福谷章子のまちづくり

さまざまな役割を持ちながら暮らす中で、日々出会い触れ合う人々、街、文化、自然、出来事についてつづります。

減災セミナーのお誘い

2015年01月10日 | 都市問題
減災セミナー
あなたの暮らしは大丈夫?


起きた災害に対し、いかに被害を減少することができるか?
近い将来に起きると予想されている首都圏の直下型地震。
そのとき、私たちはどのようにして家族を守り、地域を守ったら良いのでしょうか?
自然災害は避けて通ることが出来ないという現実を受け止め、
如何に被害を減少することが出来るかという「減災」の考え方について学びたいと思います。
皆様お誘い合わせてご参加ください。

タイトル 「減災」を学ぼう!
講  師  減災塾塾長 水島重光氏(防災アドバイザー)
日  時  平成27年1月24日(土) 午後2時~4時
場  所  鎌取コミュニティセンター2階 会議室
主  催  おゆみ野女性の会

参加希望の方は本ブログのコメント欄または下記までお知らせください。
Email: fukutani@cello.ocn.ne.jp


図上訓練 災害への備え 

2014年01月20日 | 都市問題

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 1995年の1月17日は、阪神大震災が起きた日です。

想像をしたこともないような状況がテレビ画面に次々と映し出され、何も手につかずにいたことを思い出します。

19年後のその日に、千葉市では本庁舎全体で図上訓練を行いました。

 

 Img_81861この訓練は、九都県市合同防災訓練の一環で、広域防災プランの検証と、防災計画の課題発見、そして災害対策本部における情報収集・分析・判断の対応能力の養成を目指している、とのことでした。

特に災害時は情報が錯綜し、事実と間違った情報とが混在し、情報の嵐にまみれることになります。

情報をどう集め、どんな風に分析して処理をするか、その流れは想定通りスムーズにいくかどうかを試しておくことは、初期対応として非常に重要なことです。

 

 当日は、10時から3時まで本庁舎8階に各局ごとのデスクを配置し、付与された課題を職員が次々に捌くというもの。

想定は、前日の午後4時にさいたま市を震源とするマグニチュードード6.9の地震が起きたというもの。

その18時間後から次々と起きる事態を想定しています。

たとえば、外国人が避難してきたけれど言葉が通じない、どうしたら良いか。とか、テレビ局から○○に関する取材要請が来ているが、どのように対応するのか、とか、白地図上に寸断された道路を塗り分け周知するなど、総計336項目を10時から3時までの間に次々に捌くという訓練です。

私が対策本部をのぞいたのは3時直前で、あと1項目で全て終了するという段階でした。

 

  Img_81891実は、東日本大震災の際には、私たち議員もそれぞれに地域の状況を捉え、各所管課に伝える者もいました。

現場の声は大切ですが、そういう場合、伝え方の配慮を欠くと、復旧対応の手を止めることにもなりかねません。

 

 そこでこのたび、議会でも災害対応の指針を策定し、災害対策会議を設置して、情報の集約と速やかな伝達を、効率的組織的にしていこうということになりました。

果たして、実際に議会ではどんな取り組みが可能か、実践してみなければならないと考えています。

 

 最後に危機監理官から、常に災害時を想定し、繰り返し訓練をすることが大切というお話がありました。

職員のみなさんは、通常の業務の合間にも、こういった訓練や、災害発生を想定してその場から役所に駆けつける、という参集訓練なども行っています。

それぞれの立場で災害への備えをしているということを改めて知りました。

議会でも、次の定例会では避難訓練ですな。

 

 


リニューアルを機に公共交通について考える

2012年04月07日 | 都市問題

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 千葉都市モノレールの車両がリニューアルすることは、前のブログで触れましたが、今回は、もうちょっと詳しいお話です。

モノレールは、かつて、青葉病院までの延伸が妥当か否かで、千葉市を風靡しました。

当時の議論は、「赤字か黒字か」がクローズアップされましたが、採算が取れないけれど、公共性が高く必要な事業だから公費を投入するのが公共交通である、という基本的認識が置き去りにされていたようにも思えます。

        

 もちろん、経営努力をして黒字化することは重要なことですが、そもそも公共交通は、移動できない人たちの足を確保することがミッションである、ということは、踏まえておく必要があるのではないでしょうか。

      

 P1100797今後の超高齢社会において、全ての人に出番と居場所を確保することは、社会的な大きなテーマでしょう。

だとすると、移動をどこまでどのように保障するかは、基礎自治体での合意形成に依ることになるような気がします。

       

 したがって、今後は「ゼロか百かではなく程度の議論」が必要になってくるのだと思います。

      

 その都市モノレール。

インフラ部分は千葉市が引き受け、スリムになって再スタートし、熊谷市長になって、延伸を凍結し、その後社長を公募して市民に親しまれるようなモノレールを目指して今日に至っています。

http://www.city.chiba.jp/toshi/toshi/kotsu/Monorail_portal.html

     

このたびのデザインチェンジは、開業以来です。

試運転は4月4日でしたが、今後4月12日には、試乗会が行われ、営業運転は7月8日から始まります。

http://www.chiba-monorail.co.jp/news/shijo.pdf

     

 P1100789 導入されるのは、2両連結が2編成。合わせて4車両です。

車両費の負担は、会社が2分の1で、残りの半分のさらに半分強(55%)が国の負担で45%が千葉市の負担となります(要するに、千葉市の負担は22.5%)。

   

 千葉都市モノレールは、駅舎を地域住民の居場所として貸し出したり、イベント列車を走らせたりと、さまざまな取り組みも行われています。

さらに詳しく知りたい方は、大沢社長のブログをどうぞ。

http://ameblo.jp/m-osawa/

     


高度地区導入に関する一考

2012年01月08日 | 都市問題

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 前々回のブログで取り上げた都市計画における高度地区見直しの緊急シンポジウムには、見直し反対の請願を出した真砂の団地管理組合の方も参加され、団地再生にかける真摯な思いをうかがいました。

一方、誤解や思い込みがあることも少しずつわかりました。

意見交換ができ、思いをうかがうことができたのは貴重でした。

 主催者による録画(UST)もあります。詳細はこちらでご覧になれます。

千葉市高度地区 見直しを考える 緊急シンポジウム 冒頭

http://www.ustream.tv/recorded/19612766

千葉市高度地区 見直しを考える 緊急シンポジウム 前半

http://www.ustream.tv/recorded/19612925

千葉市高度地区 見直しを考える 緊急シンポジウム 後半

http://www.ustream.tv/recorded/19613922

       

 さて、シンポジウムの中では次のようなことを学びました。

【法制定や制度変遷の歴史的背景】

 現在の私たちのまちや建物に関する法律は、1919年に定められた建築基準法の前身や都市計画法の前身が元になっており、それぞれ改められてはいるけれど、当時の考えを引きずっているのだそうです。

その後、建築基準法は1950年に定められましたが、当初は21m、30mの絶対高さ制限がありました。

ところが、1963年に容積率が導入され、それまでの21m、30mの絶対高さ制限にとって代わりました。

1968年には新たな都市計画法が定められ、市街化区域と市街化調整区域との線引き制度が導入され、8種類の用途地域が決められました。

そして、1970年に用途地域に容積率が全面適用。

この流れは、高度経済成長を支え、人口が急増する住宅需要に応えるという時代の要請に押されたもので、現在の状況とは大きく異なります。

この時、画一的である半面で緩やかであるという面を有する我が国の都市計画規制について、地域の状況に応じてもう少しきめ細やかな規制が行われるべきとの議論もあったようです。

     

【行政手続き上の課題や自治体の権限が及ぶ範囲】

 高さ制限などの都市計画に関する自治体の仕事は、自治事務か法定受託事務か、という議論もありました。

以前は機関委任事務として国から託されたものでしたが、現在は法律に基づいて行う自治事務として、自治体の裁量権がきくものと考えられています。

     

【さまざまな工夫】

 安曇野市の土地利用条例、神楽坂の最高高さを下げる地区計画、新宿区の高度地区全域指定、練馬区の厳しい規制を緩和によって運用する手法・・・など、さまざまな事例について聞きました。

それ以外にも、船橋市の高さ制限、京都市の景観に配慮した高さ制限、真鶴市の美しいまちづくり条例などもあります。

先進的に取り組んでいる事例は枚挙にいとまが無いほどで、まだまだ勉強不足だと感じています。

   

【資産価値はどうなるのか】

 高さ制限をかけられて、高層建築が建てられなくなると資産価値が下がる、という意見をよく耳にします。

日本の経済は土地本位制で、地価が上がることを前提に成長してきたので、まだまだそういった考えが住宅の建て替えにもついてまわるのでしょうか。

しかし、街全体のたたずまいが美しい方が、地域としての資産価値があがるのではないかと私は考えています。

また、将来売り渡す時の価値よりも、現在の生活実態を改善することを優先させるべきだ、という意見もありました。

        

 ところで、今回のシンポジウムの中で、耳について離れない言葉があります。

それは、

「一人ひとりが努力をしたら全体として良いものができるというのは幻想。一人ひとりが頑張るとおかしくなることもある。」

というものです。

まちづくりにおいては、個人個人がそれぞれの敷地の中で最適化を目指すと、全体のたたずまいは良くならないということです。

都市計画が必要な所以はここにあるのではないかと思いました。

まさに、個人の自由と公共の福祉の関係、公共性に関する意識、権利と責任の問題など、まちづくりについて語るには、問題意識を倫理的な次元で持つ必要があると感じます。

    

 そこで肝心なのは、ではどんなたたずまいの千葉市にしたいのか?

というコンセンサスを得ていくことです。

そのための努力をしていくことも議会の重要な役割ではないでしょうか。

未完の都市から魅力の都市へ・・・と言っている我が会派です。

第一回定例会は頑張らなければなりません。

     

最後に、建物の高さに関する徳永副市長の幹部メッセージが、参考になります。

ご一読いただければと思います。

http://www.city.chiba.jp/somu/shichokoshitsu/hisho/k_mes_t_fukushicho.html

     

    


高さ制限について

2012年01月06日 | 都市問題

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 今、千葉市では高度地区の見直しを行っています。

市民意見も聞いています。

http://www.city.chiba.jp/toshi/toshi/keikaku/pub_com/231201ikenbosyuu.html

      

 高度地区制度というのは、建物の高さを制限する制度です。

今までも千葉市内には建物の高さを制限している地区はありますが、斜線状に定めているため、土地が広くて境界から離れて建設する場合には、無制限に高く建てられるに等しいような状況です。

計画的に高層住宅エリアとして計画されているのであれば、それなりのスペースも確保されていますが、低層住宅地にぽっかり空いた土地に、後から高層ビルが建つ場合は日照の問題などトラブルも発生します。

したがって、隣接する低層の住宅地の住民との調整が難しく、中高層条例がありながらも、マンション紛争は耐えることがありませんでした。

    

 おゆみ野地域でもそんな事態が相次ぎ、2007年3月には市議会に出された陳情が常任委員会で全員一致で採択されています。

その時のことは、以前の日記でもお知らせしていますが、再度、このブログの最後に転記しておきます。

    

 このように、議会では陳情を採択し、その後の質問でもたびたび無秩序な高層マンション建設の問題や、中高層条例による斡旋や調停が今ひとつ機能していないことなどを指摘してきました。

そこで、千葉市でも検討を重ね、このたび最高高さ制限を設けることにしたのです。

国道(14号357号16号)を境に、用途地域によって、高さの制限を海側が31m、内陸部を20mとするものです。

低層住居専用地域は現状でも10m以上は建てられないので対象外です。

また、商業地域や近隣商業地域、工業地域なども対象外です。こちらは逆に高層施設の建設を可能にすることにより、経済の活性化を図るためです。

     

 ところが、昨年市がこの計画を示した際に、意見が分かれました。

考え直してほしいという声がいくつか寄せられたのです。

そこで、市では再検討をし、既存建築物の建て替えに関しては現状の高さまでは認めるなどの特例措置を設けて今回の再提案となったものです。

   

 しかしながら、今議会に、高さ制限に反対する請願が出されたのです。

この請願は、今回の常任委員会では採択されず、継続審査となりました。

   

 さて、このような状況になり、これからの都市のあり方、魅力的な都市づくりについてのコンセンサスが議会で取れていない・・・と感じています。

高層建築物を否定するのではなく、秩序ある街並みとして建てられているかどうか、近隣と良い関係でコミュニティ形成ができるのかどうかなど、奥深く孕んでいる課題を見通さねばならないと感じます。

       

 人口が減少していく中で、豊かに暮らすとはどんなことか。

千葉市が誇る豊かな自然を、どんな風に残し守っていくか。

高層化を進める地区をより魅力的にするにはどうしたら良いか。

そういったことを議員同士がもっと議論し、千葉市としてどんな魅力や価値を生み出していくかを考えるのが、議会の役割ではないかと感じます。

秩序ある街並みを作っていくためには、市として制限をかけることが必要である・・・ということを議会としても主張し、市民のためにもここは、市の後押しをすべきではないかと考えますが、いかがでしょうか。

   

【アーカイブ 2007年3月2日の日記】

今日は常任委員会です。
審査は午前10時からで、補正予算や議案が計11件、請願1件、そして陳情2件が本日の案件です。
その中の陳情2件が、今おゆみ野で大きな問題となっている、新日鉄社宅跡地に建設予定の18階建てマンション「おゆみ野プロジェクト」に関するものです。

さて、委員会室に近づくと、廊下の両脇にはハチマキ姿タスキがけの見慣れた顔が大勢詰めかけています。
入室する議員それぞれに「お願いします!」と。
委員会室の中では、ありゃ何事だ?とか、こりゃパイプライン以来だなあ~とか、委員の皆様方が口々に仰り、住民パワーに、驚かれているようです。

千葉市議会の常任委員会は傍聴できないので、こんなことになってしまいます。本当は入室して傍聴して頂くと良いのですが、場所の都合なのだそうです。

さて、議案が多かったこともあり、審査はお昼の休憩後になりました。
審査が始まる頃には、住民の皆さんはお帰りになっていましたが、熱い思いが伝わったのでしょうか、全員一致で採択されました。
心のそこから嬉しくて、熱いものがこみ上げてきます。
しかし、これで計画が即座に白紙になるわけでは無く、解決したわけでは無いのです。
少なくとも、議会としては
「この計画は認められないので、大幅な計画の見直しと、新しいルール作りにむけて検討すべき」
という考えを示したことになります。

さて、参考までに、本日の都市消防委員会で出た意見を覚えている限り書き連ねてみますと、以下のようになります。
千葉市議会、なかなかですよ。
政治を諦めなくて良かった!私は地域の応援団になれた!という思いを実感しています。

☆ この計画は、住民の皆さんが20年間大切にしてきたまちづくりを壊すような計画である。
☆ この街ができた当時のコンセプトが伝わっていない。市はそのことをもっと認識して積極的に関わるべきである。公団任せにしてはいけない。
☆ 現地を見てみたが、あの場所は、こんな規模のマンションを建てるようなところではない。
☆ 街開きの頃からこの地域を知っているが、景観が美しい地域である。マンション建設によって景観が損なわれるようなことがあってはならない。
☆ 市が計画を知りえた時には、たとえ住民に公表できなくとも街の様子や市の理念を伝えるなどの指導力を発揮すべきであり、そういった働きかけをすることで、事業者の姿勢を変えさせることにつなげて欲しい。
☆ 基準法では認められない規模の駐車場が必要なほど、戸数が多いめちゃめちゃな計画ではないのか。事業者に対して指導の余地は充分にある。
☆ 施設の規模だけの問題ではない、コミュニティの問題を孕んでいる。新日鉄の社宅であった時は、全員がすずかけ街の会員となり、すずかけ街の人たちと一体となってコミュニティを形成していた。しかし、このようなトラブルに至ると、今後のコミュニティ形成にも影響がある。そんなことに思いも及ばず売り抜けするような事業者によって、無責任に建てられることは、認められない。
☆ まだ指導や話し合いの余地は充分にある。住民の皆さんの街づくりにかける思いを後押しするためにも、この陳情には賛成したい。

ガンバレおゆみ野 フンバレ千葉市! ファイト!!