白浜学園

白浜学園の日常

記録・・・

2018-11-14 07:41:33 | Weblog

多くの記録に目を通し、検印を押す毎日。

記録を書いた職員の人柄も、思いも、何より、メンバーの姿が浮かび、コメントやら、直接、言葉を交わします。

28年間、同じことを、繰り返し、同じ言葉で、時には、違う表現で、伝えているつもりなのですが、

伝える側の力量不足で、なかなか、伝えきれないものです。

最近、私の伝えたかったことを、ズバリ的中させた記録に出会いました。

心洗われるような・・・。

 

  ◎Hくん

  単独通園。午前中はおやつ作り、午後からは園庭遊びを行った。朝、登園した後は他の

  子どもたちと一緒に玩具で遊んでいる。職員(Kさん自身)が姿を現すと「おはよう。

  K先生」と言って、その日ブロックで作ったものについて話してくる。その日によって

  テーマは変わっているが、大体「乗り物」か「動物」が多い。「クラゲ」を作ったとい

  うことで見せてもらったものは頭と足を形作ったような物だった。「ほんとだね~。こ

  の形クラゲだね」と感心してコメントすると「うん。まあね」と澄ました顔をして見せ

  た。今日はきりんグループと合同での活動となった。おやつ作りでは「スイートポテト」

  作りを行った。①さつまいもの皮むき②さつまいも潰し③材料と混ぜる④形作りなどを

  職員と一緒に行っていった。「包丁で切るのは先生がしますね」と言われると「あぶな

  いもんね」と言い、材料と混ぜる際は「おいしくな~れ」と呪文を唱えていた。オーブ

  ンで焼いた分を一つずつ食べた際は、もくもくと食べていたがぽつり「味がして美味し

  い」と呟いていた。準備から片付けまでちょこまかと「お手伝い」をしてほめられていた。

 

Hくんは、ひとつ自分の思っていたことと違うことに遭遇したり、友達に邪魔されると、崩れていき、

それから、活動に参加できなくなることが多い。K先生は日ごろから『叱らないけど、譲らない』を貫いている人。

リトミックの佐藤先生も「クールダウンした後のHくんは、本当に可愛いのよね~」と言われる。

就学に向けて、心配は尽きないけれど、こういう先生方に囲まれて過ごした日々は、きっとHくんを良い方向へ導いてくれると信じています。

 

もくせい園一期生のりょうたさん(20歳)の相談支援をしている久光さんから、彼がもくせい園のことを今でも覚えていると聞いた。

卒園後は、もくせい園との接触は全く無かったので、ちょっとびっくりして「もくせい園の何を覚えているの?」と聞くと

「先生たちに、優しくしてもらった」と言い、「矢野先生、さくらさんの名前が出ますよ」とのこと。

「この仕事は、『関わる人のパーソナリティで、本人のパーソナリティを変える仕事』」と言われるT先生の言葉を、

思い起こした一昨日のもくせい園の記録でした。