俳優は自分以外の俳優に対して厳しい。
表現者として生きようとする俳優は、自分以外の俳優の表現に対して厳しい視線を送る。そしてその目線で自分の表現を点検する。それは自分を表現者として確立する為に必要な態度である。
ところがだ・・・。ところが俳優を目指す者の中には、往々にして他人に厳しく自分に甘くといった者がいる。
しかもその傾向を持つ者は、それを正当化する為の自分に都合のいい論理武装をしているから始末が悪い。しかしその論理は底が浅く、どこかで聞きかじったものを自分に都合よく変えた手前勝手な論理である事が多い。
そこには自分自身に対する期待は見られない。
はっきり言おう。半世紀近くを芝居に世界に身を置き続けている者から言わせてもらえば、そういった者はしばらくすれば演劇の世界からは姿を消している筈だ。
表現は具体である。具体を手に入れるためには、その要求から逃げない事が肝要である。考える事が必要であり、汗をかく事が必要なのだ。そして何より本質を聞き取りそれを素直にやってみる心が必要なのである。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます