3年前の春、次年度の計画つくりの頃、門川分場(当時)のI支援員が、けっこう深刻な顔をしてやってきました。
「来年の調理実習、どうしたらいいでしょうか」
全体で取り組むには、人数も多く、数名のできるメンバーがやってしまって、お客さん状態のメンバーがいたり、
ざわざわと落ち着かず、支援員としても、確かな手ごたえが感じられない・・・といった悩みを話しました。
① 門川分場の職員4名で、4グループの能力別のグループ分けをすること。
② お弁当を作り、お昼に食べることを目標にすること(お弁当箱は、自宅から持参すること)。
③ メニューは、グループ毎にできるものにアレンジして構わないこと。
④ できれば、最終の3月には、ふたつのお弁当を作り、家族にふるまうこと。
といったことを、とりあえず提案しました。
その後、どうなったか
グループによっては、初めにかなり苦労したようでしたが、回を追うごとに、少しずつ出来ることが増え、
離席も減り、遂に、今年の3月には、ふたつのお弁当を作り、自宅に持って帰ることができました。
『わが子の作った弁当を、食べる日が来るとは、思いもしませんでした・・・。』
『ちゃっかり、自分で食べてしまいました』といった感想も寄せられました。
メンバーにとって、お弁当は、楽しい思い出につながるようで、なかなかのクリーンヒットでした。
自分のお弁当箱を持ってくることで、調理実習が、ご家族を巻き込んだイベントにも、なりました。
「おかあさん、お弁当箱のフタをするには、どうしたらいいの」
「おかずを減らせば、いいのよ」という、ほほえましい‘やりとり‘もあったとか。
今週のお弁当つくりでは、「(卵焼きが、上手に巻けて)やっと、できた」と喜びの声も聞けました。
前日の買い物から、食事、片付け、「美味しかったよ」の報告まで、
すべてが、まさに『調理療法』であると思います。
今年度は、ぜひ、支援員の手による実践報告があるものと期待しています。