ティコ・ブラーエ


パパとママの視点から
子供と建築探訪
こどものおやつから考える体にやさしいレシピ

日本人の未来

2010-07-06 | パパ
朝日新聞GLOBEに「NO ENGLISH, NO JOB」と語る楽天社長の記事が掲載されていた。日本は世界において特異な進化の道を辿る「ガラパゴス化」のため、世界から取り残させていくらしい。「脱日本社会」に向けたさまざまな手を打ち始めた日本の企業は、社員に国際人たらんことを強要する。新人採用者の過半数以上を国外に求めようとするユニクロの動きなどを見ると、ゴーギャンの絵に添えられた次の言葉
「われわれはどこからきたのか われわれはなにものか われわれはどこへいくのか」を思い浮かべて悲しくなる。





かつて帝国主義は、植民地化を推し進める手段として未開に住む人間の母国語を奪い、自国の言語を強要した歴史をもつ。それほどに、言語は人間を支配し文化の多様性を生み出す力を秘めたものであるということだ。日本人にとっては兄、弟という2つの言葉も、英語ではブラザーとひとつにまとめられる。兄、弟と上下を明確にしないと成立しなかった文化と上下わけ隔てない文化では、根本においてどこか違うのではないか?それは、自身では意識できない無意識の構造であり、それこそが伝統であり文化を個性的にしてきた源なのである。

経済という側面だけで労働者から言語という世界観を奪い、文化・家族をブルドーザーのように破壊していく企業の経営者たちは、自身が受ける報酬の額がそれに見合ったものであるかをもう一度考慮したうえで、サステナブルな人間社会の形成に意識を向けて欲しい。
なぜなら、世界は空間的にも時間的にも有限だからこそ多様性によって永遠性へと開かれている存在なのだから。

最新の画像もっと見る