ティコ・ブラーエ


パパとママの視点から
子供と建築探訪
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歴史

2010-03-07 | パパ
歴史というものを作る歴史が存在する。
美術の歴史を研究する学問分野である美術史は、16世紀のジョルジョ・ヴァザーリが出版した「画家・彫刻家・建築家列伝」に始まるといわれている。




彼は、ミケランジェロの天才的な作品を、彼一人の才能としてではなく、人類の営みの中で発展した頂点におき、非凡な作品の系譜の連なりとして描いている。そこには、美術を現代のように様式によって分類し分析していく透明性はないが、画家の生き方と作品のリアリティを時代毎につないでいくことで、ミケランジェロまでの歴史をなまなましく作り上げている。


現在、われわれが絵を見るときに参照するルネサンス美術やバロック美術といった様式によって歴史を捉えようとしたのが、スイスの美術史家ハインリヒ・ヴェルフリンである。





彼は、1915年に出版した「美術史の基礎概念」の中で、ルネサンスとバロックを5つの表現形式で対比して分析した。
われわれは、美術館に足を運んで絵を見るとき、そこに描かれる絵よりもそれを説明するテキストを先に読み、その解釈のもとに絵を文字とともに鑑賞する。それはまさに、ヴェルフリンの時代からの系譜なのである。


現在というものは常に混沌として、日々更新される。そして、ある時間のスパンを経た人類が、過去を振り返ったときに、混沌への不安を解消し、秩序を生み出すために歴史は作り出されるのかもしれない。
そして、人間は混沌と秩序の狭間で揺らぎながら、歴史を振り返り、新たに前に一歩踏み出していく生き物なのかもしれない。

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