Sera の本棚

感動した本のことや映画を見たり、コンサートへ行ったりした感想、高槻の写真など記録できたらいいなあと思います。

人生とは勇気ー児玉清作

2021-10-07 17:03:34 | 

児玉清作「人生とは勇気」を読みました。久しぶりのエッセイです。児玉清さんはテレビクイズ番組「パネルクイズアタック25」の司会をされていていました。最初の頃は物知りでクイズ好きの一般の方が出演されて、答えられると鬼の首を取ったように「どうだ」という態度をとられて、児玉さんは良い気がしなかったようです。もっと気楽にゲームとして楽しんで参加してもらいたかったようです。クイズの司会を長年されただけでも世の風潮というのもわかるようで、世代間の断絶も感じられたそうです。何でも自分の発することは性格が出ます。表情でも動作でも隠し切れません。どんどん読み進めると、戦時中は集団疎開でいじめにあわれて悲しい思いをされました。読書が好きで中学高校と読書三昧。大学ではドイツ文学を専攻、少し年上のフランス文学専攻の篠沢秀夫さん(巨泉のクイズダービーにご出演されていた篠沢教授)に頼まれてフランス語での主役を演じ、役者への道へ進まれました。差別の激しい格差社会の典型ともいえる映画界に籍を置き悶々とした日々を送られたそうです。頭脳明晰、実直で、清潔で思慮深い、おまけにカッコイイと思って尊敬していました。このようなご苦労をされていたとは思ってもいませんでした。集団疎開の時からお月様に祈られていたそうです。いつも見守ってもらえる存在だったのです。児玉さんにとって「祈り」はとても重要でした。順調に動き出した時にお嬢さんを亡くされます。親にとってはこれほどつらい経験はありません。児玉さんは娘さんとの別れの後、心の底からの笑いを失われたそうです。「雨降らば降れ、風吹かば吹け」、「花に嵐の譬えがあるぞ、さよならだけが人生だ」の言葉が輝き始めたそうです。また出てきました。「さよならだけが人生だ」私もどこかでつながっているのかなと思いました。明日は何が起こるかわからない。コロナ禍ぐらい大したことではないと思って、1日1日を大切に過ごしたいと思いました。「月に祈る」ことを忘れずに。

2021-10-7(金) 図書館資料 請求番号:B/778.2/コ

コメント (6)
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