しましましっぽ

読んだ本の簡単な粗筋と感想のブログです。

「ハーメルンの誘拐魔」  中山七里 

2020年10月15日 | 読書
「ハーメルンの誘拐魔」  中山七里  角川書店      

記憶障害を患っている15歳の月島香苗が、賑わう街中で母親が少し目を離した間に居なくなる。
母親と交番勤務の巡査が探すと、香苗の生徒証と重ねて置かれた絵葉書が見つかる。
絵葉書のイラストは童話『ハーメルンの笛吹き男』だった。
誘拐の可能性大だと、捜査一課麻生班に出動の命が下される。
香苗の記憶障害は子宮頸がんワクチンの副反応だと母親の綾子はその闘病記録をブログで綴っていた。
それは告発の文書でもあった。
月島綾子は子宮頸がんワクチンの副反応により被害を認めるように社会活動もしていた。
犬養隼人刑事は、ワクチン被害の反対勢力に目を向ける。
その筆頭は産婦人科協会の会長槇野だった。
その槇野の娘亜美が香苗の失踪から6日後に姿を消す。
友人と神社にお参りした後、スマホを落としたと神社に戻り、神社には亜美のスマホと『ハーメルンの笛吹き男』の絵葉書が残されていた。
誘拐犯からは何の要求も声明もないまま、次の誘拐事件が起こる。






犯人から要求のない誘拐事件。
置かれた絵葉書から色々推測する犯人像。
どう展開していくのか、まったく予想が付かなかった。
子宮頸がんワクチンのこともあまり知らなかった。
盛んにワクチンを受けようと言う宣伝広告は見たし、その後に副反応が問題になった事も知ってはいたが。
その後、あまり報道はされていないと思う。
先が気になるどんどん読み進んで行くが。
身代金の受け渡しの辺りから、色々突っ込み処が増える。
受け取り場所が管轄外でないからと、警察の取り組みが違うとは思えないのだが。
そして、その方法も。
そんなに上手く行く方法とは思えない。
突っ込み処と言えば、亜美と別れた後の美鳥も。
普通ならスマホに連絡するだろう。
もし見つからなくて探しているなら、それが助けになるだろうし。
だから、亜美は自分で消えたのではと思ってはいた。
前半のワクワクに対して、後半はちょっとがっかり感が。
読み終わって子宮頸がんワクチンの事を調べるが、この物語に書かれているような結論は出ていないらしい。
しかし、障害で苦しんでいる人がいるのも事実。
もっとその病気が解明されるようになるといい。

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