原孝至の法学徒然草

司法試験予備校講師(弁護士)のブログです。

法曹(志望者)としてのプライドを持つ

2012-05-11 | 日記
試験直前の受験生の皆様。

司法試験で重要なこと。この一発勝負で勝ちきることです。合格ライン付近は,激烈な争いになります。もし,複数回,司法試験を実施すれば,合格者と不合格者はそれなりの数が入れ替わります。

本試験において,1点でも2点でも多く獲得すること,各科目でそれを積み重ねること,これが大切です。そのためには,精神力も非常に大事です。短時間(といっても2時間)の論文試験で,1点入るもう1行を書けるか。

本試験の会場では,「あと1点,もう1行」と自らを奮い立たせることが必要です。

私の経験上,「法曹志望者のプライド」を持つことが大事だと思います。

私が,修習中に研修所の教官や実務修習先の先輩法曹によく言われたこと。

・法曹は,他の隣接士業とは違う。万能の法律家である。公的監督下に置かれない,独立かつ自由の存在である。

・法曹は,他の隣接士業とは違う。厳格な試験を通過し,修習を経て要請され,唯一高水準の能力が担保された集団である。

・起案能力こそ,法曹のアイデンティティーである。起案能力を厳格に測定する養成制度(司法試験,二回試験)を経てその能力が認証された法曹は,他の隣接士業とは違う,真の法律家である。法曹が書いた書面か,非法曹が書いた書面かは,真の法律家が見れば,容易に区別が付くほど次元の違うものである。

・法曹としてのプライドを持って仕事をしろ。

こんな感じのことを,多くの先輩法曹から,何度となく言われて参りました。

…ホント,その通りです。法曹志望者ならば,おわかりになるでしょう。場合によっては,LSで実務家教員から上記のようなことを言われている方もいるかもしれません。

司法試験は,その法曹の選抜試験,事実上の最終関門です。上記のような法曹として認証してもらえるかどうかの判定なのです。

万能の法律家,真の法律家として,プライドをもって起案をする。試験委員に,法曹としての認証をしてもらう。

そういった意識で答案を作成していってください。それが,頭一つ抜け出すための意識の持ち方なんだと思います。

最新の画像もっと見る

コメントを投稿