わがままだけどおいしい貴婦人さくらんぼ

以前にも、このブログで、「山形セレクション」という、山形県の農林水産物の最高級品を選定する委員に任命された、ということをお話しましたが、さくらんぼについてのその仕事でまた山形県に行ってきました。
今回は県庁の会議室ではなく、青果市場に行って糖時計で糖度を計ったり、さくらんぼの畑で収穫の様子を見せていただきました。


実際にさくらんぼが木になっているのを見たのは初めて！



ワーなんて、ピカピカつやつや

ねーっ！輝いているでしょ！
いえいえ、私のことではなくて、このさくらんぼのこと・・・・あっみなさんそりゃわかってるって
はい、失礼しました・・・・・

ひとつぶいただいてみると、プリッと皮がはじけて中からそれはそれは甘くてジューシーでほどよく酸味がある果肉が口中に広がって
・・・・おぉなんておいしいひとつぶでも幸せ・・

この、まさに果物界の貴婦人のようなさくらんぼ、なかなか手間のかかるお方だそうで・・・
まず気象条件が難しいのだそうです・・・・・・もともとこのさくらんぼ、日本に渡来してきたのは明治元年。その時には全国で栽培が試みられたそうなのですが、そのほとんどが失敗した中、霜の害や台風の被害が、比較的少ない山形県だけが実績をあげたとか・・・それで、今では全国生産量の７割を山形が占めるそうです。それでも、この貴婦人はとってもわがまま・・・やれ、寒いだの暑いだのとおっしゃるものだから、農家の方々はヒーターをつけたり、ファンをまわしたり温度管理に一苦労・・・しかも受粉はミツバチを放し飼いにする方法もあるそうですが（以前、このブログでいちご畑で働くミツバチ君たちの活躍をご紹介しましたねhttp://blog.goo.ne.jp/shoji-mayuri/d/20060210）
さくらんぼで多いのは、なんとっ！ひとつひとつ人の手で毛はたきを使って受粉させる方法だとか！！ヒエー！！
こんなにひとつひとつ受粉させたなんて気が遠くなりそう・・・
さらにこのさくらんぼ貴婦人様は雨がおきらい・・・雨に当たると実が割れてしまわれるので雨よけハウスはかかせません。さらに日当たりが悪いと色がつかないので収穫期が近づくと、農家の方々はよけいな葉っぱを一枚一枚つみとってまわります。
こうして、やっとこさ収穫ですが、摘み取るときも一苦労・・・というのも、さくらんぼは、たとえどんなに大粒で、赤くて、甘くても、軸がなければ商品としてなりたたないのだそうなんです。なるほど言われて見ればそうですよね、軸のない丸い実だけでは、さくらんぼとはいわないかも・・・そこで、軸ごとそっと手でもぎ取ります。ちょっとやらせていただいたら、こつがあって、下から上にひねってそっと獲る感じ・・・

さぁ、このように収穫した貴婦人たち・・・特にこの中でも女王様クラスは、農家の方の熟練の腕で一粒ひとつぶ手で詰められて、贈答用として出荷されます
見よっ！こちらはなんと桐箱入り

ヒョエーっっっ！！こうなると、いわゆる有名くだもの店で、一体おいくらで売られているのでしょう？？・・・・・・・・・・・・・
この桐箱入りを青果市場で見つけた私がめずらしがって、ふたを開けたとたん担当者の方がすっとんできて、つきっきりでハラハラしている様子
写真を撮らしてもらったとたん「はい、もういいですね！」とそそくさと私から取り上げ、奥のほうにしまわれてしまいました・・・そ、そんなにすぐに持って行かなくてもぉ・・・・・そんなに私がパクッと食べちゃいそうな危険人物に見えたのかしら・・？
まさに「果樹園の宝石」とか「果物のルビー」といわれるだけありますね・・・
ま、こんな最高級品はそうそう手が出なくても、家で食べる分なら箱にに並んでなくてもパックにバラ詰めでも、お味は充分
今まさに最盛期！！
「佐藤錦」「紅秀峰」といった品種がスーパーマーケットなどにも手が届く価格で並んできました！
みなさまもぜひ山形のさくらんぼ、「食べるルビー」をご賞味あれ・・・！