限りなき知の探訪

45年間、『知の探訪』を続けてきた。いま座っている『人類四千年の特等席』からの見晴らしをつづる。

惑鴻醸危:(第14回目)『今朝の新聞の二大衝撃的記事』

2009-10-15 06:21:31 | 日記
今朝の新聞の一面をみて二度びっくりした。

まず、韓国が従来の方針を撤回して、漢字教育を全面的に推進することにした、という記事があった。つまり、韓国では今後、出版物は、ハングルだけを使うのではなく、日本語同様、ハングル+漢字になるという。



そもそもハングルとは、李氏朝鮮の第4代国王の世宗が自国の言葉を表す国字が全くないのを嘆いて、官僚・文人の大反対を押し切って1446年に訓民正音の名で頒布したものだ。しかし、実際にはそれから500年もの間ほとんど使われず、韓国(歴史的には朝鮮)の出版物は古来から漢文一色であると言っていいほどであった。

戦後、朴正熙大統領が1970年に漢字廃止を宣言し、普通教育での漢字教育を全廃した。その後、着実にこの方針に沿ってハングルしか読めない韓国人(および北朝鮮)人が増加した。

それが今日の新聞によると、韓国政府はハングルだけの教育が間違いであったと認め、今後は積極的に漢字教育を行い、自国文化継承・発展と東アジア(日韓中)の連帯にむけた国づくりを目指すという。

今日の朝刊にはこの衝撃的な記事の他に、もう一つこれも大変革の記事があった。

それは、中国(中華人民共和国)は今後、簡体字だけでなく、繁体字も学校教育に取り入れ、電子媒体で配布する文面の正式版を繁体字にする、という。

そもそも簡体字は戦後、毛沢東が大多数の人民が文盲であったのを改善するための『便法』として普及させたものである。しかし、その後簡体字教育で育った世代が主流になるにつれ、韓国同様、過去の文化遺産である繁体字でかかれた書籍が読めなくなってしまった。

同じ中国語圏である、香港、台湾、シンガポール、それに在外の華僑は伝統的な繁体字を使っているにも拘らず、経済発展の面で繁体字による不利益は蒙っていないことが実証されている。



こういった状況を鑑みて、中国政府は、今後普通教育において繁体字も教えることに決定したという。それと対応して、文書の原本は繁体字で書くこととし、簡体字は参考として同時に配布する、という。

これは、Webで配信する文書では簡単に表記を繁体字と簡体字に変えて読めるために、もはや簡体字だけにとらわれる必要がない、と判断したためだという。従来あまりにも簡略しすぎた簡体字では元の複数の漢字が一つの漢字に集約されたため意味が文脈依存になってしまったケースをもはや看過できない、という。(例:干と乾、機と机、弟と悌、など)

私は従来から、この両国の漢字政策に対して不満をもっていたが、ようやく両国政府が正しい方向へ切り換える決断をしてくれたことを非常にうれしく思った。

さて、今朝の朝刊の他のページを読んでいる内に、なぜかしら違和感を感じた。例えば、『数年前に開催された南米・リオのオリンピックのゴルフで、優勝した石川遼選手(29)はその時に知り合ったブラジルの女子ゴルファーの。。。』という記事があるのだ。

『えっ~、この記事は何だ!』と思って発行年月日を良くよく見てみると、なんと2020年4月1日と書いてある。このごろ一段と目が悪くなったようだ。

(追記:私はここ20年来、地球環境にやさしい省エネにささやかながら貢献している。つまり、新聞は一切取らない。昔はテレビ、最近ではWebのニュースで間に合わせている。従って、10年後のこの記事も新聞で見るのではなくWebニュースで見ることになるだろう。)
コメント
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