ジェイク・ギレンホール主演。国際宇宙ステーションという密室内で、火星で採取した未知の生命体と格闘することになった宇宙飛行士たちの恐怖を描いたSFスリラー。「デンジャラス・ラン」(Safe House)、「チャイルド44 森に消えた子供たち」(Child 44)のダニエル・スピノーサ監督作品。
国際宇宙ステーション(ISS)に乗組む6人の宇宙飛行士たちは、回収した火星探査機のサンプルから未知なる生命体を発見します。カルヴァンと名付けられたその生命体は知能を持ち、徐々に成長していきますが、ある日突然クルーに襲いかかります。それからは手に負えないほどのスピードで凶暴化していき...。
私には鬼門のSF映画ですが、本作は期待以上におもしろかった♪ ストーリーはシンプル、プロットは「エイリアン」(1979)とほぼ同じで展開もだいたい予測がつきますが、はらはらドキドキするしかけがうまく散りばめられていて、手に汗にぎり引き込まれました。シニカルなラストには思わずにやりとさせられました。
本作は密室劇で、登場するのはISSのクルー6人のみ。ジェイク・ギレンホール、レベッカ・ファガーソン、ライアン・レイノルズらとともに、真田広之さんがメインキャストで活躍しています。
ちょうど今、国内でヒアリが見つかり騒ぎになっているところなので、ある意味タイムリーだなーと思いながら見ました。人やモノがグローバルに行き来する以上、外来種の問題は避けて通れません。16世紀の大航海時代にも、南米からトマトやじゃがいもなどがヨーロッパに伝わった一方、これまでになかった疫病が南米にもたらされました。
将来、人間の活動の場が地球外まで広まったら、当然本作のようなことが起こりうるかもしれない...。微生物からアメーバ状の生物、やがて軟体動物のように進化していく生命体の様子には、意外とリアリティが感じられ、怖くなりました。
カルヴァンの知能と運動能力、そして生命力は、人間を凌駕するほど。クルーたちはカルヴァンをうまく隔離し、自らの安全を確保したうえで、強烈な破壊力をもつカルヴァンを決して地球に持ち込ませてはいけない。この難題を解決する唯一の方法が見つかりますが、カルヴァン相手にはたしてうまくいくかどうか...是非見て確かめてみてください。