夕焼け金魚 

不思議な話
小説もどきや日々の出来事
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街の匂い

2013-12-04 | 創作
昔の街には臭いがあった。どぶ板通りのドブ臭い臭いとか、乾物屋が多い通りは、乾物臭いというか匂いがあった。 お屋敷町には庭木の匂いがして、杏や柿の木がなぜか多い町だった。金木犀という匂いを覚えたのも、ある家の庭先に植えられていたからだった。一時期トイレの匂いが金木犀の匂いばかりになって、その匂いを嗅ぐともよおすような気がしたりして。夕食の時になるとサンマの焼く匂いとか、揚げ物の匂いとかその家の夕食が . . . 本文を読む
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