Dogma and prejudice

媚中派も媚米派も同じ穴のムジナ
従属主義的思考から脱却すべし
(言っとくけど、「媚米」と「親米」は違うんだよ)

「大連立」など、とんでない

2007-11-04 | 政治
吉崎 達彦氏の「かんべえの不規則発言」より、
「あなたと合体したい」(福田康夫)

〇えー、小沢サンもまんざら気がない様子でもなかったようですが、やぱし合体は止めといた方がいいと思います。どちらの側にとっても良くないです。何より大連立なんてしちゃうと、次の選挙で有権者が困るじゃないですか。小選挙区でどっちに入れればいいんですか。政権に対する不満を示すには、社民党や共産党に入れるしかなくなるっていうことです。

〇政治討論番組だって困ってしまいます。(ちなみに明日のサンプロは、年に1度の駅伝中継のためにお休みです。どうでもいいか、そんなこと)。政権の対立軸が溶解してしまいますから、そもそも討論が成立しなくなる。それこそ国対委員長同士を呼んで、「あんたたち、いったいどうするつもりなの?」と聞くしかなくなる。

〇このままでは、物事が決まらないって? そんなことは知ってます。だったら、決めなきゃいいんです。民主主義なんですから。本当に大事なことなら合意はできますって。昔、沖縄の基地問題で保保連合を組んだときみたいに、是々非々でやっていけばいいんです。大連立だけは止めましょうよ。

〇いや、大連立の後のガラガラポンに期待しているんです、という人もいるかもしれません。政界再編で、政治をスッキリ分かりやすくしてほしいということで、その気持ちは分からないわけではありません。「加藤紘一を民主党にやるから、代わりに前原と長島を寄越せ」みたいな話は、床屋政談ではよくありますものね。でも、本当にそれをやっていくと、ピカピカの家とボロ屋ができてしまうので、「政権交代可能な二大政党制」からかえって遠ざかってしまう。よくないです。

〇アメリカの二大政党だって、それぞれ政策の幅はあるんだから、自民党と民主党は今くらいでも充分やっていけるはず。結局、辛抱強くやっていくほかにない。それを放り出して「大連立」に懸想したとなると、これはちょっと我慢が足りないんじゃないでしょうか。まあ、福田さんも小沢さんも、短気な方らしいし。

〇それにしても福田さん、意外な大技をかけてきましたね。「訪米前のアリバイ作り」、という読み筋もあるでしょうが、万一、向こう側が乗ってきたときのことを考えると、かなりの度胸です。中曽根さんやナベツネさんがけしかけたとか、与謝野さんが小沢さんと囲碁を打ったのが怪しいとか、その辺の背後関係はじょじょに明らかになるでしょう。とりあえず合体がなくてよかった、よかった。


 「自民・民主の大連立」など冗談じゃないよ。もし、「自民・民主・公明」の与党連合が出来たら、選挙で政府を退陣させられなくなるじゃないですか。

 社民・共産・国民新党などの零細政党がどう逆立ちしたとしても、与党連合に勝てっこない。

 つまりは、大連立が行われた時点で、与党連合の永久与党化が確定し、事実上、選挙が無意味になる。

 民主党の票は、自民党に対する批判票もずいぶんあるはずで、もし、民主党が自民党と連立してしまったら、それは、こうした批判票を入れた選挙民に対する裏切りです。

 小沢代表は、このような話には、即時に否定すべきでした。しかし、報道によれば、小沢代表は、大連立に色気を見せた模様で、図らずも「小沢代表、馬脚を現す」という感じで残念です。

 「ねじれ現象で、国会がうまく機能しない」という意見が根強いですが、与党が両院を支配していた頃は、政府・自民党の独断で全てが決まっていました、野党は全て反対していれば良かったのです。

 参院で、野党が多数派になったということは、法案の可否について野党の意向が大きくかかってきたということで、むしろ以前より、良い状況になったとも考えられます。

 野党はこのチャンスを生かして、野党提案の法案を出して、自民党に対応を迫ったり、政府自民党の出す法案についても、国民のためになると思われる法案については、賛成し、そうでなければ、反対するという是是非非の立場を貫いていけば、国民からの信頼も集まるわけです。

 つまり、野党の真価がこれから問われるわけで、民主党の良さを国民にアピールすべき時なのです。何でもかんでも自民党に反対することにより、日本という国が機能しなくなれば、民主党の責任ということになり、「民主党は駄目だ」という評価につながるわけで、民主党もいい加減な対応は出来なくなるでしょう。

 つまり、「ねじれ現象」というのは、野党を活性化させ、国会を活性化させる転機となる可能性があるのです。そのような好機を大連立によって潰してはいけません。

 大連立によって、国会を与党だらけにしてしまえば、どうなるか。政府自民党は左うちわでしょうが、国会が政府の翼賛機関と化し、選挙行動が無意味なものとなり、国民主権が名ばかりのものになるのです。

 「大連立」は、民主主義を壊すもので、こんなものを、提唱したり、推進したり、評価する人は、民主主義者では有り得ません。


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2 コメント

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ファシズム (喜八)
2007-11-08 22:42:09
こんばんは。
ふと思ったのですが、「大連立」って結局「ファシズム」ではないでしょうか?
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Re:ファシズム (上田真司)
2007-11-09 01:21:52
喜八さん、こんばんは。

>ふと思ったのですが、「大連立」って結局「ファシズム」ではないでしょうか?

実質的にはそうですね。

でも、「ファシズム」だと言うと、「野党も存在してるじゃないか」と反論できてしまうんですよね。

つまり、「民主政治だ」と言い逃れ可能な「ファシズム」なのではないでしょうか。

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