ティコ・ブラーエ


パパとママの視点から
子供と建築探訪
こどものおやつから考える体にやさしいレシピ

教育

2010-03-08 | パパ
現代の小学生は脱ゆとり教育のせいか、はたまた子供への過剰な期待のせいなのか、とかく習い事や塾で忙しいようだ。姉の姪もバレエや塾、学校の宿題で休まる暇がないらしく、昨日も全国模試で一緒に食事に行くことができなかった。
これから色々なことに驚き、感性を豊かにしていく子供に、血の通わない単なる競争を作り出すだけの知識をただ押し付けているだけではないだろうか心配である。人間にとって一番大事な好奇心というものは、情報が多すぎると萎えてしまう。無いからこそ欲することができるのである。

アリストテレスは次のような言葉を残している。
「すべての人間は、生まれつき、知ることを欲する」

「人は単に知っていることによって知慮あるひとたるのではなくして、実践しうるひとたることによってそうなるのである」

子供は様々な場所で上級生や大人との交流を通して、社会性を見につけ、学んだ知識が身体化される。知識は試験場で競争に打ち勝つための手段ではないはずだ。何かに出会ったときに、何を感じるか、そして、如何に決断するか。そのような状況に置かれて初めて、知識は活性化され、より深く身体に刻まれる。

チンパンジーの親は、子には例えば木の実の割り方などを指導はしない。子も割れないからといって親に要求しない。ただ親は子の横に寄り添い木の実を割るのを見せているだけである。昔の徒弟制はこの形式に近く、技は教えられるものではなく盗むものだった。
時代が進むとともに、効率的に教育は体系化されて、盗むといった回りくどい方法から、単に機械的に生活環境から切り離して大量に詰め込んでいく方法へと移り変わっていった。

子供を混沌の世界に放り込む勇気。そして、さまよい歩く子供に、だまって寄り添い、ともに成長していく覚悟をもつこと。そうしない限り、子供たちはますます不毛な習い事や受験勉強といった小さな世界へと回収されていくと思う。

「勇気と節操をもっている人たちは、ほかの人たちからみると、いつだって非常にきみのわるいものさ。」ヘルマン・ヘッセ







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