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映画「ALWAYS 三丁目の夕日」

2005-11-12 23:11:29 | 映画
監督:山崎貴
出演:
堤真一/吉岡秀隆
小雪/薬師丸ひろ子
掘北真希/もたいまさこ
三浦友和

昭和33年、それは戦争が終わってたった13年、けれど人々は未来を信じて前進し続けていた。活気に溢れた町はどんどん姿を変えていく。東京の風景は、どこからも工事中の東京タワーの姿が目に入るようになる。
生まれていないのに、どうしようもなく懐かしいような風景たち。
集団就職、冷蔵庫・テレビ・洗濯機という三種の神器、ミゼットが走り都電が行き交うまだまだのんびりした街並み。
どんどん上へ伸びていく東京タワーの工事と共に、夕日町三丁目という架空の町を舞台に下町に生きる人々の泣き笑いの日常が描かれている。
集団就職で上京してきた六ちゃんの住み込み先は自動車会社とは名ばかりの鈴木オート。ちょっと口が悪くて態度が横柄な社長は新し物好きで、息子は注文したテレビが届くのを今か今かと待っている。力道山のプロレスを見るのが楽しみなのだ。お向かいの茶川商店の主人は文学賞に落ちてばかりの売れない作家。子供向けの冒険小説を書いてなんとか生活している。ひょんなことから飲み屋の美人ママ・ヒロミから淳之介を預かることになる。最初は面倒だった子供との暮らしだったが、淳之介が茶川の冒険小説の大ファンだったことから、だんだんと変わっていく。
近所中が知り合いで、珍しいテレビを見に集まってきたり、突然大喧嘩が始まったり・・・。オープンで温かい人付き合いが残っている時代の良さが滲み出てくるような画面。30年以上も連載が続く漫画だけに、登場人物達も個性的で、画面の片隅の人でさえもあなどれない。
茶川と淳之介が心を通わせていく過程も良かったが、アクマ医師のエピソードが涙を誘う。戦争が遠くなかった時代、みんなの笑顔の奥にはたくさんの喪失が隠されている。だからこそ、人々は前へ前へと向かっていたのかもしれない。今という時代に生き残った者の責任として。そんな切ないエピソードはあるが、とにかく夕日町の人々が一生懸命生きている様子が見ているこちらにも活力を与えてくれるようで、特に江戸っ子の鈴木オートの歯切れの良いしゃべりが気持ちいい。しっかり奥さんの尻には敷かれているけど。堤真一がどんどん良い役者になってる。そして堀北真希はドラマ「野ブタ。をプロデュース」でも良いと思っていたけど、彼女の東北弁に惚れたかも。
「夕日町三丁目の一年」とも言えるこの映画、VFXが得意の山崎貴監督でなければこの昭和33年の東京の町は再現出来なかっただろう。
一緒に見に行った母もいろんなことを思い出して懐かしかったようだ。お隣に座ったご夫婦もしきりに懐かしがってコメントを挟みながら観賞しておられた(それは少々迷惑だったけど・・・)。監督の言うように、親子二世代のコミュニケーションツールとして十分機能する作品だと思う。
ちなみに母の家は早々に三種の神器は揃えたそうです。祖父が新し物好きだったので。氷の冷蔵庫は意外に長持ちしたそうですよ。

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4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
ピエール瀧 (にら)
2005-12-02 15:26:55
アクマ先生の過去のエピソードも切なかったですけど、ピエール瀧演ずる氷屋さんが無言で立ち去る未来へ、つまり現代に続くエピソードも、切なかったです。



てなわけで、TBありがとうございました。
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>にら さま (管理人)
2005-12-05 15:02:10
コメントありがとうございます。

氷屋さんの去っていく後ろ姿は本当に切なかったですね。

返信する
TBさせて頂きます。 (出田(nao))
2006-01-11 14:56:28
はじめまして、TBさせて頂きます。

この映画、懐かしくあたたかい映画でしたよね。

最後の夕日の場面は、とても印象的でした。

氷屋さんの場面も切なかったですよね。
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>nao さま (管理人)
2006-01-11 18:53:21
TB&コメントありがとうございます。

特撮CGを巧く使った心温まる作品になっていますよね。

最後の夕日は本物の夕日を待ったとか。昭和30年代への制作者側の思い入れも感じられます。
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