高田郁作「みをつくし献立帖」を読みました。「みをつくし料理帖」に出てきたお料理のレシピとみをつくしの内緒噺が掲載されています。例えば登場人物の名前はどういう風に考えたのかとか「つる家」の間取り、そして「みをつくし料理帖」が中学・高校・大学・専門学校の受験問題に出たことなどです。「野江」の名前は大坂から京へ向かう京街道沿いにあった町の名前から付けられたそうです。高田郁さんは大阪の地下鉄の駅名「野江内代(のえうちんだい)」の名前を耳にするたびに「何故この名前?」と思われていたそうです。私も二男の家に行く時など同じ地下鉄を利用することがあり、変わった名前だなといつも思っていました。印象に残る名前です。私の知っている地下鉄の駅の名前から付けられたのかと思うと野江を身近に感じました。最後には書下ろし小説「貝寄風(かいよせ)」も掲載されています。「貝寄風」とは如月20日頃(今でいうと3月下旬)に吹く強い風のことをそう呼ぶのだそうです。「春一番」でしょうか。難波の浜に貝を吹き寄せるというところからきているらしいです。小説の内容は大坂での澪と野江の幼い頃の、まだ両親が健在で幸せだった頃のエピソードです。軽くすぐに読める本でした。
2022-6-4(土) 図書館資料 請求番号:913.6/B/タ