京都社会保障推進協議会ブログ

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一部負担金に係る2つの通知文書(1)

2009年08月05日 00時21分15秒 | 資料&情報
 国民健康保険法第42条及び44条に係る2つの通知文書が7月に相次いで厚労省から出されました。
 すべての市町村で国保44条に基づく一部負担金の減免・免除規定の運用を改善していくためにも、厚労省通知文書の内容を検討していきます。

 2つの通知文書とは、
①7月1日付「生活に困窮する国民健康保険の被保険者に対する対応について」
②7月10日付「国民健康保険における一部負担金の適切な運用に係るモデル事業の実施について」
であり、いずれも「医療機関の未収金問題に関する検討会報告書」に基づく対応として出されたものであり、医療機関が患者さんから窓口で受け取る一部負担金問題の扱いについての文書と言えます。


 まず、マスコミの報道記事を紹介します。


 

国保加入者の滞納治療費、市町村の徴収に厚労省が基準作り

「悪質滞納」なら差し押さえも

 厚生労働省は、国民健康保険に加入している人が病院で治療費を払わない未収金問題の対策として、市町村が病院に代わり患者から未収金を徴収する制度の運用基準を設けることを決めた。
 9月から全国でモデル事業を実施し基準の内容を詰め、来年度中に全市町村に通知する。
 市町村による未収金の徴収は国民健康保険法に規定されており、病院が努力しても回収できなかった場合、同保険を運営する市町村に要請して、財産差し押さえなどができる。しかし、病院がどこまで督促の努力をすれば市町村が徴収に乗り出すのかなど、運用基準が定まっていない。このため厚労省の調べでは、2006年度に実施されたのは34市町村の86件、回収額は33万円にとどまっている。
 今回始めるモデル事業は、各都道府県で1市町村以上を選定し、各市町村と医療機関で協議会を設置し、連携方法を確認する。医療機関は患者の治療終了から3か月過ぎても治療費未払いの場合、電話での支払い催促や内容証明郵便での督促状送付を行い、市町村も催促を始める。半年過ぎて、医療機関が催促や督促状送付、患者訪問を行っても回収できない場合は市町村が財産の調査に入る。払える能力があるのに払わない「悪質滞納」と認定すれば預金の差し押さえなどを行う。
 厚労省はモデル事業終了後、これら一連の手続きを検証し、運用基準として正式決定する予定だ。
 民間の医療機関でつくる「四病院団体協議会」の推計では、加盟5570病院の未収金総額は2002~04年度で853億円を超える。こうした未収金は病院の赤字として処理されており、厚生労働省の未収金問題検討会の資料によると、06年度には1病院あたり約277万円の未収金を損失計上した。厚労省は、未収金の約4割は国民健康保険加入の患者によるもの、約1割は「悪質滞納」とみている。(2009年7月30日  読売新聞)

  読売新聞記事


 医療機関にとって一部負担金の「未収金問題」は深刻な事態です。何らかの解決方法が必要であることは言うまでもありません。
 しかし、今回の厚労省通知ではたして解決する方向に向かうのでしょうか。次回から、具体的な文書内容の検討を行っていきます。


(以上 つづく)


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