となる。『うっぷん晴らし政治』の渇望を満たそうとすれば、1930年代の政治が繰り返される。グローバリズムが生み出した『貧困ファシズム』の培地となりかねない。』

-----------------------------------------------------------(1月8日朝日新聞)

★★貧困マジョリティー:貧困の多数派
★★マネー資本主義:『NHKスペシャル』における2009年の企画名である。労働者を雇用して、物をつくるためにお金を使うのではなくて、お金そのものを商品にし、通貨の取引、株や債権の取引で莫大な富を得る仕組み。新自由主義の元で規制緩和された投機マネーは実体経済をはるかに上回る規模で膨らんでいる。世界の外国為替の取引は世界の輸出入総量の132倍(2007年)にもなっています。

貧困が齎す弊害は大きいと思います。貧困と閉塞した社会の中では『戦争が希望』という若者たちが出て来る。朝日新聞社 「論座 2007年1月号」(赤木智弘 31歳フリーター)の話です。赤木氏はこの話の反論に対して、こう答えています。

(引用始まり)
...
「社会と戦え!」「もっと考えろ!」と言われるが、私は社会から逃げているつもりはないし、考えを放棄するつもりもない。私は社会と戦いたいし、もっと考えたい。
 しかし、いまのままでは、問題を考えようにも単純労働や社会の無理解に疲れ果て、酒やテレビなどの一時的な娯楽に身をゆだねるしかない。
 考える時間を得るためには、生活に対する精神的な余裕や、生活のためのお金がなによりも必要不可欠であり、それを十分に得られて初めて「考える」という行為をすることができる。
 そうした人間が、考えて活動するための「土台」を整備することこそ、私に反論する方々の「責任」ではないだろうか。
(引用終わり) (朝日新聞社 「論座 2007年6月号」より)

2004年の(小泉政権時)製造業の派遣が解禁になり、多くの正社員が派遣に変わった。徹底した低賃金と劣悪な労働環境の中でワーキングプアが急速に増え出した時期です。『ワーキングプア』..横文字にすると悲惨さが中和されるのだろうか? 『働いても貧困な人たち』は声を上げていたのです。『何とかしてくれ!』と..

彼らを自己責任として突き放すことも出来るだろう。しかし、その結果が今の日本社会です。貧困マジョリティーの拡大は日本社会を危険な方向へと向かわせるだけの影響力を持ってきている。一部の若者の叫びだった『貧困』は、社会の中心部分へと拡大しているのです。

朝日新聞の記事は続きます。

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 政治課題は山積しています。
『いまの政党政治は一挙に崩れる瀬戸際にある。今年は多くの国で政権交代が起き、政治的に極めて流動化する。グローバル化の流れは変わらず、市場原理主義のもとで、貧困マジョリティーを生み出す『貧困の装置化』が進んでいる。消費税増税によって、零細企業や地域経済を支えてきた地場産業は、価格転嫁出来ずにコスト引き下げを迫られる。所得税なら稼いだ人がたくさん納めるが、日本型消費税は貧困マジョリティを増幅させる『貧困の装置化』の手段になる』

-----------------------------------------------------------(1月8日朝日新聞)

日本の消費税は食料品や日用品を除外していない。ギリギリの生活をしている国民からも平等?に徴収出来る税制度です。タップリ余力のある収入の人も生活ギリギリの収入の人も同じ税率の消費税は、本当に平等だと思いますか?

だから私は消費税増税に反対なんです。


さて..記事で内橋氏は『貧困の装置化』になるものを消費税以外に、もう一つ話しています。
それが今、話題になっているTPP(環太平洋経済連携協定)です。

日本がTPPに加入すれば、外資は日本政府を米国の経済法廷に訴えることができるようになる。米企業はオーストラリアでの医薬品への公的補助でさえ『自由市場に反する』と問題視しています。

また米国は日本の国民皆保険制度を目の敵にしている。これはどんなに貧富の差があっても病気になったら医師にかかれる制度で国民的財産・社会的共通資本です。これを崩壊させれば、一部企業の大きなビジネスチャンスとなる。国民皆保険制度が崩壊すれば、収入の少ない人たちに大きな打撃となることは間違いないと私は思います。

最後に内橋氏は『日本の政治は何を目指せばいいですか』という質問に答えています。

新たな基幹産業として『FEC自給圏』を提唱しています。FECとは...

F・・・Foods (食糧)  日本の食糧自給率は世界で124番目ですが食糧自給は国の自立条件であり、それを進めることは新たな産業も形成する。

E・・・Energy (エネルギー)  日本では国策として原発を選択した。しかし、再生可能エネルギーとしてデンマークでは風力・太陽熱による発電を推進してエネルギー自給率は今では200%近くになっている。 

C・・・Care (介護)  介護を市場に任せるのではなく、社会による介護自給圏を形成すれば北欧諸国のように強力な産業になる。


『うっぷん晴らし政治』ではなく、世界のモデルに目を向け、食糧、介護、エネルギーの自給圏を志向すべきだ。..と言っています。

その為には私達国民が貧困に喘ぎ、『米国をはじめ国内外の最強の秩序形成者に抵抗する力もなく、生活に追われて政治的な難題に真正面から対峙するゆとりもない』状態にならない前に決断しなければならないだろうと思います。

そうでなければ、気が付いた時には『取り返しのつかない』社会に日本がなっているからです。



だから私は消費税増税に反対します。












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