しましましっぽ

読んだ本の簡単な粗筋と感想のブログです。

「開けっぱなしの密室」 岡嶋二人  

2006年05月27日 | 読書
短編集
「罠の中の七面鳥」
競馬の借金から、会社の金を横領した宮本太郎。
同じ会社の花子は、アサミと名乗り、夜のバイトを変身して楽しんでいた。
太郎はアサミと出会い、花子と似ている事に気が付き、横領の罪を花子になすり付ける計画を立てる。

「サイドシートに赤いリボン」
カメラマンの若槻が仕事でディレクターの奥山を訪ねると、奥山は轢き逃げ事故を起こした事を苦に自殺していた。
しかし、奥山が死んだと思い込んでいた被害者はぴんぴんしていた。
同じ様な事故が、2人が仕事で使った俳優の柚木にも起こっていた。
3人で浜名湖に撮影に行った時に何かがあったらしい。

「危険がレモンパイ」
4階建てのビルの屋上で自主映画を撮っていた一人が、顔にレモンパイのクリームを付けて転落死。
事故に思われたが。

「がんじがらめ」
姉が自殺した。第一発見者の弟は、姉の保険金の受取り人が自分だと知っていた。
その時お金に困っていた弟は、自殺を他殺に見せかけ様と細工をする。

「火をつけて、気をつけて」
連続放火犯を偶然見つけた小村正孝は、放火犯と取引をして、自分の伯父の家に放火させる。
その火事のショックで、伯父は死に、放火犯もその場で死んでしまう。
上手くいったかにみえたが・・・。

「開けっぱなしの密室」
OLの夏美は、勝手に部屋に入る大家を懲らしめ様と、親友の悦子を呼ぶ。
夏美が出勤した様に見せかけ、部屋に潜んでいたのだ。
悦子が帰ると、玄関の戸が開いていて、夏美は殺されていた。しかし、戸口に挟まれた訪問販売の名刺から
夏美が殺された前後2時間は戸は開け閉めされなかった事が分かった。
犯行後、犯人は部屋に留まっていたのか?
鍵が閉まっていれば密室だが、開いていても犯行は密室状態の時に起こった事になる。


色々な種類のミステリーだが、どれもが面白かった。
やはり表題作が1番面白い。
密室の考え方が、今までとはちょっと違った。
しかし、この短編集の犯人達は自分の利益のための身勝手な犯罪が多い。きちんと捕まえてもらえてよかった。

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