ときめ句ノスタルジッ句昭和親父の温故知新

思うままに、俳句と唄を、昭和の匂いをぷんぷんさせて。

冴え返る胡粉溶きゆく畳の間

2020-02-18 | 春の俳句
     


     冴え返り入院食のうどんのぶ


     


     冴え返るリストバンドのバーコード


     


     相部屋も一人となりて冴え返る


     病室の仕切るカーテン冴え返る


     出がらしの薄き紅茶や冴え返る


     引染の伸子の張りや冴え返る


     反物を外れし伸子冴え返る


     糸目糊引く筒先や冴え返る


     冴え返る暴れてゐたるピロリ菌


     摘まみたる妻の耳たぶ冴え返る


     鱗そぐ出刃包丁や冴え返る


     一つずつ釦のずれて冴え返る


     冴え返り朝の紅茶の香り立つ