ときめ句ノスタルジッ句昭和親父の温故知新

思うままに、俳句と唄を、昭和の匂いをぷんぷんさせて。

老い覚え山茱萸の実を採取かな

2019-10-25 | 老いの俳句
     


     日に朱の透けて艶めく秋珊瑚


     


     齧りみる山茱萸の実の渋味かな


     山茱萸の実を採取する根気かな


     山茱萸の実を四つ五つ齧りけり


     山茱萸の実や頻尿のそろそろと


     


     風と陽に磨かれてゆく秋珊瑚


     山茱萸の実だけ残りて日の照りぬ



柔らかくて甘そうに見えますが、そうではありません。けっこう渋いです。が、身体に良いです。ちっとも美味しくはないけどそのまま食べれます。昔から漢方薬に使われているようです。腰痛、高血圧、老人のかすみ目、糖尿病、利尿、頻尿、滋養強壮、抗アレルギーなど。採取するのが面倒くさいけど、根気よく集めて洗って乾かして焼酎に漬けたことがあります。美味しくはないけど薬と思って。気が向いたら今年も着けてみようと思っています。




雄々しきや色変えぬ松の根上がり

2019-10-24 | 昭和の親父
     


     色変えぬ松や青空従えて


     


     色変えぬ松や地をつかむ走り根


     昇りゆく龍のごと色変えぬ松


     


     色変えぬ松寂として囲碁の音


     色変えぬ松や昭和を振り返る


     色変えぬ松や男村田英雄



上沼恵美子がラジオで村田英雄のことを話してるのを聴いたことがあります。テレビのまんま、実にサバサバと男らしかったと。



コロボックルの現はれさうな茸かな

2019-10-23 | 俳句
     


     茸は何かのアンテナかもしれぬ


     


     いざなふやこっちこっちと毒きのこ


     


     滑って尻もちつく茸狩かな


     


     晩酌を楽しみにして茸とり


     たくらみの地球征服毒きのこ


     


     魔法使ひの現はるやうな茸かな


     松茸を二俵担ぎし昔かな


少し若い頃、十津川の年配の知人と、十津川へ松茸とりに行ったことがあります。この人は僕と違ってホラを吹く人ではありません。米俵にいっぱいの松茸を、天秤棒で前と後ろにして山を下りたことがあるそうです。昔はそれだけ十津川で松茸が採れていたんですね。


     晩酌の笑ひ止まらぬ茸かな


笑い茸を食べると、ほんとに笑ったりするようです。苦しいらしいようですが。幻覚症状が出るのでしょうか。怒ったり歌ったりスッポンポンになったりも。翌日は二日酔いみたいな症状とか。




逍遥の白のいざなふ秋暖簾

2019-10-22 | 恋の句
     


     逍遥の白のいざなふ秋のれん


     秋暖簾ひるがへりたる片想ひ


     恋心さっと躱され秋のれん


     


     隙間より覗く昭和や秋暖簾


 写真の暖簾は麻の生地だと思いますが。「秋暖簾」で詠みたかったんです。


   


     くぐりゆく昭和の町や秋のれん