渋いっ!僕らのTokyo Jazz Cruising♪~今夜も出航!~

Live cafe & bar 池袋Apple Jump(アップルジャンプ)店主の日誌

バーボン・バックをもう一杯!~謎のシンガー遠藤雅美を追って~

2008年06月18日 | ジャズ・ボーカル・ライブ
停泊地)立川Jesse James(08.6/11)
メインアーティスト)遠藤 雅美(vo)、井上 ゆかり(p)、平岡 雄一郎(g)

本日登場する遠藤雅美さんに関して、事前の情報は全くありませんでした。
そもそも、今時珍しくホームページがありません。なので、どんなルックスなのか、どんな経歴の持ち主なのか、又どんな志向のシンガーなのか全く判りません。
唯一の手がかりは、信頼置ける女性ボーカルウォッチャーからの情報です。
“六本木alfieに時々出演する遠藤雅美というボーカルがいて、面白いらしい。”という情報です。
ここに出演する演奏者は勿論日本でトップクラスです。シンガーでいえば、ケイコ・リーさんや伊藤君子さんといったところ。お金を払ってでも出演させて欲しいというシンガーはいくらでもいます。

その遠藤さんが、最近立川ジェシー・ジェイムス(通称立川JJ)にブッキングされているということで、本日出航となった訳です。
この店は、バーボンとボリューム満点のステーキが特徴です。ちょっと、アメリカンなライブレストランと言った感じで、カントリーシンガーのウィーリー・ネルソンやエミルー・ハリスが飛び出してきそうです!(かなり、例えが古いぞ!)

そしてアルコールは、なんとバーボン以外はビールしか置いていない!
以前着たときは気付かずに、いつものジントニックをオーダーしたら、出来ないといわれました。
ジンを置いてないBarがあるのかと、この時は目が点になりましたね。
ということで今回は、メーカーズ・マークでバーボンバックを作ってもらいました。このバーボンバックは、ジントニックに次ぐお気に入りカクテル。
バーボンをジンジャーエールで割り、レモンを絞って軽くステアすれば出来上がり。とても飲みやすくておいしいので、家でもほとんどこれを飲んでます。

さてステージの方は、ジョビンの名曲「エスターテ」をインストでスタート。
素晴らしいデュオです。こういった密度の濃い演奏を聴くと、そもそもベースやドラム、いらないじゃんという感じです。
2人ともその完成度の高く堅実なプレイで、シンガーや管楽器プレーヤーなどからの競演オファーが絶えません。超売れっ子ミュージシャンですね。

ピアノの井上さんに関しては、以前“当世ミュージシャン気質”で紹介しています。常に前向きで、ファンサービス満点。今日も休憩時間には、自分のスケジュールを美しいフライヤーにしたものを持って、ぐるっと回って宣伝してました。これ、編集ソフトのフォトショップとかを駆使して自分で作っているらしいです。
HPの日誌も365日、何年も毎日更新しているそうです。(うわー、すいませんでした。私にはできません。)
今日は、開演の10分前ぐらいに、トレードマークのワインレッドのボストンバックを下げて入ってきました。つまり、リハなしの初見ですね。
いつもいろんな人のサポートをしているので、聞いたことがない曲が頻繁に登場するらしいです。それをコードとメロディーだけが記載された譜面をもとに、凄い完成度の高い音楽へあっという間に持って行きます。まるで手品みたいですね。
レパートリーは2000曲ぐらいあるそうですよ。
左手でベースラインを弾きながら、右手でシェーカーを振るという匠の技も時折見せてくれます。これ、結構難しいです。

そして、遠藤さんが登場して、スタンダードの「Just In Time」でスタート。
ロックバンド「アメリカ」のナンバーや、S・ワンダーの「Overjoyed」をはさんで、最後は、ご機嫌なスイングナンバー「Almost like being love」で締めくくり。
いやー、遠藤さん、すごく良いですね。元々、アメリカンロックやA.O.Rが好きで、後付でジャズのレパートリーを増やしていったようです。だからなのか、声が太くて強いです。ひと口にジャズシンガーといっても、Rootsがいろいろあり、個性豊かでなかなか楽しいです。

それからMCがとても面白いです。ちょっととぼけた感じで、女優の高畑淳子さんに雰囲気が似ています。(若いのにすいません、あくまでも愛嬌のある雰囲気がというところがですよ! ふー、パソコン苦手だって言ってましたから、これ読んでませんよね・・・)
芝居がかっていて、マジなのかジョークなのか掴めません。不思議なエピソードを話しているうちに、いつの間にか次の曲の紹介に繋がっていったりします。
計算してしゃべってるのかな?
とにかくユニークな雰囲気を持っていて、さすが謎のシンガーだな、という感じです。

2部に入って、何曲かスタンダードを唄ったあと、ついに出ました。
トム・ウェイツの「Downtown Train」。ロッド・スチュワートのカヴァーでヒットした渋いナンバーです。井上さんと平岡さんの好サポートもあって、本日一番の名唄ですね。最後はバラード「Someone to watch over me」でしっとりと締めくくり。

まさか今日トム・ウェイツが聞けるとは思いもしませんでした。女性シンガーでは、聞いたことありませんね。これは、ギターの平岡さんからのアイデアらしいです。今度は「オール'55」を唄ってくれないかな。

このアメリカンなバーでバーボンを飲みながら、渋いトム・ウェイツのナンバーと謎のシンガーを堪能。
思わず、「マスター、バーボンバックをもう一杯!」と止まりません。
そして「彼女にも一杯さし上げて。」
なんてセリフを吐いたら、気分はもう'70年代の片岡 義男の世界ですよ!
(あっ!若い人にはまったく通じませんね・・・)


(追記)
このお話には、後日談があります。

遠藤 雅美、オール'55を唄う! ~謎のシンガーアゲイン~

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