重松清作「カシオペアの丘で」を読みました。題名はとても美しくて響きがいいなと思いました。北海道の雄大な自然と満天の星、そんなバックグランドから生まれた小説です。題名以上に濃い内容でした。東京のとしまえんのメリーゴーラウンドも出てきます。上下にゆれて、追いかけては逃げ、追いかけては逃げ、上下にゆれて・・・遊園地やメリーゴーラウンド・星座が出てくることで夢やロマンのスパイスが加えられ、深い重い内容が、コーヒーにミルクを入れて飲むような優しい感触に仕上がっていると思いました。としまえんのメリーゴーラウンドはエルドラドと呼ばれ、1907年、ドイツのミュンヘンで名工といわれたヒューゴー・ハッセの手によって造られた歴史的な回転木馬です。ヨーロッパ各地をめぐった後、アメリカのコニーアイランドにある遊園地へ渡り、1971年「としまえん」にやってきました。100年の歴史を超えて、夢とロマンを語り継ぐ伝説の回転木馬です。おりしもとしまえんのフライングカーペットの事故のニュースが入ってきました。ますます、深い重い小説のイメージになりました。
お気に入り度:★★★★★ 図書館資料 請求番号:913/シゲ1,2