ときめ句ノスタルジッ句昭和親父の温故知新

思うままに、俳句と唄を、昭和の匂いをぷんぷんさせて。

捨て猫の暮るるベンチや秋あはれ

2019-09-30 | 猫の俳句
     



     捨てられしベンチの猫の秋思かな



     



     日時計で主待つ猫の秋思かな




僕が見たのは、この公園に捨てられてまだ数日だったと思います。
この場所は公園に来た人が大勢通る場所です。のら猫になってしまった猫なら避ける場所です。警戒心を身につけて隠れた場所にいます。
なのに、何故こんな場所にいるのか。それはここが、そんな他ののら猫に追われて見つけた安全な場所だったのかもしれません。人には全く警戒しませんでした。それだけ日が浅いということです。
これからどうしたらいいんだろうみたいな、不安気な顔です。とても力なく淋し気です。お腹を空かしてるはずなのに鳴くことをしません。そりゃ、飼い主から捨てられたのだもの。相当なショックだったのでしょう。
気になったところで僕にはどうしてやることもできません。
それでも気になり、帰る前にもう一度ここへ戻って来ました。
すると、30歳くらいの優しそうな男の人が、膝に乗せて撫でていました。猫は甘えるでなくじっとおとなしく抱かれていました。

その後、幾度も公園に訪れたのですが、もう見かけることはありません。
おそらく、あの男の人の家で暮していることでしょう。捨てたけど、やはり捨てられず引き取りに来た人なのか、それとも、新たな飼い主になってくれた人だったのか、それはわかりませんが。
何はともあれ、良かった。ニャア















時代なる赤ちゃんポスト彼岸花

2019-09-30 | 野の花俳句
     


     時代なる赤ちゃんポストや彼岸花

     中八で字余りになるけど「や」を入れた方がいいのかな?彼岸花の別名に、ズバリの名があるけど抑えました。



     



     白秋の幼き恋や彼岸花


     森繫久彌の、「北原白秋」のレコードを思い出して詠んでみました。





老いし手の触れて零すや小紫

2019-09-29 | 老いの俳句
     


     老いし手や触れて零せし小紫


     


     小紫ゆれて艶めく枝垂かな


     小紫艶めきそよぐ日和かな


     


     葉に虫食ひの似合ひたる白式部


     なすがままいつしか老いて白式部





珈琲はブルマン八月大名

2019-09-28 | 昭和の親父
     


     朝から八月大名酒盛す


     上げ膳据え膳の八月大名



     


     朝湯朝酒八月大名なり


     八月大名緩んで来たるふどしかな


     くたびれて八月大名マッサージ


     厳かに八月大名放尿す





鶏頭の歩きさうなる日暮かな

2019-09-27 | 花の俳句
     


     鶏頭よ何をそんなに考える


     


     鶏頭の雨に倒れて泥を浴ぶ


     鶏頭の倒れて土の乾く雨後



     


     火星にも咲いてるやうな鶏頭花


     鶏頭の頭でっかち火星人


     


     鶏頭のアモーレアモーレアモーレ



     鶏頭や寝不足の目のまっかっか