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teeter-totter

志野の映画やTVや本や旅行や美味しいモノに関する与太話。
日常つぶやきはtwitterです。ブックマークから。

映画「ブレイブストーリー」

2006-07-23 23:14:12 | 映画
ジャンル:アニメ
製作年:2006年
製作国:日本
配給:ワーナー・ブラザース映画
監督:千明孝一
原作:宮部みゆき
声の出演:松たか子/ウエンツ瑛士
大泉洋/常盤貴子/樹木希林


平凡な11歳の少年ワタルが、廃ビルにある扉の向こうに消えていった不思議な少年ミツルと出会う。突然の両親の離婚、倒れた母親を前に、ミツルの言った「扉の向こうに行けば運命を変えられる」言葉を思い出し、扉の向こうへ足を踏み入れる。そこに広がる「幻界」<ヴィジョン>という世界で見習い勇者として宝玉を集める旅をすることになったワタルは様々な人や出来事と出会っていく。


松たか子の少年声が可愛い。ウェンツも良い感じにクール。初めはそんなに抑揚ないからそれなりに聞こえるのかな、と思ったけど、最期の所のセリフとかの感情的なシーン良かった。二人のやりとりが泣かせました。そしてなによりミツルの幻の誕生日シーンは涙が。最近私泣きすぎ。どの映画でも泣いてる気が。
原作ファンの人にはいろいろ言いたいことがあるようですが、私は基本的に映画としての出来重視なんで原作云々はこだわりません。
ワーナーが世界配給を企むだけの作品ではあるなと思いました。GONZOってマニア過ぎてよく知らなかったんですが(TV「電車男」のOPくらい/笑)丁寧な作りでした。
宮部小説は推理&時代小説が好きなのでファンタジーはあまり手を出す気はなかったんですが、元々子供の描写は素晴らしく巧い人だから、こういうファンタジーは向いてるよなーと思います。
映画のラスト、あの終わり方すごく良いですね。あそこでEDに入るのが良い。曲も歌詞が合っていて、全体がまとまっていて観賞後「見たなー!」という気になりました。
夏休みに入ってすごい混雑でしたが、この夏は子供向けの楽しい作品が目白押しな感じですね(^-^)それより今回やっとリメイク版「イルマーレ」の予告が見られました。韓国オリジナル版大好きなのですが、キアヌ・リーブス&サンドラ・ブロックの中年カップルの落ち着いたラブストーリーとしても良さそうな感じです。なんにせよ水辺に浮かぶ家という設定が好きです。楽しみ。
それと、「日本以外全部沈没」が映画化するとか☆是非見たい(笑)
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金曜ロードショー「ハウルの動く城」(2004)

2006-07-21 23:48:01 | 映画
監督・脚本:宮崎駿
原作:ダイアナ・ウィン・ジョーンズ
音楽:久石譲


なんでDVDも持っているのに、金曜ロードショーで見てるんでしょうか(笑)。
渡英中だったのでスクリーンで見られなかったこの作品、ようやく見ました。
めっちゃラブストーリーでしたね。
ハウルのヘタレっぷりが良いですね。そしてキムタクの声がびっくり良かったです(たぶんこれが引っかかっててDVDも見てなかったんだよね)。
まあ今までの宮崎アニメと比べると確かに物語のまとまりがよくないですが、これはこれで良いと思いました。子供にはわかりにくいかもしれないけど、大人は自分で補完出来るし。
ハウルが綺麗なのでよし(笑)。

さて、いよいよゲド戦記が始まりますね!試写会さんざん落ちたから、早めに予約して見に行きたいなあ~っと。岡田アレンに会いに行くぞ☆



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映画「日本沈没」

2006-07-19 23:50:07 | 映画
2006年7月15日公開
ジャンル:パニック
製作年:2006年
製作国:日本
配給:東宝
監督:樋口真嗣
出演:草なぎ剛/柴咲コウ
/豊川悦司/大地真央/石坂浩二/及川光博


小松左京のベストセラー小説を映画化した1973年は、動員650万人、興行収入40億円を記録する大ヒットとなった。
それを今回、最新の地震学に基づいた新しい「日本沈没」としてリメイク。


最近増えてきた大きな地震。沼津での地震に巻き込まれた深海潜水艇わだつみ6500のパイロット・小野寺は、親を亡くした美咲と共に、ハイパーレスキュー隊員の玲子に助けられる。
日本海溝のプレートの大変動により、30年以内に日本全土が沈没することがわかった。動きの鈍い政治家たちを後目に、地震学者の田所により、30年ではなく1年以内に日本が沈没するという衝撃的な研究結果が出る。田所の元妻で文部科学大臣兼危機管理担当大臣の鷹森は国民を救うべく奔走するが、各地の火山噴火や地震、津波の被害は急増し、刻一刻と滅びの時が近づいていた---。


一年で日本は沈没する、なんて学説的にも無理のある設定ではありますが、各所に登場する最新の研究結果と防災対策が、一応の説得力を持たせています。六本木ヒルズもかくも簡単に崩壊してしまうのかと言う映像には、超高層タワーに住みたがる最近の傾向を戒める意味があるのかと思いますが、本当にいつやってくるか解らない大地震への備えの大切さを娯楽映画の中で訴え掛ける役割は十分に果たしていると思います。みなさん地震への日頃の備え、出来ていますか?(自分が一番出来てない・・・)
あちこち無理はあるのですが、素直に泣きどころでは泣かせて貰いました。ラブストーリーがこの作品の柱なので、レディースデーに関わらずカップル率が異常に高いのにも納得。一人でだーだー泣いててすみません。
阪神大震災で両親を失い、祖父が鳶の棟梁だったと思いこむことで自分を勇気づけてきた玲子の、自分のような不幸な子供を救いたいという気持ちでレスキュー隊員になった心の強さはすごいし、小野寺のように助かりたいと思う気持ちも当たり前のものです。子供に故郷の海を見せてやりたいと、危険なM2ミサイル設置に赴く結城(及川光博)の姿には心打たれました。ミッチーなのに格好いいお父さん!
やがて玲子の気持ちに触れ、自分だけが逃げるのではなく、彼女と彼女が守りたいものを守るために残ることを決意する小野寺の心の動きがこの映画の山場ですね。
現実に自分だったら迷いなくどうにか自分一人助かろうと考えるでしょうけれど(笑)、愛情の表現として命を懸ける姿は、感動します。
「アルマゲドン」みたいに娘のために命を懸けたブルース・ウィリスの遺影を横に、どんちゃん楽しげに結婚式をするリブ・タイラーとベン・アフレックのバカップルに殺意を抱いたのは記憶に新しいですが(せめてしんみりと幸せになってくれ!)、日本映画らしく静かに終わったのが良かったかと。
13年振りの映画出演だという大地真央の危機管理担当大臣として奔走する姿が凛々しくて格好良かった。やはりこういうとき、タカラヅカトップ女優の凛々しさ・格好良さは言うことありませんね。(「踊る大捜査線」の真矢みきしかり)。
トヨエツも久しぶりに格好いいと思いましたよ、田所博士。この間のSPドラマ「恋愛小説」で監督した「十八の夏」も良かったし。
ライオン宰相風石坂浩二ほか、随所に現代日本の風刺が効いていた点を評価。アメリカに見捨てられても大丈夫なように、アジア近隣諸国とは是非仲良くしておきましょうね!
でもってさすが樋口監督、テロップにはマニアックな出演者が。富野由悠紀、庵野安野夫妻、福井晴敏(笑)。
特撮映画の域は出ていませんが、面白い作品にはなっているのではないかと思います。
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映画「ココシリ」(2004/2006公開)

2006-07-19 23:28:41 | 映画
2006年6月3日公開
ジャンル:社会派ドラマ
製作年:2004年
製作国:中国
配給:ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント
監督:ルー・チュアン
出演:デュオ・ブジエ/チャン・レイ

ココシリ-海抜4700メートルの”最後の秘境”とも言われる山。
モンゴル語で「美しい山」、現地のチベット語で「美しい娘」を意味するそこは、息を呑む程の美しい山々と共に荒々しいまでの自然が横たわる場所でもあった。
密猟者のターゲットとされているチベットカモシカを守るため、地元の村人達が施設の山岳警備隊をつくっていると聞いた北京の記者・ガイは彼らの取材に訪れる。丁度その頃、密猟者によって警備の若者が射殺されていた。
お金も装備も何もかも足りない中、命を懸けてまでカモシカを守ろうとする警備隊と行動を共にするうち、彼らのココシリへの深い愛を感じる。密猟者のボスを追い深い深い山奥へ警備隊は入り込んで行くが、厳しい自然と密猟者達との追跡劇は-。

第17回東京国際映画祭審査員特別賞受賞。

実話に基づくストーリーを、180日オールチベットロケでスタッフみんなが高山病と闘いながら撮影された。
その救急車を待機させ、点滴を受けながら極寒の河に入った役者陣の作品への意気込みが、命がけで密猟者を追う山岳警備隊の気持ちと共鳴しあって、迫力ある映像となっています。
熱い熱い山の男たちの友情と敬愛のドラマです。こういうのは、女が見ても感動してしまうのですよね。都会っ子の記者が山の男たちと触れ合ううち、自然への敬意、仲間たちとの絆の強さを知って行く。幾人もの犠牲があり、ようやく世間に新聞記事という形で訴えでたそれが、ついに政府を動かし、保護区指定を得、正式な森林警備隊が出来たのです。今や一万頭にまで激減していたカモシカは五万頭にまで回復しつつあるといいます。そして中国各地からボランティアが自然保護のために集まるそうです。
真実のドラマほど、人を動かすものはありません。そしてその事実を伝えたい、という映画製作スタッフたちの熱い気持ちが伝わって来るような映画でした。
警備隊のリーダー、リータイを演ずるデュオ・ブジエが、男臭く、無口で、しかし仲間に慕われるカリスマ性のある人物で、何とも言えない人間味を感じさせてくれるいい男です。チベット映画界のスターらしいですが、我が日本の高倉健にも通じる何かがあるような。彼でなければ、仲間を死に追いやるほどの無茶をしてまで密猟者を追うリーダーにこれほどのカリスマ性は生まれなかったでしょう。観客がこの映画に感動できたのは、偏にリータイのココシリを愛する気持ちが解ったからだと思います。
チベットでは、死者は山の上に葬られ、それを鳥が啄みに来るという「鳥葬」のスタイルをとります。チベット僧が経を上げたら、村人達が鳥の食べやすいように遺体を小さく切ります。映画冒頭で、射殺された山岳隊の若者を鳥葬する場面に、酷く残酷なような気持ちに捕らわれました。死んだら、身体はタダの空っぽな器でしかないのか?と。しかし残酷なようで、それが最も死者と自然への畏敬の念を表しているのだと、作品の最後には思うようになりました。自然から生まれ、自然に帰る。それが人間の姿なのです。どんなに厳しい自然が襲い来ても、それを超えられるか超えられないか、それはすべて運命。その大いなる自然の遺志を曲げようと乱獲する密猟者へのリータイの憎悪は、彼らが自然を冒涜する姿に映っていたからでしょう。チベットの山での人々の生活は自然と共に生きていくしかないもの。人間は小さな小さな存在なのだということを、現代社会に生きる私たちに思い出させようとしてくれる作品です。


コメント (8)
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映画「バルトの楽園(がくえん)」

2006-06-29 23:50:47 | 映画
2006年6月17日公開
ジャンル:ヒューマン
製作年:2006年
製作国:日本
配給:東映
監督:出目昌伸
出演:松平健/ブルーノ・ガンツ
阿部寛/國村隼/高島礼子/大後寿々花

ベートーヴェンの「交響曲第九番 歓喜の歌」が日本で初演奏されたドイツ兵俘虜収容所の実話に基づいた作品。

第一次世界大戦で、ドイツ極東の拠点だった青島を攻略した日本軍は4700名のドイツ兵を捕虜にする。日本の各地の俘虜収容所に送られたドイツ兵達は劣悪な環境の中、暮らしていたが、二年後移った徳島県鳴門市にある板東収容所は、収容所所長・松江の方針で自由で豊かな環境だった。パンを焼き、新聞を印刷し、音楽を教え、柔道を習い、夜は酒保でビールを飲む。夏には海で泳ぐことさえ出来た。そんな松江所長の寛容さは、彼が明治維新で苦渋を呑まされた会津藩士の血を引いていたからだった・・・。

「バルトの楽園」を「バルト海のらくえん」なんだと思ってました・・・どうしてドイツなのにバルト海なんだろう、と。バルトって独語では「髭」なんですね。そして「楽園(らくえん)」ではなく「音楽の園」だったと。いろいろ誤解をしたまま見に行ってしまいましたが、戦争モノというのではなく、心の交流を描いた作品でした。
先頃上映された「戦場のアリア」も、クリスマスの一夜、敵味方なく共にクリスマスを祝う、という感動モノでしたが、一部では「美しすぎる話」と言われたようです。「バルトの楽園」も、そういう意味では日独という第一次世界大戦においては敵味方であった者同士が、収容所において捕虜の待遇を良く扱うという、ちょっと自己賛美的な作品と思われても仕方ない感じのお話です。しかし、「戦場のアリア」も「バルトの楽園」も共に実話に基づいた話。つまり、戦争とは悲惨なもので、友情や愛情などの差し挟む余地はないものであるのも事実ですが、ほんの一部でも、本当に心を通じ合うような出来事があった---それが人間らしさだった、というような、「たまにはこんなことがあってもいいさ」と思わせてくれるような映画だということです。パンフレットのブルーノ・ガンツのインタビューにも複雑な心境を答えていますが、それも松江所長が敗者の気持ちを理解出来る会津藩士の息子であった、ということから納得したと言う風にありました。ただの「勝者が敗者に優しくしたんだよ宣伝」ではない作品になったのは、この明治維新で日本人同士が勝者と敗者になった、という事実があるから。映画を観るまではまさか維新の話が出てくるとは思わなかったので、この意外に日本人自身が知らない維新~第一次世界大戦の歴史を再認識させられました。松平健が軍人役というのもはじめは
ピンと来なかったのですが、「会津藩士としての誇り、サムライとしての誇り」を大事にした松江という軍人の役としては、ぴったりだったと思います。
ブルーノ・ガンツが「ヒトラー~最後の12日間」に続いてドイツ軍人役を受けてくれたのは嬉しかったですね。そして他のドイツ兵達も良い役者さんたちが揃っていて見応えがありました。ユーハイムを創業してくれたカルルさんと志を(大後寿々花)ちゃんのエピソードは微笑ましかったです。ありがとう美味しいお菓子を広め
てくれてカルルさん!阿部寛のちょっと堅物の伊東少尉も良かったです。
クライマックスの第九のシーンはスクリーンで聴くと迫力ありますね。年末の第九、という日本独自の風習(外国にはないそうな)の原点を見た感じです。第九を聴きながら、席を立って亡くなった部下の墓に向かい佇むハインリッヒ総督(ブルーノ・ガンツ)がじわじわ感動させてくれました。初めはドイツ兵に優しくすることに反対していた伊東少尉が総督に何も言わず上着を着せてあげるシーンも。
総制作費15億円というのは、殆ど収容所セットとドイツキャストの分だと思うのですが、大作というイメージよりも、心温まる小品という感じでしたね。徳島にあるという収容所ロケセット、見に行ってみたいなあと思います。「大和」も行ったことだし。
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映画「ダ・ヴィンチ・コード」

2006-06-28 23:52:01 | 映画
2006年5月20日公開
ジャンル:歴史
製作年:2005年
製作国:アメリカ
配給:ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント
監督:ロン・ハワード
製作:ブライアン・グレイザー
出演:トム・ハンクス/オドレイ・トトゥ/イアン・マッケラン
ジャン・レノ/ポール・ベタニー

全世界で5000万部を超えるベストセラーの映画化、そして内容がキリスト教を冒涜しているとの批判により上映禁止になる国もあるという話題の作品。

ルーヴル美術館長のソニエールが殺され、パリを訪れていたハーヴァード大学教授のラングドンはフランス司法警察のファーシュ警部にその殺害容疑を掛けられる。そこに現れたソニエールの孫娘で暗号解読官のソフィーと共に、ソニエールの死の謎を解明するために動き出す。その裏には驚くべき秘密が隠されていた・・・。

敢えて原作未読で映画を鑑賞しました。あの膨大なページ数の原作を二時間強の作品にまとめるには随分カットされているだろうと思ったからです。純粋に映画を楽しむには何も知らないのが一番だろうと思ったワケですが・・・大正解でした。
次々現れる謎、ヨーロッパの隠された歴史、ダ・ヴィンチの絵に隠された真実、暗闇に葬られた宗教対立などなど、次はどうなるのかとハラハラしながら見ることが出来ました。最後のオチは途中から予想尽きましたが、着地点としては納得。そしてすべての謎はルーヴルに帰るってな感じで輪になっているのは作品的に好きです。歴史って、いろんな解釈が出来るからこそ面白い、というのを久々に思い出させてくれるストーリーでした。ダン・ブラウンの読者を引き込む巧さが解った気がします。さすが世界ベストセラー。
オドレイ・トトゥが、気の強いしっかりした女性を好演してましたね。トム・ハンクスのラングドン教授は原作のイメージとの違いはわかりませんが、オドレイとのコンビは良い感じだったと思います。ジャン・レノのファーシュ警部は原作者が彼をイメージして書いたというだけあってまさにジャン・レノ。最後は刑事としての仕事を全うする辺りが彼らしい。そして、なんといってもポール・ベタニーのシラスが可哀相でした・・・心酔していたが故に狂気に走り、そして最後は・・・哀れな・・・。原作の方が彼に救いがあると言うので、そのうち救済を図りたいと思います。しかしベタニーって色素薄いよねえ、いつも。そしてあれは痛そうでした・・・。
パリ、ロンドンの街並みそして美術館や寺院など魅力溢れる場所での撮影が旅行気分にさせてくれて楽しかったです。スマートでパリの街を走り回るのは小回りがきいて非常に良いなあと思いました(笑)。昨年「最後の晩餐」を見にサンタ・マリア・デレ・グラツィエ教会に行った時はダ・ヴィンチ・コードに出てくるとかは意識しませんでしたが、確かにあの絵にはなんらかの謎を感じました。それもダ・ヴィンチの魅力なのでしょうね。また数年振りにモナ・リザに会いにルーヴル美術館に行きたくなりました。世の中でダ・ヴィンチツアーが流行っているのも納得。でも、旅先で騒いだり、迷惑を掛けたりは控えましょう(笑)。
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映画「DEATH NOTE デスノート 前編」

2006-06-28 23:51:25 | 映画
2006年6月17日公開
ジャンル:サスペンス
製作年:2006年
製作国:日本
配給:ワーナー・ブラザース映画
監督:金子修介
原作:大場つぐみ/小畑健
出演:藤原竜也/松山ケンイチ
瀬戸朝香/香椎由宇
細川茂樹/戸田恵梨香
中村獅堂(声)

1,400万部を売り上げる週刊少年ジャンプ連載のコミックを、前・後の二編に分けて映画化。

名前を書かれた人は死ぬというデス・ノートを巡り、天才的な頭脳を持つ二人の青年、ノートの拾い主・夜神月(ライト)=犯罪者のみを対象にした謎の連続殺人を行うキラ、それを追う探偵・L(エル)の緻密で息を呑む頭脳戦の攻防。

原作は少年マンガとは思えない程の台詞・解説の量で、少年誌では異色の連載でした。それを映画は説明は極力廃しながら、映像で説得力をもって見せてくれています。漫画の説明では???となった人も解りやすいのでは?
金子監督らしい、スピード感のある場面展開が、緊張感と推理合戦の迫力を見る側に一緒に味わわせてくれます。残酷なストーリー展開ではありますが、ゲーム感覚だけではない、生身の「死」という感覚も忘れていない演出が(特にFBI捜査官レイのエピソード)、若者だけでなく大人の観賞にも耐えうるかと。
オリジナルの登場人物である、月の恋人・詩織が、原作未読の視聴者の視点で物語を進めさせてくれます。オリジナル設定が成功している珍しい例ではないでしょうか。
そしてかなり漫画原作のキャラに忠実にキャスティングされているのも見所。登場時から大学生の月たちは俳優達の年齢に鑑みると仕方ないですが、特に松山ケンイチ演じるLは出色。仕草といい、表情といい、始終お菓子を食べている様子といい、原作そのままのLが居るようです。藤原竜也の月はさすが彼の演技力で無難ですが(主役としてはもちろんそれで良いワケで。彼のクールな演技は大好きです。)、松山ケンイチって何色にも染まる達者な俳優なんだなあと改めて思いました。そして鹿賀丈史演じる月の父であり、キラ事件の捜査本部長である夜神総一郎がこれでもかというくらい格好良い。警察責任者として事件の謎を追う彼の姿が、奇抜な存在であるLだけなら共感し難いキラ捜査を、視聴者にも「正義感」「責任感」という観点から見させてくれます。後編ではその他の警察メンバーも活躍してくれるでしょうから(特に松田!)、それも楽しみな所です。そしてなんといっても、藤村俊二演じるワタリ!まさに執事(秘書)スキーな方には注目ポイント。あの髭、あの帽子、あのスーツ、そしてあの控えめな態度。素晴らしい配役です、はい。そしてCGの死神・リュークの声は「あらしの夜に」で無骨で心温まる狼を演じた中村獅堂。彼の声、ホント味のある良い声です。CGリュークと月のやりとり、しっくりくる場面に、日本のCG技術も向上してきたなあと実感。
公式サイトもまるでゲームのサウンドのベルのような面白い造りになっていて、細かい所まで造り込んでいる感がたまりません。
大ヒットを記録し、海外配給も決まっているこの作品、秋の後編も期待したい所です。
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TV「サハラに舞う羽根」(2002)

2006-06-22 23:14:23 | 映画
製作年 : 2002年
製作国 : アメリカ=イギリス
配給 : アミューズピクチャーズ
監督:シェーカル・カプール
原作:A.E.W.メイスン
音楽:ジェームズ・ホーナー
出演:ヒース・レジャー
ウェス・ベントレー
ケイト・ハドスン
ジャイモン・ハンスゥ


過去6度映像化された英国文学の古典が原作。

1884年、将軍の父の期待通りにエリート士官の道を歩んでいたハリーは、婚約者のエスネ、親友のジャックら仲間に囲まれて平和な生活を送っていた。しかし戦うことに疑問を感じていたハリーは部隊のスーダン赴任を機に除隊を申し出る。仲間や婚約者からも臆病者をそしられるとも思わずに。
臆病者を示す白い羽根を仲間やエスネから送られ、父親からも見放されすべてを喪ったハリーは、羽根を送らなかった親友ジャックの「君になら命を預けられる」との言葉を思い出し、単身スーダンへ向かう。何か自分に出来ることで仲間の信頼を取り戻そう、勇気を示そうと・・・。

親友ジャック(ウェス・ベントレー)が可哀相すぎます!
この映画、苦労知らずのお坊ちゃんハリー(ヒース・レジャー)の成長物語かとは思います。が、ジャックが哀れ・・・。好きだった女性は親友の婚約者、潔く諦めていたところ、命を預けても良いと思うくらい信頼していたその親友に戦争に意義を感じられないとか言ってさっさと除隊され、それでも白い羽根を送ったりもせず、落ち込むエスネを慰める内にやはり愛情が強まるのも自然の成り行き。戦地から戻ったら結婚を申し込むと決意したのを仲間にはぎこちなく祝福され、戦争で目をやられ誰だかわからん男に救われ、盲目のまま帰って来てようやくエスネと結婚することが決まった矢先ハリーが帰って来てしまう。そして何も言わないハリーが、自分の命を救ってくれた男だと気づいてしまうのだった。結局「女王陛下のため、大英帝国のため戦う」のではなく「隣のあいつ、親友のために戦う」のだと、愛する女性と親友の幸福を願って身を引くのだった・・・・。
ほら、可哀相すぎませんか。
ハリーが苦労するのは、いわば自業自得なんですよ。そもそも仲間や婚約者の信頼を裏切るような行為をしたのだもの。なのに、結局そのお坊ちゃんな素直な性格が傭兵アブーの助けや、仲間の信頼を取り戻し、結局エスネの愛情も最後まで失うこともなかったんだもの。ジャックにはいつ幸せが訪れるのだー。
ヒース・レジャーってあのカオで何気に人を不幸にするよね(苦笑)。不幸になる人もそれでしょうがないと思っているところが救いようがない・・・。
一緒にテレビを見ていた母が、ジャックがハリーに「命を預けられるのはお前しかいない」と言ったのを見て「男同士の話?」と聞いたのには吃驚。お母様、あなた「ブロークバック・マウンテン」も見ていないのにどうしてそんな発想を!?・・・おそるべし。
とにかく、ジャックの幸せを祈りたくなる話でございました。
イギリス人ってこういう話好きだよねー。


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映画「インサイド・マン」

2006-06-21 23:49:53 | 映画
監督:スパイク・リー
製作:ブライアン・グレイザー
出演:デンゼル・ワシントン
クライブ・オーウェン
ジョディ・フォスター

マンハッタン信託銀行で強盗事件が発生。犯人グループのリーダー・ダルトンと交渉にあたる刑事フレイジャー。銀行の会長からある依頼を受けて現場にやってきた腕利きの女弁護士マデリーン。人質50人を取り型どおりの要求をしてくる犯人たちだが、その裏には驚くべき事実が隠されていた・・・。

デンゼル・ワシントン、クライブ・オーウェンそしてジョディ・フォスターという豪華キャストが生んだ緊張感溢れるクライム・サスペンス。
クライブ・オーウェン演じるダルトンは頭脳明晰、冷静沈着な犯人だが、冒頭のシーンから観客をミスリードしていくその存在感はさすが。対するデンゼル・ワシントン演じるフレイジャーは有能だが、結婚を迫る彼女に悩み、仕事では内務調査課から汚職の疑いをかけられ仕事を干されていた。そんな日常的な日々に割り込んできた銀行強盗事件。犯人との巧妙なやりとり、突然現れた不可解な女弁護士の行動・・・会話の奥に真実を掴んでいくフレイジャーは、後半その真実を明るみにする為に行動を起こす。
単なる強盗事件だと思っていたら意外な方向に話が転がっていくのが非常に興味深い。そして大胆な犯行にも拘わらず、蓋を開けてみると誰一人血を流すことなく見事な方法で犯人達は現場から消え去る。
脚本の妙とスパイク・リーの映像に最後まで騙されていたことに気づく終幕は、久々に面白い犯罪モノを見せて貰ったと満足しました。観客をミスリードさせる構成がうまい。
鮮やかに犯行を完遂する。それが映画の醍醐味だと思いますね。最近の人質モノは後味悪く犯人が死んでいくが多くて辟易してましたから。
劇中の子供が遊んでいるゲーム(ヤクを売るゲーム。バレたらどんどん撃ち殺せ!)を酷いゲームだという銀行強盗・ダルトン。銀行強盗はポイントが高いそうですが、なんともバイオレンス溢れる世の中を風刺しています。こういう現代を皮肉るシーンが随所に出てくるのもスパイク・リーならでは。人種問題がさりげなくあちこちに絡んでいる所も。
「インサイド・マン」というのは「(壁の)内側にいる者」「(銀行会長の)内情を知る者」をかけているのかなーと思います。
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映画「オーメン」

2006-06-21 23:33:30 | 映画
2006/06/06公開
ジャンル:ホラー
製作年:2006年
製作国:アメリカ
配給:20世紀フォックス映画
監督:ジョン・ムーア
出演:リーヴ・シュライバー
ジュリア・スタイルズ
ショーン・フィッツパトリック

666は悪魔の数字。
ホラー映画の名作「オーメン」をリメイク。

2006年6月6日全世界同時公開という素敵な仕掛け。オリジナル「オーメン」のファンとしては見に行かねばなりません。

6月6日午前6時にこの世に誕生した赤ん坊ダミアン。彼を実子として育てることにしたアメリカ外交官ロバートは妻のキャサリンと幸せな家庭を築いていた。
しかしダミアンが成長するに従い、次々と不幸が起き始める。神父の警告を信じなかったロバートだが、その神父が奇怪な死に方をしてから、ダミアンのことを調べ始める。
身体に666の数字の痣を持つならば、その子供は悪魔の子なのだという。果たして聖書の予言通り、悪魔の子が誕生したのか・・・。

「エネミー・ライン」のジョン・ムーアがホラー映画を撮るというので、どんな作品に仕上がっているのかというのが気になるところでした。オリジナルの怖さを踏襲しつつ、現代風味にうまく仕上げている印象。
アメリカ大統領の名付け子であるエリート外交官ロバートを、リーヴ・シュライバーが良い感じに演じています。実の子と思い可愛がっていた子供が、ある日と境にまるで見知らぬ何かになっていく恐怖。悪魔の手先である家政婦ベイロック夫人に「ローズマリーの赤ちゃん」のミア・ファローを配しているのも妙味が効いています。
映画初出演のショーン・フィッツパトリックのダミアンも愛らしく現代っ子な感じでありながら、その表情には怖さが。
デジカメにも写ってしまう悪魔の力(笑)、オリジナルと比較するとやはりそちらが雰囲気も何もかも勝っているように思ってしまうのですが(雰囲気もなにもかも好きなので~)、今度のオーメンのダミアンがどんな風に成長していくのかも見てみたいところです。是非「オーメン2・3」を。
モダン・ホラーは演出が怖くて見られませんが、こういう古典ホラーは大好きです。
R-15なのですが、最近のホラーなど見ていると、アレくらいの惨劇は大したことないように思えてしまうのが哀しいですね・・・。

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666は悪魔の数字 映画「オーメン」

2006-06-06 23:08:22 | 映画
てなわけで、2006年6月6日(666)の今日ダミアンが再び世に放たれたわけなんですが・・・大阪ではダミアン君は高槻や伊丹にしか放たれてくれないようで。
そんなローカルな・・・。
梅田の映画館でやってくれよう(涙)
オリジナル版(1976)は名作です。のでリメイクがどうなっているのか非常に気になります。せっかくCGが進歩してるんだから、そこらへんは見応えあると思うのですが、クラシックな雰囲気を残していてほしいなあ~。
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映画「心霊写真」おまけ?

2006-05-26 23:23:42 | 映画
姉上から荷物が送られてきました。
一番上の袋を開けるとこれが。
・・・いやがらせか?

映画「心霊写真」のおまけボールペンだそうですが。
しかもインクは赤です。書き出すと筆圧で人形が光る。
なんて怖ろしい!!
jホラーの後はコリア・ホラー、そして今はタイ・ホラーなんでしょうか。
今日もペン立てに人形は大人しく収まっていて、くれるといい。
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映画「RENT レント」

2006-05-24 23:31:53 | 映画
2006/04/29公開
ジャンル:ミュージカル
製作年:2005年
製作国:アメリカ
配給:ブエナ ビスタ インターナショナル(ジャパン)
監督:クリス・コロンバス
出演:アダム・パスカル
ロサリオ・ドーソン
アンソニー・ラップ
ジェシー・L・マーティン
ウィルソン・ジェレマン・へレディア
テイ・ディグス

ニューヨークのイースト・ヴィレッジには今日も芸術家の卵たちが生活に苦労しながらも生きている。家賃を払えずアパートを追い出されそうになっているロジャーとマーク。ロジャーは恋人をHIVで亡くし、自身もその病にかかり作曲することが出来なくなっている。マークはドキュメンタリー映画を撮ることを夢見ながら今日も街を自転車で走っている。
90年代、若者に蔓延したHIVの恐怖と明日を夢見る芸術家達の出会い、別れ、そして生きる喜びを唄ったミュージカル。

トニー賞・ピュリッツァー賞を受賞したミュージカル『RENT』がほぼ初演オリジナルキャストでついに映画化。日本版の舞台でマークを演じたのは山本耕史。

RENTは特にHIVの認識の甘い日本人は特に見る必要があるかと思います。治療薬も開発されつつあり、以前より不治のイメージが払拭されているとはいえ、個々人が注意しなければいけない恐ろしい病気には違いないのです。それでも芸術を夢見るニューヨークの青年たちの情熱が迸るテーマ・ソング「Seasons of Love」は感動的です。一年は525600分。その長さをどうやって計るのか。人生における一年の長さは永遠のようでもあり、一瞬のようでもあり。それでもその中で人々は愛し合い、懸命に今日と言う日を生きるのです。
有名ミュージカルで、なんとなくは知っていましたが、芸術家を目指す若者たちの群像劇かなーと思っていました。でもそれよりもなによりも、「生きる」ということを考えさせられるストーリーです。特に共にHIVのコリンズとエンジェルの生き方は涙なしにはいられなかった。エンジェルは本当に天使のような人でコリンズを幸せにしてあげたんだなーと。
愛・友情・仲間。そんな絆の大切さを感じる映画でした。

『NO DAY BUT TODAY』(ただ今日という日があるだけ)
肝に銘じて生きていかなきゃね。
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映画「グッドナイト&グッドラック Good Night & Good Luck」

2006-05-24 23:30:48 | 映画
2006/04/29公開
ジャンル:ヒューマン
製作年:2005年
製作国:アメリカ
配給:東北新社
監督:ジョージ・クルーニー
出演:ジョージ・クルーニー
デヴィッド・ストラザーン
ロバート・ダウニー・jr
パトリシア・クラークソン
ジェフ・ダニエルズ

共産主義者をアメリカから追放しようという上院議員マッカーシーのいわゆるマッカーシズムに敢然と立ち向かったジャーナリスト、エド・マローと片腕のプロデューサー、フレンドリー、そして番組スタッフたち。妨害に合い、批判を受け、ついには自殺者を出しながら、それでも人間の尊厳と権利を賭けて闘った男たちの物語。

ジョージ・クルーニー監督による作品。尊敬するマローの映画化を切望したそうです。アカデミー賞主要6部門ノミネートされた重厚な社会派作品。ジョージ・クルーニーはなんであんなに器用なんだろうと思わされる巧さです。抑制の効いたモノクロ映像と間に流れるジャズ、そして実際の映像を織り交ぜた構成は緊迫感溢れるあの時代に生きたジャーナリスト達の情熱を静かに伝えるもので、番組の決め科白である「グッドナイト&グッドラック」が所々に抜群のタイミングで入り、マローの生き様の何とも言えない孤高さ、格好良さを表しています。デヴィッド・ストラザーンのエド・マローはハンフリー・ボガードみたいにカッコイイ!
ジャーナリズムは常に真実を追究し、硬派でありたい、というクルーニーの現代のジャーナリズムへの警鐘のような作品ではないかと思いました。
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映画「ナイロビの蜂」

2006-05-23 16:16:15 | 映画
2006/05/13公開
ジャンル:恋愛
製作年:2005年
製作国:イギリス
配給:ギャガ・コミュニケーションズ
監督:フェルナンド・メイレレス
出演:レイフ・ファインズ
レイチェル・ワイズ


英国外務省一等書記官のジャスティンは、スラムの医療施設を改善する救援活動に力を注ぐ妻のテッサと同行の黒人医師アーノルドをナイロビ空港へ見送る。その数日後、湖畔で無惨に殺された彼女が発見される。初めは浮気を疑ったジャスティンだったが、死因を調べる内に、その背後には製薬会社や国家が関わる世界的陰謀が浮かび上がってきた。テッサはその陰謀を暴くべく、アーノルドと調査していた結果、殺されたのだった。ジャスティンは自分を巻き込みたくないと何も打ち明けなかったテッサの深い愛情を理解し、彼女の遺志を次ぐために真相を明らかにしようとするのだったが・・・。


アフリカの大地の映像が美しかったです。過酷なまでの自然溢れるあの大地で、今日も多くの人が死んでいるのでしょう。その命の単価を安いと見積もった製薬会社が彼らに無断で新薬の実験を行うという、現代社会の問題を夫婦の愛情の在り方にくるんだストーリーは単純な謀略小説でもなく、恋愛小説でもなく。しかし新薬の話は他人事ではないですよね。世界の新薬開発競争は新聞を見るだにこの映画のような事が実際まかり通っているのかもしれないと想像してしまう。怖ろしいことです。人は人を犠牲にしても良いのか?普遍的な問いですよね。
ジャスティンは争いを好まず、名門出身故に外交官の道を歩んだ庭いじりが好きな穏やかな人。対してテッサは莫大な資産を持ち、革命的な思想に共鳴しながら貧困救済などを自ら飛び込んで行う行動的な女性。テッサを妻としてアフリカへ連れていくことを選んだ時から、ジャスティンの穏やかな人生は波を受けずには済まなかったでしょう。お互いの愛情の示し方が違っていたから、彼女を喪って初めて彼女のジャスティンへの深い愛を知り、衝撃を受けるジャスティン。彼のテッサへの穏やかな愛情は生きているテッサに果たして伝わっていたのだろうか。彼女への真の愛情を示すために選んだジャスティンの行動はあまりにも哀しい・・・でもそれも愛なのかなあ。
美しい湖畔に佇むジャスティンのすべてを受け入れて「君の所に帰るよ・・・」と呟く最後が象徴的でした。
邦題が「ナイロビの蜂」ですが、原題の「The Constant Gardener」の方がこの作品の本質を突いていると思うのです。ナイロビの蜂じゃ謀略が主みたいで違和感が。
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