原孝至の法学徒然草

司法試験予備校講師(弁護士)のブログです。

【講義後雑感】基礎講座(憲法1)

2012-05-10 | 講義関連(講義関連・講義補足など)
順調な滑り出しかな,というのが正直な感想です。

1.お願い等

ライブ受講生の皆様は,出来る限り,ライブ受講をしてください。私は予備校講師経験が長いものですから,「ライブで緊張感ある中で受講するのが最も効果的」というのが真であることをよくわかっております。回数が前後しても(例えば,憲法3の後に憲法2を受講する),さほど大きな問題はありません。各自の御予定もあろうかと思いますが,ライブ受講の方は,毎回,足を運んでください(絶対に,脱落しないでください)。「毎回の講義が楽しみ」という状況にしてみせますから。

2.復習について

①基本書該当部分の読了

②肢別チェックシート(今回は,30問のうち,24問までが講義で触れた部分ですので,その範囲をやってください)。

③「外せない判例で押さえる答案作成マニュアル本」(1~5が,今回の講義で扱った部分です)。

優先順位としては,①→③です。「来年,何としても予備試験・上位LS既習合格を」と考える方は,ぜひ③まで挑戦してください。③は,まだ要領を得ないと思いますが,それでよいのです。「説明書を読むより,携帯をいじってみる」です。そのうち,わかっていきます。憲法の基礎講座で,それも第1講で,行政事件の訴訟類型の話(取消訴訟,義務付け訴訟など)や,仮の地位を定める仮処分(民事保全法23Ⅱ)の話までしたのも,その趣旨です。何度も話を聞けば,自然と慣れていくのです。

次回は,「基本的人権保障の限界」,「幸福追求権利」,「内心の自由(思想良心の自由,信教の自由,学問の自由)」といったあたりを扱います。第1講の本体レジュメは,第2講も持参してください。

…ツイッターには書いたのですが,今日,私は歯(親不知)を抜きまして,ちょうど今,麻酔が切れたのか,ズキズキ痛いです(涙)

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6 コメント

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Unknown (うたういぬ)
2012-05-11 17:01:27
こんにちは。辰巳の他の先生の入門講義をDVDで聴いているのですが、雑談が多くて内容が薄いのは仕方ない?としても、説明が時々間違っていたりします(裏もとれています)。

先生の講義も同じ時間数ですが、初学者以外が聴く意味はあるでしょうか?レジュメがしっかりしているならば、一元化したいとも思っています。今の入門の内容だと何も得れていません。。
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Unknown (はら)
2012-05-12 02:10:41
こんばんは。

「初学者以外」というと,対象が広いので,かなり回答が難しいのですが,知識の定着を図り,実戦力を練成するという意味においては,価値があると考えております。

というのも,パンフ等で説明させて頂いている通り,私は,「実戦を強く意識することにより,意識的に理解することができる」と考えておりまして,基礎講座では,問題解決とって必要性に乏しい知識の解決はしないというコンセプトで進めております(その分,実戦的な問題解決法を扱っています)。要は,記憶→理解→実戦,ではなくて,実戦→理解→記憶の過程で体系的理解を構築して頂こう,という趣旨です。

その意味で,既に基礎講座を受講されている場合,それとの比較でより広範な知識を得られるかというと,そうではないと思います。

ただ,上述のように,実戦を常に意識して進めていますので,実戦力(試験対応力)は向上するものと思います。

講義時間は,少ないくらいが丁度良いと考えております。長時間の,網羅的な講座で,結局のところ,何が重要で(試験で必要で),試験でどう書けばよいのかがわからず,「木を見て森を見ず」の学習で失敗する方は多くいます(私もそれで苦労したクチです)。

それよりは,講義時間を絞って,講師もプレッシャーを感じるくらいしに,講師としても意識的に重要部分を抽出して理解を促進させる講義を展開する構造を作り出すことが最も効率的と言えます(私の約10年間の予備校講師経験上,そう思います)。

そして,一番強調したいことは,基礎講座の目的は,「知識を教え込む」ことではなく,「自力学習を可能にする」ことです。どんな受験生も,司法試験に費やすまでの時間の大半の部分は,自分で勉強している時間です。講義を聴くだけそれ以外に勉強せずで合格した,なんてことはあり得ません。これすなわち,自力で学習する時間の勉強の質こそが,合否にとって何より重要だ,ということです。それに成功するように,土台を作り,その上には,自ら装飾を施すことが可能になるような,思考力(≒実戦力)の鍛錬をしていくつもりです。

こういった次第で,知識以外の部分で,新しい発見はあるだろう,と思います。

なお,私が担当する基礎講座では,スタンダードテキストをノート代わりに使用しています。網羅性を狙ったレジュメは切っておりません(既成のテキストの方が効率的ですので)。講義で使用するレジュメは,論文作成ノウハウ等の伝達を目的とするもので,知識の提供を目的とはしていません。知識の整理は,スタンダードテキストを使用した講義で行い,理解の深化は既習部分につき(各自)基本書の読了,「外せない判例で押さえる答案作成マニュアル本」を用いた答案作成によってすることをお願いしています。

以上,かなり詳細に説明してしまいましたが,必要な範囲で参考にしてください。
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お聞かせください (ryo)
2012-05-21 21:08:28
私は学生時代旧司法試験の勉強を他校でやっておりました。しかし、論証暗記一辺倒の指導で、暗記出来れば多少なりとも知識は持てたのだと思います。使えるか使えないかは別としても… しかし私は意味のわからないことを覚えることが大の苦手で、結局あやふやな知識だけを多少備えただけで脱落しました。
しかし司法の道をどうしても諦められなくて、戻ってきました。そして辰巳の荒木先生の予備試験講座を受講して、論証なんか覚えても意味がない。条文を使って事件を解決することが全てであって、しかもそれは原告と被告の主張を各条文ごとに把握していくだけだと聞いて目から鱗が落ちる思いでした。もっとも、荒木先生のおっしゃる思考方法や勉強方法は理解出来るのですが、一人で各科目の基本書をメリハリもなく潰していく自信がありません。
このような私ですが、絶対に来年度の予備試験に合格したいのです絶対に。
原先生が私の立場ならどのような戦略を立てますか?
原先生の基礎講座を完璧にこなして来年度の予備試験に合格したいのですが、自分の勉強の方向が見えなくて、
講座をとるか基本書を新たに揃えるか心底悩んでおります。
どうか相談に乗ってくださいお願いいたします。
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Unknown (はら)
2012-05-22 14:52:06
「論証なんか覚えても意味がない。条文を使って事件を解決することが全てであって、しかもそれは原告と被告の主張を各条文ごとに把握していくだけ」との点、私も全くその通りだと思います。今の試験は、いわゆる論証が通用する試験ではありません。また、実務的判断が要求されます。一昔前の旧試験とはずいぶん毛色が変わったと言えます。

基本書を自ら読んで行って合格ラインに達する方もいます。ただ、最短で合格ラインに到達するのは難しい。加えて、実務的判断が強く要求される試験なので、基本書だけで対応できるかというと、それも疑問です。

来年の予備合格、最短ルートを目指すのであれば、方向性を誤って遠回りする危険がある道より、私であれば、基礎講座の道を選ぶかな、と思います。

ご質問等あれば、引き続きご遠慮なくお聞きください。
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Unknown (haruhiropa)
2012-06-26 06:37:44
これから、先生の基礎講座を受講する者です。
復習の方法で、基本書該当部分の読了とお書きになられてますが、基本書とは例えば憲法なら、芦部などを意味するのでしょうか、それともスタンダードテキストを意味するのでしょうか?
私は、今年の司法試験を受け、情報の一元化の必要性を痛感しました。今回の基礎講座で本試験まで使える資料を作りたいと思っています。
よろしくご指導願います。
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Unknown (はら)
2012-10-07 01:44:39
遅くなりまして、本当に申し訳ないです。。。

ここでの基本書と言うのは、いわゆる基本書(芦部憲法など)の意味です。文脈ある基本書を読んで、スタンダードテキストの行間を埋めて行ってください。

それが、相乗効果を生むはずです!
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