ときめ句ノスタルジッ句昭和親父の温故知新

思うままに、俳句と唄を、昭和の匂いをぷんぷんさせて。

恋猫の足ふはふはと地につかず

2020-03-02 | 猫の俳句
     


     恋猫のにふねんに舐む身だしなみ


     つやつやと毛並みの笑ふ春の猫


     嫌はれても嫌はれても通ふ猫


     浮かれ猫手を叩く音に気づき逃ぐ


     公園を闊歩してゆく浮かれ猫



オス猫とメス猫と、もう周りが見えない状態にべったりくっつき寄り添って歩いてるのを見かけたことがあります。
「あニャたァ~ン」
「ニャにさァ~ン」
と言ってる感じでした。
もう僕が立ってる傍まで来てるのに気づかずにデレデレ足がもつれるように頭くっつけて。
それで、手をパチンと叩いて気づかせたのです。
慌てて植え込みに逃げて行きました。




     


     どこか遠い目をしてゐる猫の夫




このノラの正面の顏はオソロシイ顔してました。以前のオソロシイのとは違います。前に出会った、繋がれてた猫はタタリでもありそうな怖さでしたが、この猫は幾多の危険を乗り越えて来たような、何者も寄せ付けない非情な、額に痛ましい傷痕がありました。その鋭い眼光はゴルゴ13そっくりでした。遠くから「たっしゃでニャア」と声かけて去りました。知らん顔して一心に池の鴨を見つめていました。


落葉の物語

2019-11-12 | 猫の俳句
     


     走り根も覆ひゆきたる落葉かな


     


     参道の踏みゆく桜落葉かな


     参道の桜落葉や石畳


     


     野良猫の落葉を友に眠りゆく


     野良猫の潜る落葉のふとんかな


俳句をまだやってない時のこと。日和も良くて、散歩の足を伸ばしてぶらぶらと、人も来ない藪のある荒れた叢の野の花を見てた時のことです。
ゴソゴソと落葉が盛り上がったかと思ったら見覚えのある野良猫が飛び出して来てそのまま体に落葉を付けたまま慌てて逃げて行ってしまいました。近所でもワル猫で通ってるドラ猫です。めったに人が来ない所なので安心して塒にしていたのかもしれません。嫌われ者のドラ猫でもこの時はちょっと済まない気持ちになりました。



     


     落葉踏む野良ねこ音を立てず行く



     


     降り敷く落葉とベンチの物語




冬隣

2019-11-06 | 猫の俳句
     


     湯の蓋に猫の腹這ふ冬隣


     


     


     雄猫の振られてしょ気る冬隣


     
うまくいかニャいね。




冬隣

2019-11-01 | 猫の俳句
     


     物憂げに猫すどほりす冬隣


     


     振り向いてもくれぬ猫や冬隣




どこへ行くのか声をかけても知らん顔で、振り向いてもくれずに、ゆっくりとしたそれでいて目的のある目と足どりでどこかへ行ってしまいました。どこへ行ったんだろニャア。